クリス・ラトナー
LinkedIn/Chris Lattner
「Swift(スウィフト)」の開発者クリス・ラトナー(Chris Lattner)がAppleを退職する。1月10日火曜日(現地時間)にSwiftのメーリングリストで発表した。MacStoriesのJohn Voorheesがそのことに気づいて記事を書き、世界中に広まった。
ラトナーは退職の理由を語らず「違う環境で新しいチャンスを追求する」とだけ語っていた。退職のタイミングは1月後半。
しばらくするとテスラが、ラトナーを同社のAutopilot Software 担当副社長として迎えるとブログで発表した。ラトナーは、元SpaceXのソフトウェア担当副社長のジハン・ホセイン(Jinnah Hosein)の代わりを務めることになる。ホセインはSpaceXに戻る予定。
ラトナーはイリノイ大学の博士課程でLLVM(任意のプログラミング言語に対応可能なコンパイラ基盤)のプロジェクトを主導。博士号を取得した2005年にAppleに入社した(LLVMはAppleの開発支援ツールに組み込まれている)。
SwiftはMacやiOSのアプリを構築するためのプログラミング言語。Appleが2014年にWorldwide Developers Conferenceで発表して以来、世界中でもっとも人気のあるプログラミング言語の1つとなった。「Stack Overflow」の最近の調査で、SwiftはRust(並列・マルチパラダイムのプログラミング言語)に僅差で敗れたものの世界で2番目に愛されるプログラミング言語としてランクインした。
Swiftの開発者の1人であるテッド・クレメンク(Ted Kremenek)が、ラトナーの仕事を引き継ぐ予定だが、ラトナーが担っていた役割はとても大きなもので、その欠落を埋めるのは並大抵ではない。
「Hacker News」で、あるユーザーが語ったように「ラトナーは、Swiftを最高の状態に仕上げた。彼はAppleで5年以上かけてSwiftを開発してきたわけで、彼が次の大きな挑戦のために準備をしていることは十分理解できる」
他のエンジニアもTwitterで彼への敬意を表している。
クリス・ラトナーは、Swift以前からAppleのディベロッパー・ツールにとって重要な人物だった。健闘を祈る!
なんだって、クリス・ラトナーがAppleをやめる!?
Appleがクリス・ラトナーを失ったのは大きな損失だ 。
(敬称略)
[原文:The guy who created one of Apple's most beloved technologies is leaving Apple (AAPL)]
(翻訳:梅本了平)