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旧統一教会「高額献金ないよう努力」に弁護士が反論「事実をごまかしている」【会見質疑全文】

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会見に参加した世界平和統一家庭連合の田中富広会長。

日本外国特派員協会での会見中継を編集部キャプチャ

宗教法人・世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)が8月10日、日本外国特派員協会(東京・丸の内)で記者会見を開いた。

登壇した世界平和統一家庭連合の田中富広会長は、問題視されている信者による献金について「2009年を分岐点に、財産に比して高額な献金がなされない努力をしている」などと主張した。

一方で、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の代表世話人を務める山口広弁護士は、Business Insider Japanの取材に対し「(2009年以降も)組織ぐるみの資金集めをやめるということは言っていない。(献金)達成のために手段を選ばずやらざるを得ない実態はいつまでも続いている」と反論した。

動画:日本外国特派員協会 オフィシャルサイトFCCJchannel

全国弁連・山口弁護士「事実をごまかしている」

山口広弁護士

7月の会見で旧統一教会の問題について語った、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士。

撮影:西山里緒

1時間の予定だった記者会見は、田中氏による冒頭の発言時間が予定の30分を超過。

モデレーターが質疑に移ろうとしたのを静止しながら、約40分に渡り発言を続け、会見時間は10分程度延長になった。

会見で田中氏は信者による多額の献金が問題視されていることについて、「(旧統一教会にとっては)2009年が大きな分岐点」だったと話した。

「一部信徒の経済活動が刑事事件として検挙され、それに関して当法人の地方施設などに警察の家宅捜査が入るという事態となり、当時の当法人会長が、世間を騒がせた道義的責任を取って、辞任いたしました」(田中会長)

その後は「財産に比しての高額な献金が行われないよう努力を重ね、今日に至っている」とした。

この発言に対して、全国弁連の代表世話人・山口弁護士は、Business Insider Japanの取材に対して、「『一部の信徒の経済活動に問題があった』という言い方は、組織ぐるみで資金集めをやってきたという事実をごまかしている」と指摘する。

「資金集めは、文鮮明(ムン・ソンミョン)教祖自らの指示で『いつまでにいくら』という指示が繰り返し出ていた。その達成のため、手段を選ばずやらざるを得ないという実態はいつまでも続いている。2009年以前の活動について『悔い改めて、非常にまずいことをやってきた、一切こういう形の資金活動についてはやめます』ということは内部的にも全く言っていない」(山口氏)

実際、訴訟件数が減ったのは間違いないが……

データ

田中会長は、民事訴訟の件数が減っていると主張した。

画像:日本外国特派員協会での会見中継を編集部キャプチャ。

また会見で田中氏は、係属中の裁判件数について、1998年の78件から2022年の5件に減少したとフリップを見せながら説明した。

その上で、「メディアに出てくる弁護士団体は、相談のあった当法人にまつわる案件の全てを、被害と断定して集計発表していますが、その内容は実に不正確であり、不公正です」と反論した。

先述の全国弁連・山口氏は、「実際訴訟件数や、損害賠償請求の件数が減っているのは間違いない」と認めるが、その理由は「統一教会の活動力が減退したことと、被害者の年齢が高齢化してきたことによるもの」だと話す。

「弁護士から見るとなかなか損害賠償請求までできる事件ではなかったり、家族からの相談だったりすることも多い。あえて訴訟をするところまで至らないが、それでも相談はあるので、こういう被害を件数として(数えている)」

なお、全国弁連の弁護士らが7月29日の会見で配布した資料によると、霊感商法の被害相談件数は2021年だけで47件、被害金額は約3億3000万円となっている。


以下、記者会見での質疑の内容を全文掲載する。

謝罪理由は「多くの混乱を招いたこと」

田中会長

会見で頭を下げる田中会長(左)。

画像:日本外国特派員協会での会見中継を編集部キャプチャ。

—— 冒頭で謝罪があったが、その後40分、何も悪いことをしてないと。謝罪の意味を説明していただけますか。

主に今日(こんにち)の報道が2009年以前の、私たちのいわゆる負の部分がクローズアップされて報道されております。そのことが今日においても、メディアを騒がせ、そして多くの混乱を招いているということに対する謝罪です。

このたびの容疑者の動機に関わる内容は、家庭連合が重く関わっていれば、私たち自らもしっかりと受け止める姿勢を持っております。

これに関しては正式に警察発表があった上で、改めて私たちの姿勢を示したいと思います。

今日の会見の趣旨は、むしろ当法人の信徒たちの命の危険と、そして私たちの取り組みが、もしより変化を求められるならば、多くの方々の意見も受け止めて、より良い法人のあり方に向かって変化はなお続けたいと思っておりますので、その表明でもあります。

岸田首相の指示「誠に遺憾」

—— 岸田(文雄)総理から自民党の党員や政府メンバーに対し、教団から距離を置くよう指示をされていると言われている。なぜそのような指示が行われるのか、どういうような理由があるのか、その指示についてどう思うか。

日本は宗教団体並びにそこに所属する信徒も国の政治に関わり、選挙に関わっていくことは、国民の義務であると理解しておりますし、憲法で保障されていると思います。

このたびの政権の判断が、どのような深い意図があって判断されているかまでは、私たちが言及する立場ではありませんが、当法人との関わり方が、強く判断の基準に定められた。

それはすごく残念なことであり、さらには今日のメディア報道に揺れる世論に対しての気づかいもまた介入していたと否定することはできないと思いますので、その点においては、誠に遺憾に思っております。

