イギリスのパブの70%以上は「この冬を乗り切れないかもしれない」… エネルギー価格の高騰に政府が介入しなければ

パブ

John Lawson/Getty Images

  • イギリスでは、パブの経営者の70%以上がこの冬を乗り切れないのではないかと心配している。
  • 経営者の3分の2近くが、光熱費が少なくとも2倍になったと話している。
  • 経営者らは政府に対し、減税と光熱費の上限設定を求めている。

イギリスの伝統的なパブの様相は来春、大きく変わっているかもしれない。

ガーディアンが報じたMorning Advertiserの調査によると、調査に応じたパブの70%以上は光熱費の値上がりを抑える対策が何も講じられなければ、この冬を乗り切ることはできないだろうと考えている。

パブの経営者らは、供給業者の中には使用料金を払えなくなるのではないかと懸念し、自分たちに電気やガスを提供しない業者も現れるだろうと報告している。パブの経営者の35%以上は店の光熱費が2倍になったと答えていて、光熱費が3倍になったと答えた経営者も30%いたとガーディアンは伝えた。

この懸念は、イギリスの独立系ビールメーカーがエネルギー価格の高騰、家庭の節約志向による売り上げの減少、樽や缶、炭酸ガスなどの不足を理由にザハウィ財務相に書簡を出し、政府の介入を求めた動きとも符合している。

ガーディアンによると、ホップの不作も価格の上昇につながっているという。

ビールメーカーやパブ経営者は特に、付加価値税(VAT)やビジネスレートの引き下げ、中小企業向けの光熱費の上限設定、再生可能技術への補助金を求めている。

イングランドで3軒のパブを経営するフリスコ・グループ(Frisco Group)の経営責任者ヒース・ボール(Heath Ball)氏は、パブが「最悪のシナリオ」に直面しているとガーディアンに語った。

残念ながら、この冬は歴史的に暑くて乾いた夏を経てやってくる。欧州委員会共同研究センター(JRC)の直近のレポートは、8月上旬にヨーロッパの47%が干ばつ「警報」の状態を経験し、17%が「警戒」状態で生活していたと示している。

[原文:Nearly 3 out of 4 British pub owners don't think their businesses will survive the winter unless the government steps up to fight rising energy costs

(翻訳、編集:山口佳美)


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