アップル初のタフネス腕時計「Apple Watch Ultra」がわかる8つのポイント

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出典:アップル

新しいApple Watchにはじめて追加されたプロ向けモデルは「Apple Watch Ultra」という名称で登場した。

デザインからは、伝統的な機械式時計にある「ダイバーズウォッチ」に通じるような頑強さと、機能性が感じられる。

アップルは9月8日未明にカリフォルニア州クパチーノ本社で開いた新製品イベントで、新型Apple Watchなど複数の新製品を発表した。

Apple Watchシリーズに、噂されていた上位モデルを用意した。国内向け価格は12万4800円(税込)から。

すでに予約を開始しており、9月23日に発売。なお、アメリカ価格は799ドルのため、消費税を差し引いたアップル内の為替レートは140円程度で設定された形だ。

まったく新しいプロ向けApple Watchを8つのポイントで解説する。

1. 初のプロ向けは「ダイバーズウォッチ」のモチーフを意識か

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出典:アップル

伝統的な機械式腕時計の世界では、一般向けモデルに対して、スポーツ向けモデルも用意するケースがある。

防水性能や、時間計測(クロノグラフ)などの特殊な機能を強化したものだ。例えば、ロレックスでは、「プロフェッショナルモデル」と呼ばれるシリーズにあたり、いずれも非常に人気が高いモデルが多い。

アップルでは「過酷な環境に挑む人へ。」と表現しているが、デザインのモチーフをみると、ダイバーズウォッチ/スポーツウォッチを意識したデザインに見える。

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裏側のセンサー部分のデザイン処理も通常とは異なる。四隅がネジ止めされ、タフな印象が強いデザインになっている。

出典:アップル

例えば、Apple Watchの特徴のデジタルクラウン(リューズ)の周辺の膨らみは、ここまで大型ではないものの機械式時計のリューズガードを想起させる。

リューズガードは、本体から飛び出したリューズの破損を防ぐもので、機械式のスポーツウォッチを象徴するデザインの1つだ。

2. 49mmのチタン製のボディーと大きな画面

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側面からみると、通常のApple Watchと形状の違いがよくわかる。回転させるデジタルクラウンは、直径が大きく、溝が深くなっているとアップルは説明している。

出典:アップル

ノーマルのApple Watchと大きく差別化されているのが、デザイン、素材、サイズだ。

デビュー以来、Apple Watchは曲線基調のデザインを続けてきたが、Ultraではディスプレイの周囲に画面を保護するようなベゼルで囲むデザインを採用したことで、インパクトのある外観になっている。ベゼルは登山などの岩場での利用時に画面のカドを守る効果もありそうだ。

ボディーは49mmと、Apple Watchとしては過去最も大型になった。ノーマルのApple Watch Series 8が41mmまたは45mmであることを考えると、日常生活で腕にのせたときのサイズ感は気になるところだ。

素材はチタン。現行のApple Watchでチタン素材を採用するのは、このUltraだけだ。

3. 100mの耐水性能、水深40mまでのダイビング対応

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アップル純正の「水深」アプリの画面。時刻・現在の水深・水温・潜水時間・最大水深の計測ができる。

出典:アップル

通常のApple Watchに比べて、耐水性能が強化されている点も特徴。ノーマルのApple Watchが50mの耐水性能(Apple Watch Series 8、SE)なのに対して、Apple Watch Ultraでは100mの耐水性能、そして水深40mまでのスキューバダイビング対応をうたう。

Huish Outdoorsと共同開発した「Oceanic+」というアプリと併用することで、フル機能のダイビングコンピューターにもなる。

深度や、潜水時間の計測などができるようだ。またアップル純正の「水深アプリ」では、時刻・現在の水深・水温・潜水時間・最大水深の計測もできる。

4. 画面の明るさは2倍の2000ニトに。強い日差しでも見える

スポーツ向けは視認性の高さも重要だ。

見やすさの向上のため、画面が大きくなっただけではなく、明るさも強化している。

ノーマルのApple Watchが1000ニトに対して、2倍の2000ニトのピーク輝度によって、強い日差しの中でも視認性を確保する。

これは主に、登山時の本格活用を想定した強化だろう。なお、画面は上級モデルらしく、サファイアクリスタルを採用する。

5. ボタンが1つ増えた

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通常のApple Watchでは、スピーカーの穴があるだけだった側面に、新たにアクションボタンが追加。機能を呼び出すショートカットキーとして使う。

出典:アップル

機能を呼び出すための、側面のアクションボタンが1つ増えた。カスタマイズして使うことを想定していて、呼び出したい機能を割り当てておき、いつでも瞬間的に呼び出せるように考えられたものだ。

6. 強化されたGPS

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出典:アップル

発表イベントのなかでは、GPSの強化についても言及した。

通常のApple WatchにもGPSは内蔵しているが、Ultraには「高精度2周波GPS」として、2つの周波数のGPS信号を捉えられる(L1 GPSとL5 GPSと表記)。

これによって正確性が高まるほか、特にGPSが苦手とする、ビルが林立する過密都市での計測精度が向上する。都市マラソンなどでの正確な計測が期待できる。

7. 最大36時間のバッテリー、-20度に耐える頑丈性能

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出典:アップル

ボディーが大きくなったことなどからバッテリー性能は通常のApple Watchの2倍にあたる36時間に。

また、新しいwatchOS 9が搭載する低電力モードを使うことで、最大60時間まで駆動時間を延ばすことができる。

充電なしで長時間動作できることは、荷物を軽くし充電できないキャンプなどの過酷環境では大きなポイントになりそうだ。

8. これまでにない3つのデザインのバンド

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出典:アップル

ダイビングでの利用、山登りでの利用を想定した新しい3種類のバンドが用意される。

ダイビング向けには、ラバー製でウェットスーツの上からでも装着しやすい「オーシャンバンド」。

山登り向けには、登山道具をモチーフにしたデザインの「アルパインループ」。G字のフックがデザイン上のアクセントになっている。

長距離ラン向けには「トレイルループ」。いずれも、価格は1万4800円。別売もされ、ノーマルのApple Watchの45mmケースと互換性がある。

(文・伊藤有

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