著者が売ったスターウォーズのレゴ
Chris Boutté
- 昨年に引っ越しをしたとき、スペース確保のために古いレゴの中から売ってもいいものを選ぶよう息子に言った。
- eBayには特定のレゴセットやミニフィギュアを高値で買う人たちがいることを知り、それらの転売を始めた。
- 安く仕入れて高く売ることで、2月から今までで2400ドル(約33万円)を稼いだ。
2021年末、息子を連れて引っ越しをすることになった。13歳の息子はもう長年レゴに夢中だが、完成したセットを運ぶのも置き場所を探すのも一苦労だ。新しい家に移ったとき、私は息子に箱の中から捨ててもいいものを選ぶように言った。
まもなく私は、それが宝の山であることを知る。
古いレゴに大金を出す人がいる
私はいつでも新たな事業に挑戦しながら生きてきた。主にそのおかげで、求職中や普段より多くのお金が必要なときにも生計を立ててこれた。経済的な自立はこれまでの私の人生にとって非常に大切なことだったので、息子にもそれを教えたいと考えた。レゴの一部はチャリティーに寄付したが、残りを売ってみることはお金を稼ぐシンプルな方法を息子に教える良い機会になると思った。
eBayでものを売ったことはなかったが、人々が色々なものに価値を見出すことは知っていた。古いレゴセットを買ったときの値段の一部でも稼げれば十分だと思った。そうして、まずは息子にセットを分類させ、ミニフィギュア(人間型のレゴブロック)も分けさせた。次に、これらのレゴにどれほどの価値があるのかを知るため、相場がわかるウェブサイトがないかを一緒に調べた。
最初のうちに調べたミニフィギュアの中に、『スター・ウォーズ』に登場するアソーカ・タノ(Ahsoka Tano)というキャラクターがいた。ネットの情報を見て、その価値が200ドル(約2万7000円)近いことを知った私は、椅子から転げ落ちそうになった。
息子も同じく衝撃を受けていた。それから数時間、私たちはミニフィギュアとセットについてできる限りの情報を集めた。また、価値を正しく判断するためのベストな方法を求めてYouTube動画もたくさん見た。
価値の見極めにはいくつかの方法を用いた。eBayで同じものが最近いくらで売れたかをチェックするのもその1つだ。ただし、eBayを完全に頼りにできるわけではない。私たちが見つけたウェブサイト、Brickeconomy.comの方がはるかに役に立った。
もっと稼げるチャンスがある
アソーカのフィギュアは1〜2日のうちに199ドル(約2万7000円)で売れた。もちろん息子の利益を横取りするつもりはないが、これは簡単にお金を稼ぐ手段になると思った。アソーカが入っていたレゴセットは2016年の発売当時109.99ドル(約1万4800円)だったので、古いセットに今どれほどの価値がついているか知らない人が売りに出していることに賭けてみようと考えた。
それから測り切れないほどの時間をかけ、特に価値の高いミニフィギュアとレゴセットについて調査した。レゴには90年の歴史があるので、深入りしすぎると泥沼にはまってしまいかねない。そこで、自分も知っているスター・ウォーズとマーベルのセットを重点的に調べることにした。
週末には、息子と一緒にここラスベガスの中古おもちゃ屋を回って掘り出し物を探した。この辺りで事業を展開している中古おもちゃ販売チェーンが主催するイベントでは一般人も古いおもちゃを売れるので、そこもちょくちょく覗いた。
すぐに気づいたのは、やはりみんなバカではないということだった。多くのミニフィギュアとセットは相場以上の値段で売られている。それでも1つ2つはいい買い物ができた。
未開封のセットはかなり価値が上がる。あるとき出会った女性は、もう成人した息子たちのために昔買ったきりの未開封セットをたくさん持っていた。彼女もその価値については調べていたが、複数まとめて買うことを条件に私と取引してくれた。
割安で売られているセットやミニフィギュアを最も運よく見つけてこられた場所はeBayだ。eBayでは検索結果を保存できる。私は20~30種類の出品アイテムを見つけてその検索結果を保存し、それらを誰かが一定の価格より安く売り出したらメールを受け取れるようにした。少なくとも50%の利益を出すという目標を定め、それを基準に価格を決めた。
欠けているパーツのあるミニフィギュアやセットをたまに目にしたときは、そのパーツがBricklink.comでいくらで売られているかを確認した。Bricklinkは個別のレゴパーツやセットが売買されているマーケットプレイスだ。ここを見れば相場の推定もできるが、信頼度はやはりBrickeconomyの方が上だ。足りないパーツを買ってもなお大きな利益が出る場合にはそうして販売した。
6カ月で約30万円以上の利益
2月にレゴの転売を始めてから今までに稼いだ額はおよそ2400ドル(約33万円)だ。最初の頃は大失敗もして損を出したが、その分をすべて取り戻したうえでプラスに転じさせた。まだ売れていないセットも手元にあるが、クリスマスシーズンは稼ぎどきらしい。
今回の発見は経済的な恩恵をもたらした。私は2021年9月にいきなり勤め先を解雇され、収入がなくなったのでクレジットカードでお金を借りなければならなくなった。必死で修復したクレジットスコアがまた崩れていくのが怖くてたまらなかった。
しかし、レゴ転売による副収入のおかげで、仕事のない期間に積み重なった借金はすべて返済できた。それに、息子と一緒にすばらしい経験もできた。パンデミックや現在のインフレ問題、将来の不安もある世の中だが、収入を増やして自足する方法は必ずあるということを息子に教えられてよかった。
(翻訳・長尾莉紗/LIBER、編集・長田真)