Z世代・ミレニアル世代に「預金より投資信託」の流れ。安すぎる金利に嫌気か:調査

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限られた資金をできるだけ増やすにはどうしたらいいのか…。20〜30代を中心に投資信託に対する関心が高まっている。

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野村アセットマネジメントが8月16日に発表した投資信託に関する意識調査で、20〜30代の投資信託保有者率が増えていることが分かった。

年代別の保有者率については、2022年3月に投資信託協会が発表したアンケート調査でも同様の傾向を示しており、Z世代・ミレニアル世代の間で、投資信託の活用が広がっていることが改めて浮き彫りになった。

20代が1.2%増、30代は1.7%増

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年代別に見た2021年度の投資信託保有者率。

出典:野村アセットマネジメント「投資信託に関する意識調査2022」

野村アセットマネジメント資産運用研究所は2022年3月、20歳以上の2万4153人を対象に冒頭の意識調査を行った。

投資信託の保有者率を年代別で見ると、20代・30代の増加幅が、その他の年代より大きかった。

20〜30代「つみたてNISAきっかけ」が最多

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投資信託保有のきっかけについて、20代の過半数が「つみたてNISA」と回答した。

出典:野村アセットマネジメント「投資信託に関する意識調査2022」

投資信託を始めたきっかけは、「預金金利が低いから」が全世代合わせて最も多かった。

一方、20・30代の特徴としては、NISA制度(※)を活用した「つみたてNISA」への関心が顕著で、20代が56%、30代は38%を占めている。

※NISA制度(少額投資非課税制度)とは:専用口座を開設して購入した株式・投資信託などの金融商品について、その配当金や分配金、売却益が非課税になる制度。現在、成人向けの一般NISA、つみたてNISA、未成年向けのジュニアNISAの3種類があり、それぞれに購入金額の上限などが設定されている。

積立型の投資をする理由とは?

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積立投資を利用する理由。

出典:野村アセットマネジメント「投資信託に関する意識調査2022」

つみたてNISAのように、毎月決まった金額で投資信託や株式などを購入し続けるといった “積み立て感覚”で行う投資を「積立投資」と呼ぶ。

積立投資をする理由について最多は「預金しておくよりも利益が得られる可能性が高いから」で、全体の54%に上った。

毎月いくら積立投資している?

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積立投資経験者の毎月の積立投資額。

出典:野村アセットマネジメント「投資信託に関する意識調査2022」

毎月の積立投資額は1万〜2万円が最も多く(14%)、続いて1000円未満(10%)、5000〜1万円(8%)、2万〜3万円(8%)となった。

どんな投資信託を購入している?

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2021年度の「外国株式投資信託」保有者は、2019年度から約17ポイント上昇。「国内株式投資信託」を抜いてトップに。

出典:投資信託協会「2021年度 投資信託に関するアンケート調査報告書」(2022年3月)

では、投資信託保有者はどんな種類の投資信託を購入しているのだろうか? 

これに関しては、先述した別の調査、投資信託協会のアンケート調査結果で直近の状況が見られる。

同調査によると、「外国株式投資信託」の保有者が大幅に増えていることが分かる。2019年度に37.2%だった「外国株式投資信託」は2021年度には53.9%に増加。それまで最多だった「国内株式投資信託」を抜き、トップに躍り出ている。

ただし、投資信託協会がアンケート調査した2021年11月は、1ドル=115円前後と今ほど円安は進んでいない。

今後の調査で投資信託における国内株式と外国株式の保有率がどう変化するか気になるところだ。

(文・湯田陽子

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