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岸田首相“国葬”で「丁寧な説明」は…。野党から基準、法的根拠への疑問相次ぐ【閉会中審査・詳報】

参院・議院運営委員会で答弁する岸田首相(2022年9月8日)

参院・議院運営委員会で答弁する岸田首相(2022年9月8日)

参議院インターネット審議中継

7月に射殺された安倍晋三元首相の国葬をめぐり、国会の閉会中審査が9月8日午後に議院運営委員会で開かれ、岸田文雄首相が国葬を決めた経緯や理由・意義、法的根拠、費用の妥当性などを国会の場で初めて説明しました。

岸田首相は安倍元首相が憲政史上初最長の首相在任者だったこと、震災復興や経済再生に尽力したこと、日米同盟を基軸とした戦略的外交を主導したこと、諸外国で議会の追悼決議や服喪のほか日本国民へも弔意が示されたことから、「葬儀を国の儀式として実施することで、海外からの敬意・弔意に礼節を持って答える必要もあると思う」と国葬を決定した理由を話しました。

一方で、野党側は国葬の法的根拠について内閣府設置法と閣議決定では不十分ではと指摘。日本共産党は旧統一教会と安倍元首相との関係を追及し、岸田首相が「岸田首相は旧統一教会との関係を断つと言ったが、深い関わりを持ってきた安倍元首相を国葬にすることは矛盾していないか」と厳しく非難しました。

岸田首相は「丁寧な説明が重要」強調するも、質問者をまたいで同様の答弁を繰り返す場面がありました。

以下、衆・参両院の議院運営委員会の質疑をリアルタイムで詳報します。


【衆議院】

13時、議院運営委員会の開会が告げられた。岸田首相、松野官房長官より報告がある旨が告げられた。

岸田首相は安倍元首相の国葬理由について、

  • 民主主義の根幹たる国政選挙を6回にわたり勝利したこと
  • 憲政史上最長の首相在任、東日本大震災からの復興や日本経済の再生に尽力したこと
  • 日米関係を基軸とした戦略的な外交を主導し、平和秩序に貢献したこと
  • 諸外国における議会の追悼決議や服喪の決定や、公共施設のライトアップを始め、各国で国全体を巻き込んでの敬意・弔意が示されていること

を理由に挙げた。また、暴力には屈しない国としての姿勢を示すものだとした。

■自民・盛山正仁氏(10分)

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衆議院インターネット審議中継

──国葬の閣議決定後、国論を二分するように評価がわかれている。国葬について、多くの国民が批判している。戦後これまでの首相経験者の葬儀は、ほとんどが内閣・自民党合同葬。例外が吉田元首相の国葬。当時、学校の担任の先生が国葬を批判していた違和感があった。冒頭発言があったが、内閣・自民党合同葬ではなくなぜ国葬なのか。理由を改めて国民にわかりやすく説明を。

首相:国葬儀としたことの理由について。安倍元首相については8年8カ月に渡り内閣総理大臣の重責を担った。日本国133年の憲政の歴史の中で最長期間、重責を担った。

在任中の功績も、かつて「日本経済6重苦」と言われた厳しい経済状況から日本経済再生に努力を続けてこられた。

外交で普遍的価値や法の支配に基づく国際秩序をつくり、自由で開かれたインド太平洋、TPPにこぎつけるなど様々な成果を上げた。

東日本大震災からの復興など大切な時期を重責を担った。こうした様々な分野で大きな功績を残したこと。国内外から様々な潮位が寄せられている。国際社会では多くの国の議会が追悼決議、政府として喪に服す事を決定、国によってはランドマークを赤白でライトアップするなど国として弔意が示された。

選挙運動中の非業の死であったこと。個人に対する敬意を、これを国の公式行事とした開催し海外からの参列者の出席を得る形で葬儀をすることが適切だと考えて閣議決定した。

特に海外からは1700を超える追悼メッセージ。多くが日本国民全体への哀悼の趣旨だ。葬儀を国の儀式として実施することで、海外からの敬意・弔意に礼節を持って答える必要もあると思う

──費用について。国民にとって2億5000万円を超える葬儀費用は想像を超えるのでは。私人の葬儀とは異なり、それなりの場所で接遇を伴う公的なものになるのは当然。費用は過去の葬儀と比べて適切か。コロナ禍で苦しむ国民に理解されるか。

首相:2.49億円とされる会場費設営費など国葬儀そのものに実施に必要な経費は、まずは過去の様々な合同葬など政府が関わった葬儀との比較で、式典費そのものの経費として明らかにした。

葬儀式典の参列者が増加すること多数の外国要人が参列すること一般献花の準備が必要など過去と事情が異なる。そうした経費も加えて中曽根元首相の葬儀と比べて5700万円増となっている。

