ローラ・トゥモローはコンサルティング会社フェイス・フィギュアズ(Faith Figures)とイベント会社トゥモローライヴ(TmrwLive)の創業者だ。
Lola Tomorrow
2020年にビジネスを立ち上げたローラ・トゥモロー(Lola Tomorrow)は、ある著名なロールモデルを尊敬している。ミシェル・オバマ(Michelle Obama)だ。
トゥモローは、当時ファーストレディだったミシェルのもとで、彼女が出席するホワイトハウス外での講演をサポートするイベントスペシャリストとして7年間働いていた。
ミシェルに付いて都市から都市へと飛び回るうちに、ほとんどの人が経験できない舞台裏の出来事から学びを得た。
「彼女は人々に奉仕するために自分の地位とリソースを使っていました」とトゥモローはInsiderに語る。ミシェルの寛大さに触発されて、トゥモローは都心周辺の貧困地区に住む少女たちのための非営利団体を立ち上げたこともある。
現在36歳の起業家であるトゥモローは、その後、女性創業者のためのコンサルティング会社フェイス・フィギュアズ(Faith Figures)、およびカンファレンスを主催するイベント会社トゥモローライヴ(TmrwLive)を立ち上げ、現在も創業者兼CEOを務めている。
Insiderが確認した資料によると、彼女の会社は2022年上半期に100万ドル(約1億3500万円、1ドル=135円換算)以上の収益を上げている。
トゥモローは、リーダーシップに関してミシェルから学んだ最も重要な教訓について説明してくれた。その教訓は今の自分のビジネスに活きているという。
「ファーストレディはビーツを食べない」
ホワイトハウスで働いていた頃のトゥモローは、イベントの段取りについてミシェルに説明するほか、演壇をちょうど良い高さに設置するなど、あらゆるものが適切な場所にあるよう準備しなければならなかった。
「キトゥンヒールを履いたファーストレディの身長が188cmあるなんて、大抵のイベント主催者は知りませんからね」
中でも、一見取るに足らない仕事が、リーダーシップに関する最大の教訓を得る機会に変わったこともあった。
あるイベントの直前に電話がかかってきて、トゥモローはミシェルの到着までに食事を用意するよう頼まれた。しかし、トゥモローとシェフが用意した料理にはビーツが入っていた。
「ファーストレディはビーツを食べないぞ」とシークレットサービスの職員が彼女に言った。「ビーツが嫌いなんだ。知らなかったのか?」
その時ふと、ミシェルの好みが全て書かれた資料を読まずに受信トレイに入れたままにしていたことを思い出したという。
「アメリカ合衆国のファーストレディのもとで働く以上、あの資料は読んでおくべきでした」
トゥモローは失敗に気づき、シェフに違う料理を作ってもらわなければならなかった。それでもミシェルは思いやりを持って接してくれた。「とても優しくしてくれたんです」と彼女は付け加える。
だからこそ、トゥモローは今、たとえ誰かがミスをしてピリピリした場面でも、ミシェルのような優雅さを持って自分のチームを導こうと努めている。
「イベント業界では、常に何かしら問題が発生するものです」
例えば、トゥモローのアシスタントのミスで、イベントの講演者が飛行機で違う空港に行ってしまったことがあった。
しかし、トゥモローは問題に気を取られるのではなく、解決策を見つけるよう冷静にアシスタントに指示した。この時は登壇の順番を入れ替え、アシスタントが講演者を空港から車で45分かけて連れてくることで事なきを得たという。
「私はファーストレディほどの強さは持ち合わせていません。だから『ローラ、あなたは今逃げたがっているけど、もしミシェル・オバマならどうする?』と自問自答しなければならない時だってありますよ」
それでも重要なのは、従業員の人間性を受け入れる余裕を持つことだとトゥモローは言う。
「どんなに優秀な従業員であっても、人間である以上、ミスはするものですから」
(編集・野田翔)