撮影:横山耕太郎
キャンプギア(用品)ブランドのスノーピーク(本社:新潟県三条市)が東京駅前の商業施設「KITTE(キッテ)丸の内」に、カフェを併設した新店舗「Snow Peak LAND STATION TOKYO」をオープンした。
新店舗ではキャンプ用チェアが備えられたカフェに加えて、テント・焚火台といったキャンプギアやアパレル、家具などを販売するほか、スノーピークが運営するキャンプ場の優先予約ができるコンシェルジュサービスも設けている。
店舗面積、約4倍に拡大
店舗面積は大幅に拡大された。
撮影:横山耕太郎
もともとスノーピークは、2013年から同じく「KITTE丸の内」の中で直売店「スノーピーク丸の内」を運営していた。今回の新店舗は、同じフロア内で移転してリニューアルしたものだ。店舗面積も従来の約125平方メートルから、およそ4倍となる約487平方メートルと大幅に拡大した。
メディアの内覧会時には、2基のテントも展示されていたが、スノーピークによると「都心の店舗でテントを展示販売している直営店はあまりない」という。
キャンプ用のチェアでカフェ
店舗内にはテントやキャンプ用の調理器具など、大型のキャンプギアが展示販売されている。
撮影:横山耕太郎
併設されたカフェには、スノーピーク製のキャンプ用のチェア(FDチェアワイド:販売価格・税込1万7600円)やテーブル(ワンアクションテーブル竹:販売価格・税込3万7400円)が使われており、ちょっとしたキャンプ気分が味わえる。
カレーは「フードロス削減」を意識
内覧会で試食用に提供されたカレー3種。実際にオーダーできる商品とは異なる。
撮影:横山耕太郎
カフェで提供されるカレーは、フードロス対策も意識しているという。
「アウトドアビーフカレー」(税込1518円)では、出産を終えたメス牛(経産牛)を使用。スノーピークによると、経産牛は一般的に肉質が劣るとされるが、あえてカレーの具材として北海道の経産牛を採用し、味にもこだわったという。
また東京の新店舗だけで提供するのが、「マタギの鹿肉スパイスカレー」(税込1628円)。北海道産のエゾシカの肉を使用しているという。
「鹿は低カロリーではあるものの独特の臭みがある。臭みを感じないように調理した」(レストラン担当者)
カレーでは他に、肉類や小麦粉類を使っていないヴィ―ガンフリー・グルテンフリーの豆野菜カレー(税込1408円)も販売している。
ワークスペースも設置
ワークスペースでは東京駅近くのビル群が見える。
撮影:横山耕太郎
ビジネスの中心地である東京駅という立地から、店内にはワークスペースも設けた。ワークスペースの利用料は90分1500円、120分で1800円、30分延長で450円(いずれも税抜き)。
ワークスペース利用中は、スノーピークのキャンプギアを使って、自由にコーヒーを淹れて飲むこともできる。
自分でコーヒーを入れる仕組み。
撮影:横山耕太郎
事業多角化の「象徴」
スノーピークが生産・発売している衣服。
撮影:横山耕太郎
一方でこの新店舗は、スノーピークの「事業多角化」を象徴する店舗でもある。
これまで高機能・高価格のキャンプギアが支持され、急成長してきたスノーピークだが、中期経営計画では「衣食住働遊」を掲げ、アパレル事業、飲食事業、住宅関連事業、オフィス関連事情、キャンプ場の経営などに着手している。
今回の新店舗でも、自社開発のアパレルはもちろん、自社製の組み立て式の家具の販売や、キャンプ場の予約、バスツアーの提案なども行うという。
またスノーピークの子会社「スノーピークビジネスソリューションズ」では、オフィス内にテントやチェアなどを導入する空間設計事業を手掛けており、ビジネス街でもある東京丸の内のオフィスへの売り込みを進めたいという意図もある。
「今後はオフィス提案に関するイベントなども開催していきたい。
東京駅は、東京でも中心地。会社員の方や家族連れなどのお客様にも来ていただき、都市で暮らす人と自然とをつなげる役割を担っていきたい」(スノーピーク未来開発本部Experience開発課 ・山井隆介氏)
(文・横山耕太郎)