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- デニス・クールマンは客室乗務員として38年間勤務している。
- 彼女は何百ものフライトに乗務し、何千人もの乗客のために働いてきた。
- クールマンが乗客に機内で守ってほしいと考える5つのエチケットを紹介する。
飛行機での移動には、突然の遅延や手に負えないような乗客の隣に座ることなど、さまざまなストレスの原因がある。一方で、乗客からの絶え間ないリクエストや機内での緊急事態などの問題に対処しなくてはならない客室乗務員は、並外れた忍耐力と前向きな姿勢が求められる仕事とだと言えるだろう。
デニス・クールマン(Denise Kulhman)は38年間、客室乗務員として働いてきた。現在デルタ航空(Delta Air Lines)に勤務する彼女は、ロサンゼルス国際空港を拠点に、ハワイ諸島やマイアミ、シアトル、シカゴへのフライトに乗ることが多いという。
長年にわたり、何百ものフライトで何千人もの乗客と接してきたクルーマンには、乗客に注意してほしいと思う5つの不満があるという。ここでは、このベテラン客室乗務員が、多くの乗客にやめてほしいと思っているその5つの行為を紹介していこう。
客室乗務員を無視する
フライト中、客室乗務員たちはほとんどの場合、乗客を一人にしておく。しかしながら、乱気流やシートベルトのアナウンス、飲食物のサービス時など、重要な情報を乗客に伝える大切な瞬間があるものだ。
クールマンによると、客室乗務員の話を聞くためにイヤホンやヘッドホンを耳から外さない乗客がよくいるという。
「飲み物や食べ物をサービスしようとしている人を無視するのは失礼だと思う」とクルーマンはInsiderに話す。
こうした場面では敬意を示すためにイヤホンを外すのがエチケットだとクルーマンは言う。また、乗客が食べ物や飲み物が不要な場合は、口頭で断るのが礼儀だという。
座席上の収容棚に小さなカバンを入れる
フライト前に客室乗務員が直面する最大の問題の一つは、乗客の手荷物収納の対応だ。座席上の収容棚は、スーツケースや大きな荷物に優先的に使用するようアナウンスがあったにも関わらず、リュックサックをそこに入れるのはよくないとクルーマンは言う。
「客室乗務員は、座席上の収容棚に他の乗客のスーツケースを入れるために、しばしばリュックサックを座席の下に移動するようにその乗客に頼まなければならない」
クールマンは、搭乗手続きをより効率的にするため、リュックサックやハンドバッグは座席の下に置き、座席上の棚には大きな荷物を入れるために空けておいてほしいと乗客に呼びかけている。
化粧室を汚したまま放置する
飛行機内の化粧室は狭いため、乗客にはできるだけ清潔で整頓された空間を保つよう求めている。
「自分の家のトイレの便座についた尿をそのままにしておくだろうか。自分の家で手を洗うとき、床に水をまきちらすようなことをするだろうか」とクールマンは疑問を投げかけている。
飛行機でトイレを使うときは、基本的な礼儀を忘れないことが大切だと彼女は言う。化粧室にあるペーパータオルを使って、汚したりこぼしてしまったものを拭くことは、5秒もあればできることだ。
ブランケットの無料配布を求める
機内が寒いと感じるのはよくあることだ。だからこそ、短パンやタンクトップで飛行機に搭乗した乗客から、ブランケットを無料で提供してくれることを求められると客室乗務員はイライラしてしまうという。
「新型コロナウイルス発生以降、アメリカの国内線ではブランケットは提供していない。最近では、ブランケットは国際線でのみ、提供している。空港までは短パンで出かけて、必要に応じて、ジーンズなどに履き替えてフライトに臨んでほしい」
また、クールマンは、薄手のブランケットとセーターやジャケットを持参することも勧めている。もし3時間以上のフライトに乗る予定で、フライト中に寝たい人は、靴下を用意することも勧めている。
乗務員に自分のフライトを出発しないよう頼む
フライトや乗り継ぎ便に乗り遅れそうな場合、客室乗務員に助けを求めて、フライトの出発をとどめておくように頼む人がいる。しかし、乗務員には出発時刻などのフライトスケジュールを変更する権限はないとクールマンは話している。
「出発時間を数分、あるいは30分単位で変更することは、客室乗務員ではなく、航空会社のオペレーション上の判断によるものだ」
「乗り継ぎの乗客数、乗り継ぎ時間の長さ、ゲートの空き状況(多くの場合は定刻に出発しないと次の便が着陸できない)、管制塔が報告する交通の状況やその他の要因も考慮されている」
乗客は客室乗務員にフライトの出発を止めるのを頼む代わりに、チケット売り場や空港のゲート係員に代替便のルートを尋ねるのがいいとクールマンは話している。
[原文:5 things you should stop doing on airplanes, according to a flight attendant]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)