REUTERS/Dado Ruvic
Twitterが、世界中から寄せられた法的請求やTwitterルールに基づく強制的対応などの状況をまとめた「透明性センター」の最新データを7月28日、公表した。レポート期間は2021年7月1日〜12月31日まで。
Twitterでは2012年から透明性レポートを開示しており、2022年が10年の節目にあたる。Twitter Japanが公開しているサマリーでは、世界各国の中で「意外な日本の現状」が明らかになった。
情報開示請求でも日本は上位5カ国に
Twitter Japanが公開したサマリーによると、日本においてはいくつかの透明性にまつわる要請数が世界トップクラスにあることがわかった。
「削除請求」の要請 ー 日本が世界トップ
日本からの削除リクエストの増加推移。半年ごとの集計でみると、2021年の7月〜12月は過去最高の削除リクエストになっている。
出典:Twitter Transparency Center
コンテンツの削除を求める法的要請は、期間中に全世界で4万7572件。この数字は過去10年で最大だったという。
そのなかで、日本から寄せられた法的な削除請求は2万3555件にのぼり、前期間から件数ベースで27%増加した。
規模としては、日本が全削除請求の半数を占め、また日本は「削除請求で、世界トップの要請国」だった。なお、2番目はロシアだが、全世界に占める割合は17%に過ぎない。
国別比較。削除要請件数で2位のロシアは、とはいえ全体の17%にすぎない。またアメリカは意外にも全体の1%以下だ。
出典:Twitter Transparency Center
Twitter Japanによると「日本からの請求の96%は、金融犯罪、麻薬、売春の禁止など法律に関するもの」だという。
「情報開示請求」ー 政府機関からの要請は上位5カ国、非政府機関からは世界トップ
色の濃い地域が情報開示請求の件数が多い地域。日本は濃い赤茶色になっている。
出典:Twitter Transparency Center
日本の詳細。半年間で2003件の情報開示請求があった。
出典:Twitter Transparency Center
情報開示請求でも、日本は上位国に入っている。
政府機関(行政機関)からの開示請求は、全世界で1万1460件。政府機関が情報請求したトップはアメリカで、そのほかインド、日本、フランス、ドイツを含めて「情報開示請求トップ5国」となっている。日本からの請求は2003件だった。
見逃せないのは、この期間に世界各地の認証済みのジャーナリストや報道機関への法的要求が増加傾向にある、ということだ。349のアカウントが、326の法的要求の対象となっており、「データの追跡を開始して以来過去最高」(Twitter Japan)になっている。
なお、透明性センターの取りまとめによると、報道機関などへの法的要求が急増した国としては、主に「インド(114件)、トルコ(78件)、ロシア(55件)、パキスタン(48件)」だとしている。
Twitter Japanはブログのなかで「これは、報道の自由への緊張感が世界的に増している今、より重要な意味を持っています」と説明している。
透明性センターでは「Regal Request(法的請求)」「Twitter Rules(Twitterルール)」「Security & Integrity(セキュリティと品位)」の3カテゴリーがあり、それぞれ細かな集計をインタラクティブに見ることができる。
なおTwitter Japanでは後日、透明性センターの日本語ページも公開予定としている。
(文・伊藤有)