クレジットカードの統合は、クレジットカードの負債を返済し、長期的に利息を少なくするための有効な手段だ。
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- インフレが進む中、Z世代はクレジットカードの支払いに苦労している。
- VantageScoreのデータによると、1年前と比べ、若年層のクレジットカードの支払い残高は30%増加したという。
- クレジットスコアの評価が低い消費者もクレジットカードの支払い残高は25%近く増加している。
若い人々のクレジットカードの請求書にインフレの影響が出始めている。
クレジットスコア会社のVantageScoreによると、Z世代(1997年から2012年に生まれた世代)の若者は、2022年の第2四半期(4-6月)においてクレジットカードの支払い残高が1年前と比べて30%増加し、それ以外の人たちでは11%増加したという。VantageScoreのデータは、アメリカ国内の1250万件のクレジットファイルから無作為に抽出されたものだ。
また、クレジットスコアが660未満と低い人では、クレジットカードの支払い残高は25%近く増加し、他の人々の2倍以上だ。ミレニアル世代でも、過去1年間で支払い残高が22%も増えているという。
インフレによってガソリンや食料などの日用品の価格が上昇しているため、若い層や低所得層の消費者はパンデミック初期よりもクレジットカードやその他の請求書の支払いに苦労している。
「パンデミック期は、景気刺激策の給付金や貯蓄、学生ローン返済の一時停止によって、消費者はある程度余裕があったため、借金を返済することができた」とVantageScoreのCEO兼社長、シルビオ・タバレス(Silvio Tavares)はInsiderに語っている。
VantageScoreによると、カードローンを30日間延滞する人の割合はパンデミック前と比べるとまだ低いが、Z世代とミレニアル世代では増加傾向にあるという。
ロイター通信(Reuters)が報じたところによると、信用調査会社のTransUnionは、2023年の第1四半期(1-3月)にクレジットカードの延滞率は8.4%に達すると予想している。
「これは重大なことが起こるという意味ではない」とタバレスは言う。
「ただ、この傾向が続くのか、他の世代にも広がっていくかを監視する必要がある」
「一部のアメリカ人は旅行や食事にお金をかける一方で、クレジットカードによる負債を返済していない」と彼はロイターに話している。
消費者の支出データは、高いインフレ率にも関わらず、人々が物やサービスに比べて旅行や移動に多くを費やしていることを示している。
タバレスによると、「インフレがピークに達し、低下している兆候がいくつかある」という。
Z世代とミレニアル世代がクレジットカードの支払い残高を増やしたのは、インフレ率ほど彼らの収入が急速に上昇しなかったため、ニーズを補う方法が必要だったからだとタバレスは分析する。
「インフレが抑制されれば、クレジット残高はこれほど急速に増えることはないだろう。また、学費ローン返済の一時停止を延長すれば、Z世代とミレニアル世代がクレジットカードによる負債を返済するために貯金できるようになる」
全体的には消費者は健全であり、Z世代やミレニアル世代を含めてクレジットスコアは上昇傾向にあるとタバレスは話している。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)