日本は資金源?「世界における割合は分からない」

—— 多くの専門家、弁護士などの話では、世界的に日本が資金源になっているような話がありますが、それがは本当か。またそうであれば、どのような考えを元にしているのか。例えば教えの中で、日本は韓国をサポートしていなければいけないような状況があるのか。

世界的な活動の資金を、日本が全て背負っているというのは事実ではありません。

ただ日本の法人が、全世界に宣教師を派遣していることは事実です。今日まで長い年月をかけてたくさんの宣教師が世界に行き、そしてその国の多くの国民に対し、教義を広め、また伝道活動も進めてきました。

その中では、共産主義政権で命を失った宣教師たちもおります。当法人が世界に献金を送っていることは事実です。それは世界宣教費として法の基準に基づき、そしてまたその宣教費用も所轄署、税務署にしっかりと手続きをし、書類を提出して進めております。

そういう中で、世界に活動が活性化すればするほどに、また献金も世界宣教費として送って参りましたので、そのことを理解していただければいいかと思います。

—— 日本からの収入全体、世界グローバルの全体の何割か、そういう数字など出していただけるのはありますか。

それは日本法人ではわからないですね。

性的マイノリティの権利など政治への関わりは?

—— 世界平和統一家庭連合もしくはその関連団体などが、日本の政治にどのような形で影響を今まで与えてきたのか。例えば社会的なテーマ、性的マイノリティの権利や、夫婦別姓問題、もしくは政治的な憲法改正などという問題で影響を与えてきたというようなことがあるのか。もしあればどのような形のものか。

影響を与えてきたかということは、客観的にむしろ多くの皆様方に判断していただいた方がいいかと思っておりますが、政治に友好団体が強く、姿勢を持って関わってきたことは事実です。

それは政治工作のために関わってきたとか、あるいは脱税や霊感商法の批判から逃れるために関わってきたということではありません。

私たちの法人並びに多くの友好団体は、創設以来、共産主義というものに対して明確に対峙してきました。

したがって多くの民主主義を守ろうとする同志たちと共に、あるいは、友好団体と共に、私たちはこの日本のあるべき姿に向かって、常に考えながら、今日まで方向を共に歩んできました。

今メディアで私たちの友好団体と、あるいは当法人と政治家が関わったか関わらないかが問題視されておりますが、むしろ私たちから見れば、共産主義問題に対して、明確に姿勢を持っている政治家の皆さんとはともに、より良い国作りに向かって手を合わせてきたと思っております。

それは日本国内のみならず世界的なネットワークの中で、コミュニズムに対して、共産主義に対して取り組みを連携をとりながら進めております。

そういう意味で、多くの政治家の皆様方が、同じ平和世界を構築するならば、このコミュニズムとの対峙する姿勢とともに、私たちは一緒により良い国作りをしていきたいという志でおります。

「特定の政党のみを応援はない」

—— 政治家や自民党の政治家との関係について。日本の選挙、例えば最近の参議院選などで家庭連合もしくは関連団体友好団体などは、特定の政治家、特定の自民党全体もしくは特定の政治家と、積極的な連携などというものは具体的にあるか。例えば同じような立場の政治家が当選されるために、具体的な連携協力などはあったのか?

この辺は、私たちの法人と、友好団体それぞれにおいて関わり方は異なると思います。

先ほども申し上げましたように、会員の信徒たちは宗教団体に所属しておりますが、国民の1人として国政のあり方に積極的に関わり、そして選挙にも積極的にも行くように指導はしております。

ただ私たちの法人が、特定の政党と関係を持つ、あるいは特定の党のみを応援するという態度はとっておりません。

選挙に関しては、(天宙)平和連合という友好団体がございます。天宙平和連合の方が、むしろ国政と関わっている度合いが大きいので、そこから願われる内容に信徒たちも応えていくように努めていると思います。

ただ先ほども申し上げましたように、私たちの基本姿勢は共産主義と対峙して進めております。その視点から言うと、自民党の議員の方々がより多く接点を持つことがあるんではないかと思いますが、自民党のみならず、コミュニズムに対して明確に姿勢を示す議員の皆様方とは、それぞれの場で関係性があったというふうに思います。

それは政治工作という意味合いではなくて、むしろこの国をどういう国にしたいのか、より良き国作りに向かって共に志を一つにしていこうという姿勢の中の交わりです。

これからも私たち、あるいは友好団体は、この視点は一致していくことになるかと思います。

この度の一連の報道で、私たちの法人、あるいは友好団体との関係性が問われることになっておりますが、そういう視点から見つめ直していただければ、より関わりが違った角度から見えてくるんじゃないかというふうに考えております。

政治家との関わり「地域によって違う」

—— 自民党が100人単位で教会およびその友好団体との間の関係が指摘されている。それぞれの友好団体はそれぞれの教会が独自の判断で個別にそういうその関係を開拓したのか?それともその教会の中央として、手広くやれという指示が出て、そういう方針のもとでその行われたことだったのか?

今100名と言われましたが、全ての議員の先生方は、地方基盤を持っておられるはずです。

その地方での私どもが活動している内容が、各地方によって異なりますので、その内容と共鳴する議員の先生方との交わり方があったと思いますので、おそらく交流があったと、あるいは関係があったとしても関わり方は皆さん違うはずです。

注:質疑応答は英語を交えて行われており、適宜編集を加えております。

(文・西山里緒横山耕太郎

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