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「子どもを持たないという選択」が増加…子ども1人を高校卒業まで育てると30万ドルかかる

「子どもを持たないという選択」で、1人につき30万ドルを節約できるかもしれない

Noel Hendrickson/Getty Images

  • ブルッキングス研究所の最新の推計によれば、アメリカで子ども1人を高校卒業まで育てる費用は30万ドル(約4150万円)を超えるという。
  • この推計値は、食料からガソリン、住居までのあらゆる費用におけるインフレの影響を反映している。
  • こうした高額の費用により、子どもを持つことを思いとどまるアメリカ人がさらに増える可能性がある。

最近、食料雑貨店やガソリンスタンドに行ったことのある人なら、物価が急激に上昇していることを証言できるだろう。そして、子育て中の人たちは、支出の大きな要素を占める「子育て費用」の高騰にも見舞われていることになる。

ブルッキングス研究所の最新の推計は、もともとはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のために算出されたものだが、それによると子どもが2人いる中間所得層の夫婦の場合、2015年生まれの子ども1人を高校卒業まで育てるだけでも、30万ドル(約4150万円)以上の支出が必要になるという。

アメリカの若年層は、重複する数々の危機に直面しているが、子育て費用の高騰はそのひとつにすぎない。こうした状況は、子どもを持つという決断から、若年層をいっそう遠ざける可能性がある。

ブルッキングス研究所の経済研究担当上級研究員を務めるイザベル・ソーヒル(Isabel Sawhill)によると、今回算出された31万605ドル(約4297万円)という子育て費用は、アメリカ農務省(USDA)による養育費推計に基づいているという。

USDAは2017年、住居費、水道光熱費、食費、交通費、被服費、医療費、教育費、さらに散髪、スポーツ用具、雑誌などの雑費を考慮したうえで、2015年生まれの子ども1人の養育費を推計した。その際の金額は23万3610ドル(約3232万円)だった。

今回算出された子育て費用の総計は、ブルッキングス研究所が前回に養育費を推計した2年前に比べて2万6011ドル(約360万円)、9%も上昇している。

「子育て世代に対する警鐘のようなものだ。家計に大きな影響が出ることになるから、子どもをつくったり増やしたりする前に、もっとよく考えたほうがいい、というメッセージになっている」とソーヒルは話す。

「(子どもを持てばその結果として)それ以外の支出や仕事の量という点で、妥協をしなければならなくなる」

こうした高騰の裏にあるのは、歴史的な高水準になっているインフレだ。ここ1年、インフレは多くのアメリカ人の家計に打撃を与えている。ソーヒルによると、インフレについての推計は、前回これほどの高水準になった1970年代の終わりと1980年代初めの状況に基づいているという。現在の物価上昇は、パンデミック初期の給付金と失業補償によって各世帯が増やした貯蓄や、労働者が求めてきた賃上げ侵食している

インフレは最近になって落ちつき始めているが、ブルッキングス研究所によると、ここ1年でアメリカ経済にインフレが及ぼしてきた影響ですでに子育て費用が増加しているという。

2022年のインフレは、41年ぶりの高水準となった。その結果、食料、ガソリン、住居などの費用上昇に対処するために、多くの世帯がクレジットカードで借金をつくったり、フードバンクを利用したりしている。

「特に低所得世帯にとっては大きな問題になる。というのも、子育ての費用は世帯の収入や経済状態によって変動するとはいえ、基本的にはそれほど大きくは変わらないからだ」とソーヒルは言う。

「低所得世帯では、支出に占める養育費の割合が、高所得世帯に比べてはるかに大きくなる」

そして、この推計には、子どもが成人したあとに家庭に降りかかる大きな支出は含まれていない。

「17歳までしか考慮していないので大学の学費などの高等教育の費用は含まれていない」とソーヒルは説明する。

「したがって、子育て中の親が、わが子の大学進学を予想もしくは希望する場合、この推計値にかなりの金額をプラスする必要がある」

もちろん、今後10年で高等教育に対する政府支援が拡大するかどうか、授業料がどう変わるかなどについては不透明だとソーヒルは指摘している。現在のところ、子どもを学校に通わせるために、利子が比較的高い学資ローンを利用している保護者は300万人を超える。

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