米投資信託評価機関モーニングスター(Morningstar)の最新分析は、慎重な投資スタンスの求められるこの不安定期にこそ参考になる。
Brendan McDermid/Reuters
米株式市場が待ちに待った夏場の株価上昇、いわゆるサマーラリー(summer rally)が、2022年もやって来た。投資家たちは2021年11月以来、実に9カ月ぶりに明るい見通しを感じている。
S&P500種株価指数は6月16日に3700台を下回り、年初来安値(終値)の3666を記録したものの、その後緩やかな回復に転じて約13%戻した(8月22日終値)。
ハイテク株の構成比率が高いナスダック100指数も、同期間に約16%の上昇を記録し、(直近高値からの下落率20%超を意味する)弱気相場との境目まで戻している。
2022年第2四半期(4〜6月)に市場予想を上回る業績を叩き出した企業が、ここ数カ月の相場上昇をけん引した。
迫り来る景気後退への懸念が消えない状況にもかかわらず、アマゾンやアップル、アルファベット(グーグル親会社)らの力強いパフォーマンスが市場への信頼感を生み出している。
それでも、弱気相場の一時的な上昇局面では、慎重な投資スタンスを崩さないことが重要だ。
その意味で、米投資信託評価機関モーニングスター(Morningstar)の分析は参考になる。第2四半期に市場予想を上回る業績を発表して株価上昇を経験した後でも、なお割安感のある(すなわちアップサイドの余地がある)銘柄リストを作成している。
同社アナリストのジャキール・ホサインは最近の調査レポートにこう書いている。
「バリュエーションを踏まえて四半期業績を精査することは、投資機会を特定するのに役立ちます。過小評価されている銘柄とその第2四半期業績を組み合わせて考えれば、割安なおかつ市場予想を上回る業績を上げた銘柄をスクリーニングできるわけです」
モーニングスターは、第2四半期に目標を上回る業績を記録した上で、なお同社の計算する適正価値を下回る価格で取引されている6銘柄をリストアップした。現在の株価(8月19日終値)とそれに基づく株価収益率(PER)、時価総額を付して紹介しよう。
【推奨1】フォルクスワーゲン(Volkswagen)
Markets Insider
[業界]自動車[株価]19.37ドル
[株価収益率]5.52倍[時価総額]840.4億ドル
【推奨2】ステランティス(Stellantis)
Markets Insider
[業界]自動車[株価]13.88ドル
[株価収益率]3.92倍[時価総額]455.8億ドル
【推奨3】エバーコア・パートナーズ(Evercore Partners)
Markets Insider
[業界]投資銀行[株価]101.62ドル
[株価収益率]7.80倍[時価総額]39.8億ドル
【推奨4】グラクソスミスクライン(GlaxoSmithKline)
Markets Insider
[業界]製薬[株価]40.41ドル
[株価収益率]8.32倍[時価総額]692.6億ドル
【推奨5】エナジー・トランスファー(Energy Transfer)
Markets Insider
[業界]石油[株価]11.72ドル
[株価収益率]9.30倍[時価総額]364.7億ドル
【推奨6】シティグループ(Citigroup)
Markets Insider
[業界]投資銀行[株価]51.73ドル
[株価収益率]5.98倍[時価総額]102.25億ドル
(翻訳・編集:川村力)