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- 寝つきを良くしたいなら、メディテーション(瞑想)や呼吸法を試したり、睡眠ルーティンを守るよう心掛けよう。
- ミリタリーメソッドも10分以内に眠れる、人気のある方法の1つだ。
- 一般的には、横になってから30分以内に眠れるのが良いとされている。
夜、布団に入ってもなかなか眠れず、ゴロゴロと寝返りを打った経験は誰にでもあるだろう。実際、世界中で成人のおよそ3人に1人は不眠症を経験したことがあると報告している。
通常、人は横になって目を閉じてから10~30分以内に眠りに落ちると、Intermountain Healthcareの臨床心理士ロリ・ニールマン(Lori Neeleman)氏は話している。
もし眠りに落ちるまでに常に30分以上かかっているようなら、問題がないかどうか一度医師に相談してみよう。睡眠にまつわる生活習慣を変えることで、改善されるケースも多い。
1. 毎日、同じくらいの時間に布団に入り、同じくらいの時間に起きる
毎日、同じ2時間の枠内で布団に入り、起きることで概日リズムが強化されるでしょうと、Indiana Sleep Centerのメディカル・ダイレクターで医師のアビナブ・シン(Abhinav Singh)氏は話している。
こうすることで、毎晩同じくらいの時間に疲れを感じるので、寝つきが良くなるだろう。
2. メディテーション(瞑想)をする
メディテーションはからだの自然な弛緩反応に働きかけ、寝つきを良くする助けになるでしょうと、シン氏は話している。
メディテーションをやったことがないという人は、自分のからだのさまざまな場所に注意を向けていくシンプルなボディスキャンを試してみよう。やり方はこうだ:
- まずは深呼吸を2、3回する
- 自分の足に集中し、そこにどんな感覚があるか、緊張があるか、意識する
- 息を吐くのと同時に、からだから緊張が取れていく様子をイメージする
- ふくらはぎ、もも… と下から順番に頭までこれを繰り返す
3. ミリタリーメソッドを試す
ビジュアライゼーションの1つであるミリタリーメソッドも、からだをリラックスさせ、眠りの妨げになっているかもしれない不安を晴らす役に立つだろう。
まずは雑念を払い、顔の筋肉をリラックスさせることから始めよう。次に肩、胸、腕、足… とからだの下に向かって、一連の筋肉を緩めていく。最後に10秒間、真っ暗な部屋のソファかベッドに横たわっている自分のイメージする。
4. 45分以上の昼寝は避ける
45分以上の昼寝 —— 特に夕方から夜にかけて —— はからだの自然な睡眠・覚醒サイクルを乱し、夜の寝つきを悪くする可能性がある。また、45分以上の昼寝は目覚めた時にフラフラ感をもたらす可能性もある。ただ、短時間の昼寝は頭をすっきり、さっぱりさせる役に立つ。
シン氏は午後1時から3時の間に15分の昼寝を取ることを勧めている。「頭がすっきりしますし、その日の残り時間を気分良く過ごせるでしょう。夜の寝つきを悪くすることもありません」と同氏は話している。
2006年のある研究では、10~20分の昼寝は5分以下または30分以上の昼寝よりも認知機能上のメリットが大きいことが分かっている。
5. 朝のワークアウト
定期的な運動はストレスとうまく付き合ったり、リラックスする助けになる。寝つきを良くし、睡眠の質も高めてくれるだろう。
中でも、朝のワークアウトが睡眠にとっては一番良いようだ。有酸素運動が睡眠に与える影響を検証した2013年の研究では、午前7時の30分間のランニングマシンを使った運動は、午後1時または午後7時にする同じ運動よりも、睡眠に良い影響を与えることが分かった。
朝から激しい運動をする必要はない。ウォーキングや穏やかなヨガといったシンプルな運動でいい。
6. 部屋を涼しくする
わたしたちの深部体温は睡眠中にはやや低下することから、涼しい部屋で布団に入ることで深部体温の低下を促進し、からだに"そろそろ寝る時間だ"と知らせる助けになると、ニールマン氏は話している。部屋が暖か過ぎると、睡眠の質が低下しかねない。
ニールマン氏は空調の設定温度を15~20度にするよう勧めているが、個人差が大きいので自分に一番合った温度を見つけよう。
7. 呼吸法を試す
深呼吸 —— 息を吸うよりも吐く時間を長く —— は神経系を落ち着かせ、寝つきを良くする助けになるだろう。
「ゆっくり呼吸することが大切です。深いため息のように、肺を膨らませてからゆっくりと息を吐くことです」とニールマン氏は話している。
お薦めの呼吸法を2つ紹介しよう。
- 4-7-8メソッド:4秒鼻から吸い、7秒息を止めて、8秒口から吐く呼吸法。
- 横隔膜呼吸(腹式呼吸ともいう):仰向けになったら、片方の手を胸の上の方に置き、もう片方の手を腹の上に置く。鼻から息を吸って、胸の位置は変わらず、腹が膨らむのを確認しよう。腹筋を使って、すぼめた口から息を吐く。
8. 布団に入る少なくとも1時間前には、スクリーンを「オフ」に
携帯電話をいじったり、夜のニュース番組に熱中していると、寝つきが悪くなるかもしれない。理由は2つある:
- 思考が落ち着かない:アクション映画といった刺激的なコンテンツや心がざわつくような自然災害の報道などを見ていれば特に、だ。
- からだのメラトニン生成を抑えてしまう:スクリーンから発せられるブルーライトがからだのメラトニン生成を抑制し、自然な睡眠・覚醒サイクルを最大で3時間ずらしてしまう可能性がある。自然な眠りを誘うメラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれている。
「わたしの患者さんには、布団に入る少なくとも1、2時間前にはスクリーンをオフにするよう伝えています」とシン氏は話している。
[原文:The military method and 7 more expert tips to fall asleep fast]
(翻訳、編集:山口佳美)