韓国ソウル駅で、北朝鮮のミサイル発射に関するテレビ放送を見る人々。2022年6月5日。
Chung Sung-Jun/Getty Images
- 専門家によると、北朝鮮の核ミサイル開発は止められないようだ。
- ビクター・チャは、北朝鮮の核ミサイル開発はアメリカのミサイル防衛の近代化以上に早く進んでいると述べた。
- アメリカのブリンケン国務長官は北朝鮮が7回目の核実験を行う準備を進めていると述べた。
北朝鮮の専門家によると、北朝鮮の核ミサイル開発の進展はアメリカのミサイル防衛計画の進展より 「速く」は 「止められない」 ように見えるという。
韓国の聯合ニュースによると、元国家安全保障会議のアジア部長で、戦略国際問題研究所韓国担当のビクター・チャ(Victor Cha)は、北朝鮮が戦略兵器の能力を急速に向上させており、「止められない」ように見えると述べたという。
「アメリカはミサイルを拡張して近代化を進め、ミサイル防衛システムを増強・補完している」とチャは述べた。
「だが、北朝鮮の核ミサイル開発の進展は、ミサイル防衛システムの近代化よりも速いと言えるだろう」
アメリカのミサイル防衛システムは、限られた数量の従来の弾道ミサイルは防御可能だが、対抗装置付きのミサイルや極超音速ミサイルのような、より複雑なシステムに対しては、大きな課題がある。
ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権時に北朝鮮との交渉を主導したチャは、アメリカとの対話に応じない平壌が、現状を「良くない」ものにしているが、軍事行動がその答えではないと考えていると述べた。
軍事力を重視する北朝鮮は、2017年に最初に成功したと主張する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含め、31回のミサイル実験を行ってきた。それに対し、アメリカと韓国は合同でミサイル発射訓練を行い、2022年夏には実動訓練を含めた合同軍事演習を行う予定だ。
米韓軍事演習の拡大は平壌を激昂させた。北朝鮮当局は、「軍事的な対立」を止めなければ、アメリカと韓国は「前例のない」安全性の課題と、「望まない」結果に直面するだろうと警告した。
だが、アメリカとその同盟国にとっては、緊張を引き起こしているのは北朝鮮だ。アメリカのアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は核不拡散条約(NPT)再検討会議で「北朝鮮が7回目の核実験の準備をしている」 と述べ、北朝鮮だけでなく、ロシアやイランからの核による挑発で、NPT再検討会議は「緊張感が高まっている」と付け加えた。
[原文:Leading expert warns North Korea's development of nuclear missiles looks 'unstoppable']
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)