USJは、東京・渋谷モディでイベントを開催した。写真左からUSJの綾小路麗華さんとミニオン。
撮影:小林優多郎
コロナ禍前の「通常」にまた一歩戻ろうとしている。
日本最大級のテーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)は8月25日、パンデミック後初となる東京でのイベントを渋谷で開催した。
グッズやVIPチケットで東京から大阪へ「誘致」
来場客はガチャを回して、各種商品を狙った。
撮影:小林優多郎
今回のイベント「ぶっとびツアーガチャ@SHIBUYA」では、渋谷モディ1階の入り口付近に、巨大なカプセルトイ自販機(いわゆるガチャガチャ)が出現。
来場者は無料で1回ガチャを回せる。カプセルの中には賞品の書かれたメモが入っており、各種グッズやパークで使えるパスなどが当たる。
イベント来場者はコインを1枚もらう。
撮影:小林優多郎
カプセルには参加賞のミニオンのステッカーや、賞品の名前が書かれた紙が入っている。
撮影:小林優多郎
なお、参加賞としてミニオンのステッカーは必ずもらえる仕組み。「当たり」の数は非公開だが、関係者によると「3人に1人は(参加賞以外が)当たるよう用意している」と話した。
USJのイベント担当者である本田七彩氏は「(久しぶりの東京でのイベントで人が)来てくれるか不安だった」と語るも、関東を中心に多くの人が集まった。
千葉県から朝7時にイベント会場に着いた男性は、専用のツアーガイドによるVIPツアー(入場券や各種パス付き)が当たった。
撮影:小林優多郎
最初にガチャを回した千葉県在住の男性は午前7時から列に並んだとコメント(イベントの開始は11時30分頃)。男性は用意された賞品の中で2番目に豪華な「ぶっとび賞」を当て、他の来場客やスタッフを驚かせた。
アフターコロナで変わる「料金」と「体験の質」
USJ インテグレーテッドマーケティング部 マネージャーの本田七彩氏。
撮影:小林優多郎
USJは、渋谷以外にも9月1日から9月4日まで原宿で別のイベントを開催する。これらは「(USJに)なかなか来る機会のない方」(本田氏)にアプローチする「誘致」が目的だ。
感染拡大は各地で続いているものの、足下では旅行やビジネスなどでの移動は増しており、2022年度のお盆期間(8月6日〜16日)の2021年比の総旅客数はANAで178%、JALで206%(いずれも国内線)を記録している。
USJとしては、ハロウィーンシーズン(10月)から始まる繁忙期に備え、客足を少しでも戻したい意図がある。
大阪府にあるUSJ。
撮影:小林優多郎
しかし、USJは誘致と同時に「入場料金の値上げ」にも着手する。
厳密には料金全体が上がるのではなく、ハロウィーンなどの繁忙期の一部の土日を対象とした新料金区分が導入される形。
例えば、新料金として対象となっている10月29日(土)と30日(日)は、大人1人9800円(税込)となっている(10月の一部を除く平日は8900円税込)。
2022年10月の入場券料金の目安(2022年8月25日時点)。
出典:USJ
USJ広報担当者は、25日のイベントでBusiness Insider Japanの取材に応じ、値上げに関して「来場者数の平準化に取り組んでいる」と説明。
コロナ禍の入場制限などにより、来場客側からしてみれば、さまざまな制限はあるものの、(コロナ禍前より)ライドなどの待ち時間が短くなるなどの「体験の質」が向上している側面もある。
来場客としては悩ましい状況ではあるが、コロナ禍後のレジャー産業がどのように変貌していくのか、今後の動きにも注目したい。
(文、撮影・小林優多郎)