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投資と取引、あなたに合うのはどっち? 株を始めるなら知っておきたい2つの戦略

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取引と投資、どちらが自分に合うのか? 決め手になるのは、思考の回転力、価格変動への対応力、そして目標とする資産規模だ。

Blue Planet Studio/Shutterstock

  • 取引(Trading)と投資(Investing)の違いとは、株式市場にアプローチする方法が異なるということだ。自分の時間的制約と、リスクの許容度によって、どちらが良いかを判断するといい。
  • 投資とは、将来的に価値が上がる可能性のある株を買うこと。株を長期間保有して利益を得たい人に向いている。
  • 取引とは、市場の動向を追って適切なタイミングで取引すること。すぐに利益を獲得するのが狙いで、短期間で株を売買することになる。
  • 経済的自立の達成に役立つ「Money Insider」の記事一覧はこちらから。

アメリカの市場は活況だった。特に2010年代の強気相場では、長期に渡って賑わっていた。2020年のコロナ禍では、その賑わいは、新たな高みに達した。

ネットで有名人になったトレーダーも多い。個人トレーダーの世界に飛び込んだ人に影響されて、401(k)プラン(アメリカの年金)や投資信託ではなく、個人投資のほうが良いのではないかと考えている人もいるだろう。

しかし、「投資家」というと「羽振りがいい」と言えるのは、稀なことだということを理解しておく必要がある。

取引(Trading)と投資(Investing)、2種類の用語に分けられるのはなぜなのか? それは、株式市場にアプローチする方法が2種類あるということを意味している。

取引では、短期間に起こる価格変動から、すぐにリターンを得るのが狙いだ。対象的に長期の投資では、分散投資という、資産を組み合わせてポートフォリオ作成するタイプの投資が一般的だ。市場の上昇や下落があっても、そのまま資産を保有しておく。

取引には、一か八かの賭けといった性質がある。だから取引を選ぶならリスクはつきものだ。特に個人投資家の多くは、取引を選ばない。

しかし、手持ち資金の一部を取引に賭けて、残りを長期投資に回したいという人もいるだろう。それでは、両者の基本とそれぞれの長所・短所を、詳しく見ていくことにしよう。

投資の基本

投資とは、金融資産(株式、債券、投資信託、ETFなど)を購入することである。投資家は、将来的に株価上昇が期待できる銘柄を選んで購入する。短期で利益を得るのではなく、長期的な時間軸の中で、段階的な価値の上昇や複利効果で利益を得るのが目的だ。

時間軸が短くなると、資産を失うリスクも高くなる。米国の証券取引委員会(SEC)の投資家教育支援局(OIEA)では、3年以内に資産を引き出すのであれば、普通預金を利用することを推奨している

そうでなければ、投資では利益が期待できる。数十年間のスパンで、保有しようと考えている投資家もいるぐらいだ。

分散投資(複数の投資対象を組み合わせて保有すること)とは、リスク軽減になるので、投資家にとっては重要である。これは、ボラティリティ(市場価値や株価の急な暴落や予想外の変動)による影響を緩和することになるからだ。

最近では、投資信託やETF(様々な資産が入った単一の投資ビークル)を購入すると、すぐに分散投資が可能になる。また資産の組み合わせを選ぶ際に、リスク許容度や資産の引き出し予定日も考慮しておくことが大切である。

投資家が個別の株式や債券を選ぶ場合、ファンダメンタル指標、つまり株の発行企業の収益、社歴、信頼度を見るのが一般的だ。これらの情報は、割安な銘柄(バリュー投資)や大幅な上昇が期待できる銘柄(グロース投資)を見つける手がかりとなる。

取引の基本

取引とは、すぐに利益を得ることを目的として、短期間で銘柄を売買することである。投資家の時間軸は、数年程であるのに対し、トレーダーは、数週間や数日、細かくなると数分単位になることもある。

