ヴァージン・アトランティックのA330-900neoの機内。
Virgin Atlantic
- ヴァージン・アトランティック航空が、老朽化したエアバスA330ceoの後継機となる同社初のエアバスA330-900neoを発表した。
- 同社は新たなA330neoに革新的なリトリート・スイートを含む最新の客室を導入する予定だ。
- エコノミークラスでも13.3インチの大型座席スクリーンや充電ポートなど、新たにグレードアップした設備を使えるようになる。
ヴァージン・アトランティック航空(Virgin Atlantic)が最新機を発表した。エアバス(Airbus)A330-900neoだ
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
同社は2019年、保有機の近代化を図るため、最大16機のA330neoを正式に発注すると発表し、イギリスの航空会社として初めて同機を購入した。発注金額は41億ドル(約5535億円)で、2022年~2026年で全機が納車予定だ
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
A330-900neoは老朽化したA330-300ceoの後継機であり、同社の二酸化炭素排出量削減への取り組みを強化するための機体でもある
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Bradley Caslin/Shutterstock
「我々が航空会社としてできる最もインパクトのあることは、可能な限り、最もクリーンで、最も環境に優しく、最も新しい飛行機で飛ぶことで、A330neoはこの目標を達成するのに不可欠だ」とコーニール・コスター(Corneel Koster)CCOは記者会見で述べた。「まさに未来の飛行機だ」
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Airbus
エアバスによると、A330neoはA330シリーズの最新世代で、旧世代に比べて1席あたりの燃料消費量が25%減り、航続距離は1500海里(約2800キロメートル)増えている
エアバスA330-900neo。
Airbus
出典:Airbus
ワイドボディ、A350 XWBにインスパイアされたシャークレット、ロールス・ロイス(Rolls-Royce)製のトレント7000(Trent 7000)エンジンが効率アップの要因だろう
エアバスA330-900neo。
Airbus
出典:Airbus
ヴァージンにとって新たなA330neoは、現在のA330ceoに比べて燃料効率と炭素効率は11%、静粛性は50%アップする機体だ
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
さらにA330neoは、同社が2019年から使っているA350-1000と共通点がある。両機は「同じパイロットライセンス」で操縦することができるとエアバスは述べている
エアバスA350-1000。
Airbus
出典:Airbus
つまりヴァージンのパイロットは、約8日間の「差異訓練」を除けば、フルフライト・シミュレーターでの特別な指導を受けることなく、いつでも両機を操縦することができるのだ
エアバスA330-900neo。
Airbus
出典:Airbus
ヴァージンのA330-900neoの初フライトは、10月12日、ロンドンのヒースロー空港とボストンのローガン国際空港間の予定で、チケットは現在発売中。年内に、マイアミ国際空港、タンパ国際空港、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港での就航も予定されている
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
出典:Virgin Atlantic、Simple Flying
同社がアピールするのは、乗客体験の向上だ。特に主力のアッパー・クラス(Upper Class)の座席はより広く、収納も充実しており……
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
……さらに、すべてが新しいリトリート・スイート(Retreat Suite)を導入した
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
アッパー・クラスの客室にはスイートが30席あり、全席前向き。ゆっくり過ごしたい人には「サービス不要(do not disturb)」の札や、鏡、自分で明るさをコントロールできる照明、17.3のタッチスクリーン・テレビ、プライバシーのための扉もある
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
バージンによると、リトリート・スイートはアッパー・クラスの客室の前に2席ある。航空業界史上最大のスイート席で、ワイヤレス充電や6.7インチ(約2メートル)のフル・フラット・ベッドに…
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
……Bluetooth接続が可能な27インチタッチスクリーンと……
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
……各席に補助席にもなるオットマンがあり、最大4人で会話したり、食事をしたり、ゲームを楽しむことができる
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
リトリート・スイートは、ジェットブルー航空(JetBlue)の最前列座席で、アメリカの航空会社では最大のテレビ画面を備えるミント・スタジオ(Mint Studio)に似ていてる
ジェットブルー航空のミント・スタジオ。
Thomas Pallini/Insider
A330neoにはヴァージンのシンボル、ソーシャル・スペースのザ・ロフト(The Loft)も。 8人が入ることができ、ワイヤレス充電やBluetooth対応27インチタッチスクリーン、セルフサービスの冷蔵庫とドリンク・サーバーを使うことができる
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
ザ・ロフトを利用できるのは、アッパー・クラス、それも最新のA330-900neoとA350の乗客だけだ
ヴァージンのエアバスA350のザ・ロフト。
David Slotnick/Insider
46席あるプレミアムキャビンは、アッパー・クラスの後ろにあり、レッグ・レスト、リクライニング、Bluetooth付き13.3インチタッチスクリーン、シート内蔵のワイヤレス充電などの設備がある。前席との間隔は38インチ(約97センチメートル)だ
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
エコノミーシートにも、13.3インチのBluetooth付きテレビ、コンセント、USBポートがある。タッチスクリーンは乗客のスマホでも操作可能だ
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
エコノミーシートの座席間隔は2種類あって、28席あるエコノミー・デライト(Economy Delight)は34インチ(約86センチメートル)、156席あるエコノミー・クラシック(Economy Classic)は、31インチ(約79センチメートル)。全席で高速機内Wi-Fiが利用できる
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Virgin Atlantic
「最先端のA330neoを発表し、我々の顧客体験の進化をお見せできることを誇りに思う。すべての座席のお客様にプレミアムな体験をお届けできるだろう」とコスターCCOは述べている
ヴァージン・アトランティックのA330-900neo。
Airbus
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)