無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による新しい木星の画像…オーロラ、環、衛星、大赤斑などが鮮明に

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で捉えた木星の合成画像。2022年7月27日撮影。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)で捉えた木星の合成画像。2022年7月27日撮影。

NASA, ESA, Jupiter ERS Team; image processing by Judy Schmidt

  • アメリカ航空宇宙局は8月22日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した木星の新たな画像を公開した。
  • この赤外線画像は、木星のオーロラ、環、衛星の詳細な様子を示している。
  • JWSTは地球から約160万キロメートル離れた軌道にあり、遠くの銀河からの光を捉えようとしている。

天文学者が空を眺めるための新たな目、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)はすでにこれまで見たこともないような遠方の銀河の画像を撮影している。そして今度はこの強力な赤外線観測装置を用いて我々の身近な宇宙の驚くべき姿を撮影し、その画像がアメリカ航空宇宙局(NASA)によって2022年8月22日に公開された。

7月27日に撮影された画像は、この巨大ガス惑星の乱れた大気や「大赤斑」と呼ばれる何世紀にもわたって渦巻いている巨大な嵐、そして他の嵐のシステムを捉えている。また、木星の破片による塵(ちり)でできた細い環や、木星の北極と南極に見えるオーロラ、2つの衛星アマルティアとアドラスティアも捉えている。NASAによると背景に見えるぼんやりした点は銀河だという。

「正直なところ、ここまでよいとは思っていなかった」と、カリフォルニア大学バークレー校の惑星科学者で、木星の科学的観測を主導したイムケ・デ・ペーター(Imke de Pater)は声明で述べている。

「木星の環や小さな衛星、銀河までまとめて1つの画像で詳細に見られるとは、本当に驚くべきことだ」

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、木星のかすかに見える環や、アマルティアとアドラステアという2つの小さな衛星を広視野カメラで捉えた。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、木星のかすかに見える環や、アマルティアとアドラステアという2つの小さな衛星を広視野カメラで捉えた。

NASA, ESA, Jupiter ERS Team; image processing by Ricardo Hueso (UPV/EHU) and Judy Schmidt

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の後継機と言われるJWSTは、100億ドルの資金を投じて20年以上かけて開発され、2021年12月25日に打ち上げられた。その後、地球から約160万キロメートル以上移動し、現在は重力的に安定した軌道に留まって赤外線データを収集している。人間の目には見えない赤外線データを集めることで、JWSTは宇宙の塵に遮られることなく、ビッグバンから4億年後という遠い過去まで見通すことができるのだ。

JWSTは近赤外線カメラ(NIRCam)のフィルターを使って、この新しい木星の画像を撮影した。これらの画像は、美しいオーロラなどの特徴を際立たせるために人工的に着色されている。

「JWSTが捉えた新たな木星の画像を見て本当に驚いた」と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の惑星科学者、ジェームズ・オドノヒュー(James O'Donoghue)はツイートしている。

「乱れた大気、極域のオーロラ、惑星を囲む環、小さな衛星、そして背景の銀河までもが、信じられないほど詳細に捉えられている!」

オーロラはカラフルな発光現象で、地球だけで見られるわけではない。NASAによると、木星では太陽系で最も明るいオーロラが発生するという。地球でも木星でも、オーロラは陽子や電子などの荷電粒子が、惑星を取り巻く磁場(磁気圏)と相互作用することで発生する。木星の磁場は地球の約2万倍も強い

今回の観測を主導したパリ天文台のティエリー・フーシェ(Thierry Fouchet)教授は「この1枚の画像に、我々の木星系プログラムの科学、すなわち木星そのものやその環、衛星系の力学と化学が集約されている」と声明で述べている。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた木星の広視野画像。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた木星の広視野画像。

NASA, ESA, Jupiter ERS Team; image processing by Ricardo Hueso (UPV/EHU) and Judy Schmidt

7月12日にJWSTの科学運用が正式に始まる前の試運転期間中に集められた生データにも、木星の画像は含まれていた。

「先日公開されたディープフィールドの画像と合わせると、これらの木星の画像は、JWSTで観測できるものの全容を示している。それには文字通り、家の裏庭から肉眼で見える『我々の宇宙の裏庭』にあるような近場の惑星から、観測可能な銀河の中でも最もかすかで、最も遠いところにあるものまでもが含まれている」とボルチモアにある宇宙望遠鏡科学研究所の科学者で、観測計画に協力したブリアン・ホラー(Bryan Holler)は7月に声明で述べている。

[原文:New James Webb Space Telescope photos of Jupiter show stunning auroras, faint rings, and tiny moons

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み