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もっと「クリーンクッキング」に投資を…森林保護だけでなく気候対策にもなる

ブータンで焚き火をしながら調理する人

ブータンで焚き火をしながら調理する人。開発途上国の約24億人が「クリーンクッキング」できない状況にある。

Universal Images Group via Getty Images

  • 世界の約24億人が薪や炭火、灯油ストーブで調理をしている。
  • これは、世界の温室効果ガス排出量の2%を占め、森林や公衆衛生に害を及ぼしている。
  • 「クリーンクッキング」は気候変動に貢献する可能性があるが、かなり多くの資金が必要だと国連が支援する団体は述べている。

現代の調理用コンロは、おそらく森林保護について考えるきっかけにはならないだろう。しかし、国連が支援しているある団体は、その考えを変え、あまり知られていない気候変動対策に何千億ドルもの資金を提供することを望んでいる。

開発途上国の約24億の人々は、「クリーンクッキング」を行うことができず、薪や炭の炉や非効率な灯油ストーブで調理をしている。その二酸化炭素の排出量は航空業界全体に匹敵し、世界総排出量の約2%に相当する。また、煙や煤(すす)にさらされることで、料理を作る人(その多くは女性や子ども)は何年も寿命が縮むとも言われている。

自然も代償を支払っている。クリーンクッキング・アライアンス(Clean Cooking Alliance)が2022年8月30日に発表した報告書によると、燃料用に伐採された木材の3分の1以上は再生されておらず、森林の劣化を助長し、自然に対する気候変動対策投資の拡大を脅かしているという。

「クリーンクッキングができないことは、世界で最も投資が不足している健康と環境の問題だ」とクリーン・クッキング・アライアンスの最高渉外責任者、ジリーン・コナーズ・ベロポルスキー(Jillene Connors Belopolsky)は述べている。

「これは歴史的に女性の問題とみなされてきた」

同団体は、液化石油ガス(LPガス)、バイオガス、エタノールを使用するコンロなど、室内空気環境の国際基準を満たした調理方法の普及に取り組んでいる。電気ストーブや圧力鍋もそのリストに入っている。ベロポルスキーによると、液化石油ガスは化石燃料だが薪や石炭よりも汚染度が低く、他のクリーンな燃料や電気を利用できない家庭が大半を占めるサハラ以南のアフリカでは、最も費用対効果の高い解決策だという。また、家畜や作物の廃棄物はバイオガスやエタノールに変換できるため、農業地域にもチャンスがあるという。しかし、クリーンクッキングの普及は、裕福な国や民間企業からの資金不足によって阻まれている。これは、地球温暖化の最も深刻な影響に直面しながら、その危機への責任が最も少ない「グローバル・サウス(主に南半球の発展途上国を指す)」での気候変動対策とほとんど同じ状況だ。投資額は年間1億3000万ドル(約182億円)程度で推移しており、必要な45億ドル(約6300億円)を大きく下回っているとの試算がある。

クリーンクッキングと自然保護を結びつけることで、より多くの資金を引き出すことができるかもしれない。森林保護や修復、持続可能な土地の管理など、自然を基盤とするプロジェクトには約1330億ドル(約18兆6300億円)が投入されており、この10年でこの金額を3倍にすることが求められている。その資金の何割かがクリーンクッキングに使われれば、大きなインパクトを与えることができるとベロポルスキーは話している。

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