iPhone 14 Pro(左)と14 Pro Max(右)。カラーはディープパープル。価格はiPhone 14が14万9800円(税込)から、Pro Maxは16万4800円(税込)から。Proシリーズは9月16日発売。
撮影:西田宗千佳
発表されたばかりの「iPhone 14 Pro」シリーズ、「iPhone 14」シリーズ、そして「第2世代AirPods Pro」のハンズオンをお伝えする。
今回の各製品は、外見はそこまで大きく変わっていない。
一方、使い勝手に関わる部分には、いろいろな変化がありそうだ。短時間ではあるが、触ってみて感じたファーストインプレッションをお届けする。
アメリカモデルは「SIMスロットなし」
ハンズオン会場となったアップル本社スティーブ・ジョブズ・シアターに展示されたiPhone 14 Pro。
撮影:西田宗千佳
新しいiPhoneは「14」「14 Pro」シリーズになった。
スタンダードな「iPhone 14」は、サイズの小さい「mini」がなくなり、サイズ違いで「14」と「14 Plus」になった。さらに、上位モデルの「iPhone 14 Pro」は、これまで通りサイズ違いで「14 Pro」と「14 Pro Max」になっている。
「iPhone 14 Pro Max」のディープパープルカラー
iPhone 14 Pro Max(ディープパープル)。
撮影:西田宗千佳
iPhone 14 Pro Max(ディープパープル)の裏面。
撮影:西田宗千佳
同ゴールドカラー
iPhone 14 Pro(ゴールド)の裏面。
撮影:西田宗千佳
iPhone 14 Pro(ゴールド)。
撮影:西田宗千佳
同レッドカラー
撮影:西田宗千佳
iPhone 14(左)と14 Pro(右)。カラーはレッド。
撮影:西田宗千佳
同パープルカラー
iPhone 14(パープル)。
撮影:西田宗千佳
撮影:西田宗千佳
カラーバリエーションは、iPhone 14が5つでiPhone 14 Proが4つ。
ミッドナイト・パープル・スターライト・レッド・ブルー(iPhone 14)に、スペースブラック・シルバー・ゴールド・ディープパープル(iPhone 14 Pro)と、少しずつ色が変わって新色追加、というのも例年のパターンにならう。
iPhone 14のカラーバリエーション。左からブルー・レッド・パープル・スターライト・ミッドナイト。
撮影:西田宗千佳
iPhone 14 Proのカラーバリエーション。左からディープパープル・ゴールド・シルバー・スペースブラック。
撮影:西田宗千佳
今回ハンズオン会場に展示されていたのはアメリカ版で、日本版とは大きく違う点がある。
それは「SIMカードスロットがない」ことだ。iPhoneの左側面に、iPhone 14・14 ProともにSIMスロットは、見当たらない。
第2世代AirPods ProとApple Watch SE、iPhone 14(パープル)を一緒に。iPhone 14の側面をよくみるとSIMスロットがない。
撮影:西田宗千佳
こちらのiPhone 14 ProにもSIMスロットはない。
撮影:西田宗千佳
アメリカ版の公式サイトの画像にはSIMスロットがないのだが、日本版にはある。アップルのサイトに掲載されている画像も使い分けている。
出典:アップル
誤解がないよう強調しておくが、「SIMスロットがなくなったのはアメリカ版だけ」だ。
日本版にはちゃんとある。そのためアップルのWebサイトを見ても、アメリカのものにはSIMスロットがないが、日本のものにはSIMスロットが写っている。
実は多い「Pro」ならではの要素
iPhone 14 Proの「Dynamic Island」。このフロントカメラ部分の「ホール」を上手く使うデザインになっている。
撮影:西田宗千佳
新機能という意味で気になるのは、iPhone 14 Proの「Dynamic Island(ダイナミックアイランド)」の表示がどう変わったかだ。
動画で見ると、その動きがよくわかる。
