救出されたカメ。
Taronga Zoo
- オーストラリアのシドニーにあるタロンガ動物園が救出した小さなカメは、6日間プラスチックを排泄し続けた。
- 「フンではなく、プラスチックばかり出て来ました」と動物園の動物看護士は話している。
- 世界自然保護基金(WWF)では、ウミガメの半数はプラスチックを食べたことがあると見ている。
オーストラリアのシドニーにあるタロンガ動物園が救出した小さなカメは、6日間プラスチックを排泄し続けた。
動物園のツイッターページに投稿された動画で動物看護士のサラ・メイルさんは、動物園の近くの海岸で、後ろのひれを「かじられた」小さなカメが救出されたと説明している。
Taronga Zoo
そして「(このカメは)6日間プラスチックを排泄しました。フンではなく、プラスチックばかり出て来ました」とメイルさんは話した。
その後、カメは体内の全てのプラスチックを出し切ったようで、メイルさんは「運がこの子に味方してくれました」と語った。
メイルさんたちが目にするカメの怪我の大半は、プラスチックや釣り糸を食べたことによるものだという。
タロンガ動物園のウェブサイトによると、病院では毎年80匹以上のウミガメのリハビリを行い、自然に返している。
この病院はウミガメ以外の在来動物の治療も行っていて、1970年代のオープン以来、5万匹以上の動物を自然に返してきた。
人間は毎年、約800万トンのプラスチックを海に捨てていて、WWFでは2050年までに海洋プラスチックごみが海の魚の量を上回ると予想している。
また、WWFは海鳥の90%がおなかの中にプラスチックがあり、ウミガメの半数はプラスチックを食べたことがあると報告している。
海洋保護団体オセアナ(Oceana)の報告では、アマゾン(Amazon)だけで2020年に2350万ポンド(約1万700トン)の海洋プラスチックごみを出していたことが分かった。
2021年10月には、オーシャン・クリーンアップ(Ocean Cleanup)という非営利組織が「太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)」と呼ばれる海域からプラスチックごみを回収した。
2カ月半に及ぶミッションで、オーシャン・クリーンアップは6万4000ポンド(約29トン)の海洋プラスチックごみを持ち帰った。こうしたごみの中には、マネキンや冷蔵庫なども含まれていた。
[原文:Tiny turtle in Australia pooped plastic for 6 days after zoo rescue]
(翻訳、編集:山口佳美)