Sander van der Werf / Shutterstock.com
- 水素を燃料とする世界初の完全無公害の列車が、ドイツで正式に運行が開始された。
- 列車の製造元であるアルストムは、ヨーロッパがロシア産石油からの脱却を図る中、「ディーゼル発電に代わる真の選択肢」としている。
- 世界初の水素を動力源とする列車の写真を見てみよう。
2022年7月25日、世界初の水素を燃料とする列車がドイツで正式に乗客を乗せて運行を開始した。
Fuel Cell Worksのレポートによると、この列車は8600万ドル(約114億円)で、ハンブルグ郊外の2つの停留所間で乗客を輸送することから始めるという。
Fuel Cell Worksによると、この列車の運行はまだ初期段階で、最初の数カ月は整備が必要な場合に備えて旧式のディーゼル車を予備として用意するという。
この列車を開発したフランスのアルストム(Alstom)社は、この排出ガスを出さない列車を「ディーゼルエンジンに代わる真の選択肢」だとしている。
この列車は、ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国が照明や暖房の制限をしてまで、ロシア産の石油・ガス輸入から脱却しようとしているときに登場した。
世界初の水素で動く列車を紹介しよう。
水素燃料電池を搭載する列車「Coradia iLint(コラディア iリント)」は、2016年に初めて一般公開された
アルストムが製造した世界初の水素を燃料とする鉄道車両「Coradia iLint」
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製造元のアルストムによると、最高速度は時速140マイル(225km/h)に達するという
Coradia iLintの車内。
Alstom
アメリカ環境保護庁(EPA)によると、水素で動く乗り物は公害の原因となる排気ガスではなく、副産物として水や熱を発生させる
水素列車「Coradia iLint」を操縦する製造元のアルストム社の従業員。
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Source: EPA
製造元のアルストムによると、この列車の騒音は低いレベルだという
水素列車に燃料を補給する係員。
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アルストムは2014年にこの列車の開発に着手し、2018年に試験運行を実施した。現在は正式に乗客を運ぶために運行している
Coradia iLintの車内。
Alstom
水素を燃料とする列車は、フランス、ポーランド、スウェーデン、オーストリアなどでも実験が行われている
アルストムの水素で走る列車「Coradia iLint」。
Alstom/Christoph Busse
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)