最も一般的な取引の方法として、デイトレードとスイングトレードがあげられる。デイトレードとは、その日のうちに銘柄の売買注文をし、ポジションを翌営業日まで持ち越さないことである。一方スイングトレードでは、数日または数週間の間に上昇が期待できる銘柄を購入する。

取引の世界では、株式のファンダメンタルズは全く無意味である。将来的には価値が上がると予想される銘柄でも、数分あるいは数日中に上昇するとは限らない。だからこそ、取引の判断材料を得るためにも、トレーダーは市場動向やニュースのテクニカル分析に重きを置いているのだ。

取引は、危険な遊びにもなりえる。風向きが悪くなると、短時間で資産を失う可能性もある。中にはレバレッジを使って、リスクを増やしているトレーダーもいる。

これは、借金をしたり、まだ獲得していないお金で銘柄を購入することなのでリスクが高い。オプション取引、マージン取引、空売りなど、すべてレバレッジを使う取引である。

初心者から見ると、有名なトレーダーは、スキルや知識を持っているように見えるだろう。たしかに、一部のトレーダーは、チャートの読み方やテクニカル分析において熟練していると言える。しかし、正確に情勢を予言できる人は誰もいない。有名トレーダーであっても、大きな損失を出す可能性はある。

もし取引に興味があるのなら、ポジションサイズを小さくすると(大金を注ぎ込まないということ)、大きな損失につながるリスクが減る可能性はある。

他には、ストップロス注文を利用するという手もある。それは、株価が指定した価格より下がったら、自動的に決済注文が出されるというものだ(だから、損失を抑えることになる)。

取引と投資、どちらが良いのか?

どちらも、金融市場で資産を扱うものだが、やり方や目的が全く違う。比較したり、どちらが良いのかという一般論を語るのは難しい。

それでも一般的に、取引にはリスクがあると言える理由が2つある。

  • 思惑買いすることが多い。素早い決断と経験による憶測で購入しているが、ただのキャンブルでもある。
  • 複数の取引を同時にチェックするのが難しいから、分散投資を最小限に抑える、あるいは全く使わないこともリスクだ。そのように毛嫌いするのは、変動幅のアップダウンを抑えて「平らにする」という分散投資の性質のせいでもある。トレーダーはできる限り、最大の高値を狙っているからだ。

しかし、取引は投資よりも、高いリターンを獲得できるという点にも注目しておくべきだ。投資では、年間8%から10%の利益があれば良い方なのだが、トレーダーは1カ月でそれ以上の利益が期待できる。月間でたった5%しか稼げないトレーダーでも、年間で60%もリターン(非累積)を獲得している。

このような理由があるので、どちらがベストな戦略なのか判断し難い。もしリスク許容度が低く、変動を避けたいのであれば、投資が合っている。しかし、リスクはあっても、高額なリターンを早く手に入れたいのであれば、取引は魅力的だろう。

どちらも専門性が高いわけではないので、投資を選んだからといって、取引はできないということではない。たとえば、資金の9割を分散投資に回して、長期的に保有するとしても、残りの10%を短期投資に充て、銘柄を思惑買いしてトレードを楽しんでもいい。

結論

取引とは、スリリングなやり方で、手っ取り早く稼げる方法だ。しかしギャンブルのような性質もあり、すぐに大金を失ってしまう可能性もある。投資とは、取引よりは、小規模であり、損失も少ない。

リスクが気にならないのであれば、手持ち金を少し使って、取引を楽しむことはできる。また利益を得られる可能性もある。リスクを減らして、変動から資産を守ることを最優先としているのであれば、長期の投資は安心できる。

いつまでに、これだけの金額が欲しいという目標があるのなら、ゆっくりであるが着実に運用できる投資は最適な方法だ。

[原文:Trading and investing are two approaches to playing the stock market that bring their own benefits and risks

(翻訳・伊藤麻衣子、編集・長田真)

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