労働者は「静かな退職」ではなく「給料に応じた労働」だと思っている

給料に応じた労働

Oscar Wong/Getty Images

  • インターネットやビジネスの世界では「静かな退職(quiet quitting)」という概念が話題になっている。
  • これはいわば、労働者が賃金と引き換えに契約通りの仕事だけをするということだ。
  • 一部の労働者は、この概念を「給料に応じた労働(acting your wage)」と言い換えている。

アイルランドに暮らす30代のビリーは、新型コロナのパンデミック時に倉庫の夜勤をしていたため、自由な時間が多くあった。仕事は単純で、基本的にはすべてが正常に稼働しているかを確認することだった。

彼は退屈だった。

そこで、仕事中にぼんやりすることをやめようと決心し、夜中にオーディオブックを聞くようになった。

「私は給料をもらっているし、職場にも来ている。与えられたわずかな責任を果たしながら、同時に何かを得ているんだ」とビリー(プライバシー保護のため苗字は非公開)はInsiderに語っている。

彼は「給料に応じた労働(acting his wage)」をしている。これは「働き方の大再考(Great Rethinking of work)」が叫ばれる中、話題になっている言葉だ。

似たような意味で「静かな退職(Quiet quitting)」という言葉も登場している。これは与えられた仕事だけを行い、それ以外は何もやらないという意味だ。惰性で仕事をする風潮について報じたInsiderの記事が元になっている。

しかし労働者たちの中は「給料に応じた労働」という言葉の方が、自分たちがしていることをよりうまく表現できるようだと主張している人もいる。

進歩的な政治団体Our Revolutionは「『静かな退職』ではない。『給料に応じた労働』だ」とツイートしている

「給料に応じた労働」は、デイブ・ラムジー(ラジオ番組のパーソナリティ)が監修した家計管理について学べるボードゲームのことではない。これは「静かな退職」の「再ブランド化」であり、実際の仕事をしている人たちを中心に据えたものだ。労働者が「静かな退職」あるいは「給料に応じた労働」をするとき、彼らは契約と報酬に応じた仕事をしている。明快なコンセプトを持つこの言葉はインターネット上で炎上した。経営陣は苛立ち、「静かな退職」をする者は真っ先に首を切られる者だと述べている。

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