いわゆるピンホールでもノッチでもなく、横に黒いバーがある感じなのだが、その周囲もユーザーインターフェイスとして活かすことで、「邪魔な黒い部分がある」印象をかなり薄いものにしている。この通知をサードパーティーが使うにはアプリ側での対応が必要とのことだが、「対応は難しいものではない」(アップル担当者)という。
もう1つ気付いたのはカメラの変化だ。
カメラの機能についてはしっかり撮影してみないとわからないところが多いのだが、今回14 Proでは、メインカメラ(従来「広角」と)で「2倍」のズームができる。この2倍ズームは、4800万画素のセンサーを1200万画素として使うものなので、「データを拡大するデジタルズームではない」点が重要だ。
iPhone 14 Proシリーズでは、メインカメラで「2倍」が新たに可能に。
撮影:西田宗千佳
また、ファイルサイズが巨大になる代わりに高画質で保存するRAW撮影機能「ProRAW」では、4800万画素での記録も可能になった。
ただ、4800万画素ProRAWでは、撮影して記録が終わるまでに2秒程度時間がかかったのが少し気になった。
設定を変えると、4800万画素での「ProRAW」撮影ができる。
撮影:西田宗千佳
また外見ではわからない点として、Proシリーズのみ、GPSは高精度な測位に対応した「2周波GPS」となっている。
日本の場合は、準天頂衛星システムである「みちびき(QZSS)」の、L5による高精度測位に対応する。以前からみちびきには対応していたが、L5による2周波GPSでの高精度測位ができるのは新しい機能だ。
今回の新製品としては、新たに追加されたタフ仕様の腕時計「Apple Watch Ultra」とiPhone 14 Proシリーズが2周波GPS対応製品、ということになる。
新AirPods Proは音量調整や「適用型環境音除去」が差別化点
第2世代AirPods Pro。実は左側のケースとイヤホン部は第1世代のものだが、見た目では判別がつきにくい。
撮影:西田宗千佳
完全ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」の第2世代モデルも試すことができた。
といっても、こちらはiPhone以上に外見では旧モデルとの差がわかりづらいかもしれない。耳に入れる本体の方の差は、非常に小さい。
充電ケースは見た目で違いがわかる。側面にストラップホールがついたこと、場所を伝えるためのスピーカー用の穴がついたことなどから、ケースは意外と見分けがつく。
第2世代の充電ケースには、下部のLightning端子の脇にスピーカーがあるほか、写真左脇にはストラップホールがある。
撮影:西田宗千佳
純正ストラップホールをつけるとこんな感じになる。
撮影:西田宗千佳
では使ってみるとどうか?
騒がしく、短時間しか試せないハンズオン会場では、音質やノイズキャンセルの質について言及するのは難しい。
一方、操作感の印象は良かった。耳から伸びる軸部分は、これまで「クリックして操作」ができた。再生停止やノイズキャンセル切り替えなどに使っていたわけだが、これに「上下のスワイプ(スライド)」操作が追加になった。
第2世代AirPods Proの製品ページより。
出典:アップル
これは音量操作に使うもので、なかなか使いやすい。一般的に、小さい場所で指を滑らせる操作はイマイチな操作性である印象があったのだが、そういった違和感は小さかった。
また、機能としておもしろいと思ったのは「適用型環境音除去」(アダプティブアンビエントサウンド)だ。
周囲の音を聞きながら使う「外部音取り込み」は便利だが、騒音が激しい場所では周囲の音自体が大きくなってしまう。けれども、第2世代モデルでは周囲の騒音の大きさに合わせて取り込む音の大きさも変える。
以下の写真は、第2世代モデルをApple Watch SE(第2世代)につないで使った場合のものだ。
オフで使っている時には88dBで警告が出ているが、「適用型環境音除去」機能をオンにすると64dBに下がり、安全とされるレベルになる。
第2世代AirPods Proの「適用型環境音除去」がオフだと88dBで騒音警告が出るが、オンにすると耳への影響は64dBに下がる。
撮影:西田宗千佳
こうした機能も含め、AirPods Proについては、内部の変更が新モデルの肝と言えそうだ。
(文、写真・西田宗千佳)