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アマゾンプライム、ネトフリ、DAZN…相次ぐサブスク値上げの裏に2つの事情【入山章栄・音声付】

サムネ画像

Walter Cicchetti/Shutterstock

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

アマゾンはこの9月から、ドイツやイギリスなどヨーロッパの主要国で「アマゾンプライム」の会費を大幅に値上げします。アメリカではすでに今年2月に139ドル(約1万8900円)へと値上げを実施。となれば、いずれ日本でも同様の値上げがあるのでしょうか? 価格をめぐるアマゾン経営陣の狙いを入山先生が考察します。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:13分04秒)※クリックすると音声が流れます


デジタル系サービスの値上げが相次いでいる理由

こんにちは、入山章栄です。

みなさん、本や日用品をネットで買うときは、どこを利用していますか? 僕自身は、かなりアマゾンに依存しています。アマゾンプライムにも加入してます。


BIJ編集部・常盤

BIJ編集部・常盤

入山先生もアマゾンプライムの会員なんですね。そのアマゾンが欧米でプライム会費を大幅に値上げしているのをご存じですか?

アメリカではすでに今年2月に139ドル(約1万8900円)となっていて、今後はイギリスやドイツなどの欧州圏でもアメリカ並みの水準に引き上げるそうです。

日本のプライム会費はいま年額4900円。月当たり400円くらいです。送料無料などいろいろな特典があることを考えるとお得だなと思える金額ですが、これが1万5000円だ2万円だとなってくると、「楽天やヨドバシドットコムに乗り換えようかな」と思う人が増えるのではないでしょうか。入山先生はどう思われますか?


最近、このようなデジタル系サービスの値上げが増えていますね。ネットフリックスもスタンダードプランが月950円だったのが、その後2度の値上げを経て、現在では月1490円になっています。

それから僕も入っていますが、DAZN(ダゾーン)というスポーツメディアが月額1925円から3000円へと、かなり大幅な値上げをしました。


BIJ編集部・常盤

BIJ編集部・常盤

そうでしたね。ネットフリックスはそれで会員が減ったと報道されていました。


なぜデジタル系サービスの値上げが相次いでいるのか、僕の理解では理由は少なくとも2つあります。

第一に、こういうデジタル系のサービスは世界中で求められるので、ある程度までは、顧客数が増えるという意味で売り上げの成長が期待できます。さらに言えば、この連載で前にも述べたようにネットワーク外部性の効果もある。つまり、いったん「この分野ならこのプラットフォームが一番だよね」という存在になると、もうユーザーは勝手に増えていく。アマゾンもそうですが、「みんながアマゾンを使うから、自分もアマゾンを使う」となるのです。

ユーザー数が伸びていれば売上も増えますから、値上げをする必要はないし、むしろ価格を抑えたほうが、ますますユーザー増が見込めるでしょう。

ところがサービスが一通り普及して成熟期に入ってくると、もう追加で獲得できるお客さんの数はそれほど増えなくなる。でもアマゾンやネットフリックスは、まだこの先しばらくは売上高が成長するだろうと投資家に期待されている。だから、売上を伸ばし続けなければいけない。お客の増加に期待できないのなら、あとは価格を上げるしかありません。これが1点目です。

さて、さらに重要なのは、2つ目の理由です。

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