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ネットショップ作成のBASE、売上の4割は何に消えているのか?

会計とファイナンスで読むニュース

(出所)BASEサービスサイトよりキャプチャ。

2020年春にコロナ禍が始まって以降、ネットショッピングをする機会が増えたという方は多いのではないでしょうか。

総務省の情報通信白書によれば、ネットショッピングを利用する世帯の割合は2020年3月以降に急増し、その後も2人以上の世帯の半数以上が利用する状況が続いています(図表1)。

図表1 ネットショッピング利用世帯の割合

(出所)総務省「令和3年 情報通信白書」をもとに編集部作成。

ネットショッピングの利用者が増えているということは、小売業側からすればまたとないビジネスチャンスです。

この波に乗って、誰でも簡単にネットショップを開設できるサービスを提供して近年目覚ましい成長を遂げたのが、2012年に創業したBASE株式会社(以下、BASE)です。元SMAPの香取慎吾さんが出ているCMでご存知の読者も多いのではないでしょうか。

ECサイトを新しく開設する場合、よくあるのがアマゾンや楽天のようなECプラットフォームを利用するという方法です。

しかしBASEなら、こうしたECプラットフォームを使わずに、しかも自前でサーバーを準備したりECサイトをゼロから作る手間もかけずに自社のECサイトを簡単に開設することができます。そのうえ初期手数料は無料。例えるなら、ホームページを自作する技量がない人でも簡単に自分のサイトを開設できるブログサービスのような便利さですね。

BASE累計ショップ開設数は、コロナ前の2020年2月時点では90万ショップを超えた程度でしたが、2022年6月時点では180万ショップを超えるほどまでに増えました(図表2)。

図表2 BASE 累積ショップ開設数の推移

(出所)BASEプレスリリース「『BASE(ベイス)』のネットショップ開設数がサービス提供開始10年目で180万ショップを突破」2022年6月22日。

ちなみに、出店数でいうとヤフーショッピングは約87万店(2019年3月末時点)、アマゾンは17.8万店(2015年6月時点)、楽天市場は5万5939店(2021年12月末時点)です(※1)。これら3つを足し合わせると約110万店ですから、今やBASEがいかにネットショップの立ち上げになくてはならない存在になっているかがお分かりいただけると思います。

そこで今回は前後編の2回にわたり、BASEがどんなビジネスモデルを築いているのか、さらに成長するためにはどんな点がポイントになるのか、会計とファイナンスの視点から考察していくことにしましょう。

ネットショップのインフラを提供するBASE

ネットショッピングと言われてすぐに思い浮かぶアマゾン、楽天、ZOZOなどは、基本的にプラットフォーム型のビジネスです。アマゾンや楽天といった名前のお店の入り口があり、そのお店に入ってからどんな商品を購入するか検討するという、言ってみれば百貨店のようなタイプです。

プラットフォーム型の場合、ショップオーナーはこれらのプラットフォーム上でモノを販売させてもらう代わりに、手数料を支払います(図表3)。

図表3 プラットフォーム型のケース(楽天の例)

筆者作成。Illustration: IhorZigor, Leremy/Shutterstock

一方で、プラットフォームを介さず独自のECを展開している企業もあります。代表的なのが「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムです。

プラットフォームを使わずに自前でECを構築する最大のメリットは、独自の世界観を顧客に届けられる点です。しかし半面、自前でECを構築するには初期費用がかかりますし、専門的な知識も必要です。せっかくお金も手間もかけてサイトを立ち上げたのに売れ行きがイマイチという可能性もありますから、リスクもそれなりに大きくなります。

そこで、誰でも簡単にECを開設できるサービスがあったらニーズを満たせるのではないか、と目をつけたのがBASEです。

図表4 BASEのケース

筆者作成。Illustration: IhorZigor, Leremy/Shutterstock

BASEには主に「BASE事業」と「PAY事業(後編で詳述)」という2つの事業があり、このネットショップ作成サービス(BASE事業)が売上構成の実に85%を占めています(図表5)。

図表5 BASEの売上高構成

(出所)BASE 有価証券報告書より筆者作成。

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