アルカイダ幹部の殺害は秘密兵器によるものだった…爆発せずに6枚のブレードで攻撃する「ヘルファイアR9X」

元アルカイダ指導者のアイマン・アル・ザワヒリ(右)とオサマ・ビンラディン(左)。撮影日不明。

元アルカイダ指導者のアイマン・アル・ザワヒリ(右)とオサマ・ビンラディン(左)。撮影日不明。

Visual News/Getty Images

  • アルカイダの指導者を殺害したミサイルは秘密兵器だったと言われている。
  • ほとんど知られていない「ヘルファイアR9Xミサイル」は、爆発物を使用せずにターゲットを殺害するように設計されている。
  • このミサイルは、着弾のわずか数秒前に飛び出す6枚の刃を使用する。

7月末のドローン攻撃でアルカイダの指導者を殺害した「ヘルファイアR9Xミサイル」は、民間人の犠牲を最小限に抑えるため、爆発する弾頭の代わりに刃を装備した秘密兵器である可能性が高い。

アメリカ国防総省によると、9.11テロを支援したアイマン・アル・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)は、2022年7月31日午前6時18分(現地時間)、隠れ家で2発のヘルファイアミサイルを受けて殺害された。当局はこの殺害を「精密なテロ対策作戦」と表現している。

エジプト生まれのアル・ザワヒリは家族とともにカブールの繁華街に隠れていたとジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は8月1日の演説で述べ、民間人や家族の殺害はなかったと付け加えた。

「我々はザワヒリを殺害したが、他のいかなる個人も殺害していないことを複数の情報源を通じて確認している」と政府高官が国防総省の声明で述べている。

インターネット上で見られる写真によると、アル・ザワヒリが隠れていた建物は窓が割れているものの、構造は無傷であり、激しい爆発は起きていないことが分かる。

これは、#カブールのシェルプール地区の攻撃現場の画像であると言われている。

爆発的な損傷がないことは、アメリカが「空飛ぶナイフ」であるR9Xミサイルを使用したことを示しているのかもしれない。

アメリカ当局は、この作戦に投入されたヘルファイアミサイルの種類を明らかにしていない。しかし、巻き添えによる被害が最小限に抑えられていることから「ヘルファイアR9X」の系統が使用された可能性が高いと、複数メディアが国防専門家やソーシャルメディアの画像などを引用して報じている

オープンソースの情報機関サイトBellingcatによると、R9Xは空対地ミサイルで、衝突の数秒前に展開される6枚の刃がその運動エネルギーでターゲットを破壊する。

このミサイルの多くについては秘密に包まれており、発射前の姿の画像は公開されていない。

ヘルファイアR9Xミサイルを解説した図。赤いラインで囲まれているのが6枚の刃。

ヘルファイアR9Xミサイルを解説した図。赤いラインで囲まれているのが6枚の刃。

Francois Duckett/AP Images

R9Xは爆発を伴わないため影響を与える範囲が狭く、個別のターゲットを効果的に殺害することができる一方、民間人が巻き添えで死亡する可能性は低いとBellingcatは述べている。

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