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アマゾンが1300億円投じた『ロード・オブ・ザ・リング』新作が公開。「コケれば配信事業者として存亡の危機」

映画の場面写真

『ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪』は、『ロード・オブ・ザ・リング』の数千年前の時代が舞台となる。アマゾンのジェフ・ベゾス肝煎りの超大作だ。

Amazon

アマゾンは9月2日(金)10:00より、10億ドル(約1380億円、1ドル=138円換算)を投じた『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚シリーズ、『力の指輪』をAmazonプライムビデオで配信開始する。この作品の結果がストリーミング配信事業者としてのアマゾンの今後の方向性を決定づけることになる。

2010年に設立されたアマゾンスタジオは、『マーベラス・ミセス・メイゼル』などの大ヒット作や、『ジャック・ライアン』『ザ・ボーイズ』などの幅広い作品で成功を収めてきた。しかし2010年代半ば、アマゾンのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は勝負に出た。アマゾンも『ゲーム・オブ・スローンズ』のような作品をやりたいと考えたのだ。

『ロード・オブ・ザ・リング』の原作者であるJ・R・R・トールキンの言葉を借りれば、アマゾンはまだ、同作の登場キャラクターであるゴラムのように「いとしいひと」をつかみ取れていない。アマゾンにとってそれは、世界中の視聴者を大量に惹きつけることのできる、つまりは学校や職場で話題になる作品だ。

ライトシェッド・マネジメント(Lightshed Management)社のメディアアナリストであるリッチ・グリーンフィールド(Rich Greenfield)は、Insiderに対して次のように話す。

「アマゾンが配信事業者として成功を収めてきたのは間違いありません。しかし、社会現象になるような作品、誰もが話題にするような大ヒット作品はまだ生まれていません」

『力の指輪』はハリウッドでも話題になった。1シーズンの番組に、これほどの大金が投じられたことはかつてなかったからだ。アマゾンは2017年、潤沢な資金を持つライバル企業のHBOやネットフリックスを出し抜き、このトールキンの遺産とも言える作品の権利を2億5000万ドル(約345億円)で獲得した。

それに加え、アマゾンスタジオはニュージーランドでの制作費に4億6000万ドル(約634億円)以上を投じたと報じられている。業界の観測筋は、この作品の販促費、世界的なレッドカーペット・イベントに費やされる数千万ドルを加えれば、すでに費用総額は10億ドル(約1380億円)に達すると推測している。もちろんここには、今後計画されている4シーズンの制作費は含まれていない。

同作品はヒットが見込まれているが、Insiderが取材した複数の情報筋が「これがコケればアマゾンスタジオは存亡の危機に直面するかもしれない」と話す。

アマゾンスタジオの元上級幹部は「この作品は成功する。なぜならアマゾン幹部が成功を必要としているから」だと言い、こう続ける。

「成功しなかった場合、CEOのアンディ・ジャシー(Andy Jassy)や取締役会から疑義が噴出するでしょう。このIP(知的財産)をもって成功させることができなければ、アマゾンスタジオに存在意義はありません。成功させる以外の選択肢はないのです」

アマゾンの最終損益への影響は?

ただし、大失敗にさえ終わらなければ『力の指輪』がアマゾンのバランスシートに大打撃を与えることはないだろう。

時価総額1兆4000億ドル(約193兆円)のアマゾンは2022年、85億ドル(約1170億円)もの大枚をはたいて老舗の映画会社MGMを買収している。これはエンターテインメント業界におけるアマゾンの長期的な野心の表れだ。

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