ボルチモアにあるアマゾンの配送センター。
REUTERS/Clodagh Kilcoyne
- 米アマゾンはメリーランド州ボルチモアにある2つの施設を閉鎖し、300人を超える従業員には別の施設での仕事を割り振る。
- 同社は、巨大な配送ネットワークを縮小せざるを得なくなっている。
- コンサルティング会社がブルームバーグに話した内容によると、同社はアメリカ国内の42の新施設の建設計画を中止した。
アマゾンが財布の紐を締め始めている。
同社は2022年8月31日、300人以上の従業員を雇用しているメリーランド州ボルチモアの2つの配送拠点を閉鎖すると発表した。これは地元ニュース局、WMAR-2が最初に報じた。
アマゾンの広報は従業員に地域内の別の拠点での仕事を斡旋するとWMAR-2に語った。また、このほかに閉鎖する拠点について具体的な場所は明らかにしなかったが「いくつかある」と述べた。
これはアマゾンがその広大な配送ネットワークを縮小する最新の動きだ。
アマゾンの不動産購入について追跡しているコンサルティング企業、MWPVL Internationalは、アマゾンがアメリカ国内の42の新施設の建設計画を中止し、21の施設について開設を延期したとブルームバーグに話している。
アマゾンはほぼ完成しているネブラスカ州の70万平方フィート(約6万5000平方メートル)の新施設の稼働を2024年まで延期している。
パンデミック期間の需要急増によって、アマゾンの不動産購入は増加したが、現在はスペースが余っていると、最高財務責任者のブライアン・オルサブスキー(Brian Olsavsky)は4月に記者に語っていた。
オルサブスキーによると、アマゾンは2021年中頃から2022年4月までの間に事業規模と労働力を2倍にしたという。
アマゾンは2022年、小売部門の雇用を縮小している。Insiderが以前報じたように、小売部門はインフレによって大きな打撃を受けた。
だが同社は、事業のあらゆる部分を引き締めているわけではない。Insiderで紹介したように、商品を長期間保管するための新しい試験的なプログラムに出品者を招待している。アマゾンはこれまで、在庫の回転を早くすることに注力してきたが、この新しいプログラムは、同社が倉庫市場で大きなシェアを占めることを視野に入れているサインだ。
Insiderはアマゾンにコメントを求めたが回答は得られなかった。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)