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再エネ大手オクトパス、東京ガスなどから総額745億円を資金調達。日本展開も強化へ

octpus energy fundraising Greg Jackson CEO

エネルギー価格の高騰に対して何をすべきか。公式YouTubeチャンネルを通じて直接語りかける、オクトパスエナジーのグレッグ・ジャクソンCEO。

Octopus Energy Official YouTube Channelよりキャプチャ

急成長するイギリスのエネルギーテック企業・オクトパスエナジーが、既存投資家から5億5000万米ドル(約745億円)を調達したと発表した。

5億5000万ドルのうち、3億2500万米ドル(約440億円)をイギリスにおけるテクノロジーとグローバル事業に投資する。

オクトパスエナジーの急成長を支える同社独自のテクノロジープラットフォーム「クラーケン」をさらに拡充し、エネルギー危機の解決や再生可能エネルギーの普及を促進するためのプロダクトやソリューションへの投資に充てる予定だ。

既存投資家の一つ、東京ガスは、Business Insider Japanの取材に対し、次のように語った。

「具体的な金額は明らかにできないが、イギリスの現地法人、東京ガスユナイテッドキングダム社を通じて増資することを決めた」(広報部)

また、2億2500万米ドル(約305億円)については、カナダの巨大公的年金運用機関CPP Investments(CPPインベストメント、カナダ年金基金投資委員会)が追加出資する。

CPPインベストメントは、オクトパスを「エネルギー分野における重要なイノベーター」と指摘。戦略的パートナーシップを強化し、イギリスのテクノロジー部門とグローバル事業の支援に加え、オクトパスの主要プラットフォーム「クラーケン・フレックス」を活用した再生可能エネルギーによる電力供給を加速・強化したい考えだ。

アメリカ元副大統領の投資会社からも6億ドル

オクトパスエナジーは2021年9月にも、アメリカ元副大統領アル・ゴア氏が共同創設者を務めるサステナビリティに特化した投資会社Generation Investment Management(ジェネレーション・インベストメント・マネジメント)から最大6億ドル(現在のレートで約811億円)を追加で調達すると発表していた。

東京ガスは、2020年12月に戦略的提携に合意し、東京ガスユナイテッドキングダム社経由で「約2億ドル(当時で約200億円)」を出資。日本で合弁会社を設立して、家庭向けに実質再生可能エネルギー100%の電力を販売してきた。

オクトパスエナジーのCEO兼創設者、グレッグ・ジャクソン氏は、今回の増資について、世界的なエネルギー危機に触れながら次のように語っている。

「今後もエネルギー危機を乗り切るためにできる限りの支援を行うとともに、このような事態が二度と起こらないよう、より良い解決策に投資していく。そのためには、オクトパスのような革新的な企業の継続的な大胆さと、CPP インベストメント、Generation、Origin(※)、東京ガスといった先見性のある投資家の後押しが必要だ」(ジャクソン氏)

※Origin:2000年に設立されたオーストラリアの大手総合エネルギー企業、Origin Energy(オリジンエナジー)。

「日本最大の新電力」の“野望”は変わらない

オクトパスエナジーは2022年1月の関東での本サービス開始を皮切りに、6月には沖縄を除く全国で実質再生可能エネルギー100%の販売を拡大している。

8月4日には、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を所有する家庭向けの新料金プラン「EVオクトパス」の提供を開始した。

octpus energy fundraising EV PHV plan

EV・PHVの充電設備を持つ家庭を対象に、新たな料金プラン「EVオクトパス」の提供を開始。まずはβ版として、東京電力エリア向けに実施する。

オクトパスエナジー公式サイトをキャプチャ

充電設備を設置済みの家庭がこのプランに切り替えると、EV・PHVの充電だけでなく家庭で使用する電気使用量全体が、深夜2〜4時にその他の時間帯の半額になる。まずは東京電力エリアを対象に、β版としてサービスを提供する。

「沖縄を除く46都道府県に展開が完了したので、さらなる顧客数の拡大を図る。(国内最大の新電力)東京ガスを超える新電力になるという野望は変わっていない」

そう語ったオクトパスエナジー日本CEOの中村肇氏は、オクトパスエナジー・グループ全体のチームワークの強さを指摘する。

「イギリスのオクトパス本社からは日本チームに対して非常に熱い視線と期待、そしてサポートが寄せられている。今もイギリスから複数のメンバーが東京オフィスに来日し、数カ月単位で日本の各種施策や取り組みの準備を手伝っている」(中村氏)

現在、オール電化や動力(業務用)を対象にした料金プランのほか、テクノロジーを駆使した「よりインテリジェントな」プランやサービスなどを検討中。支払い方法の拡大、「デマンドレスポンスに対するオクトパスらしい取り組み」も実施していきたいとしている。

オクトパスエナジーは2016年にイギリスで創業。イギリス、日本、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、スペイン、イタリアの8カ国で事業を展開し、100%再生可能エネルギーを320万件以上の顧客に供給している(顧客の多くは電力とガスをセットで購入)。

再エネへの投資や研究開発も積極的に行っており、8月3日には世界最大の洋上風力発電所に合計4億ポンド(約650億円)の投資を発表するなどしている。

(文・湯田陽子

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