警備・接遇費が必要と指摘もあったが、これらは全て過去に支出がある経費。年度ごとの予算に計上されその範囲内で支出されてきた。

接遇、警備予算は今回も同様にかかるが、従来は予算の中で切り分けはしなかったがより丁寧な説明をするべきという指摘から、代表団の数等も見通しが立ちつつある。

仮に190代表団、うち接遇が必要な首脳級50と仮定して数字を置いた場合の数字を示した。こうした数字は過去の行事との比較でも妥当な水準だと政府としては考えている。

■立憲・泉健太氏(25分)

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衆議院インターネット審議中継

──閣議決定までに三権の長にはかったか。各党に相談したか。

首相:内閣府設置法および閣議決定を根拠として実施を決定した。

国葬儀は司法・立法・行政、間違いなく行政権に属するものと認識している。内閣府設置法に記載されていることからも明らかと認識。閣議決定に基づいて開催を決定した。

その段階までに三権の長に図ったかとのことだが、根拠は今申したとおり。説明が丁寧だったかは、判断することも大事だが、国民に対する説明理解が大事ということも間違いない。説明不十分という声は謙虚に受け止める。引き続き丁寧に説明する。

──内閣法制局は「一定の条件に該当する人を国葬とすると定めることについては法律を要する」と言っている。選考基準を示したような、そういう法律はあるか。

首相:御指摘のような法律はない。しかし行政権の範囲内ということで先程申した判断、法制局にも判断を仰ぎながら政府として決定した。

──佐藤栄作元首相は当時戦後最長の在任期間だった。ノーベル平和賞も受賞した。でも国葬ではなかった。なぜか。吉田元首相の国葬の反省も踏まえ、法律も選考基準もない、三権の長の承認が必要な国葬は難しいからだ。だから内閣・自民党合同葬を行ってきた。これまでの深慮遠謀を壊して国葬を強行している。それが総理ではないか。

首相:基準を定めた法律がないという指摘があったが、いま国葬儀について具体的に定めた法律はないが、行政権の範囲内で内閣府設置法と閣議決定を根拠に決定した。

国の行為について国民にさらなる義務を課したり行為を共有するものでない限り、具体的な法律は必要ないという学説に基づいて政府として考えている。

明確な基準がないと言う指摘。行為をどう評価するかは、その時の国際・国内情勢によって評価は変わる。同じことでも50〜60年前ではどう評価されるか。基準もつくっても国際・国内情勢で判断するのが現実。

その時々、都度都度、政府が総合的に判断し、葬儀形式を判断する。それがあるべき姿だと考えている。

────旧統一教会をめぐって、多額の献金などで被害が出ている。マインドコントロールによる多額の献金を禁止するカルト被害防止救済法案を考えている。法整備必要では。

首相:政治と社会的に問題が指摘されている団体との関係という論点。もう一つが被害者救済という論点。ともにしっかり対応しなければならない。

政府としても社会的に問題が指摘されている団体に関して関係省庁に宗教団体も関係法令を遵守しなければならないのは当然で、法令から逸脱すれば厳正に対処すること、法務大臣には被害者救済に万全を期すように指示している。

被害者のための合同電話相談窓口、消費者庁において霊感商法など悪質商法対策検討会などの議論もはじめた。

法整備の必要性が指摘があるが、まずは私の支持にも続いての取り組みを進めていく。それをやった上で、いまの法令の中で何ができるのか最大限追求した上で議論をする課題。

──旧統一教会、解散命令などは考えられるか。

委員長:議題を逸脱した質問をしないように。

首相:政府としても問題意識を持ち取り組みを進めている。いまの法令の中で何ができるのか詰めていきたい。その上で、どういった議論が必要か引き続き取り組む。

──今回の国葬について、民間警備会社の警備費用は今回の額には含まれているか。

官房長官:会場等の民間警備費用は式典経費の中に入っている。

──会場だけではないと思うが。全部含まれているか。

官房長官:会場外の警備は規定予算に計上されている予算に含まれている。

──いまの額では収まらないと指摘もある。学が膨らめば不信が募る。今回は自民党は負担しないのか。半額負担すべきでは。

首相:世界各国の国を上げての弔意メッセージを国として受け止める際に、国の行事として葬儀を行うことが適切と判断したことで今回の決定をした。

合同葬も税金は支出されたが、なによりも大事なのは国としてどういった形で国際的な弔意を受け止めるのか。日本国民全体に対する弔意にどう応えるのかが重要。そのための国葬儀が適切。

────国会や司法も関与せず、内閣の独断で決めた。安倍元首相の負の部分を語らず、膨らむ経費も問題。我々は国葬に反対する。独断・分断の国葬ではなく内閣葬にし、今後も元首相は内閣葬とする基準をつくるべきでは。内閣法制局との再検討、自民党の旧統一教会関係調査、経費の詳細な開示を期待する。

■維新・遠藤敬氏(15分)

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衆議院インターネット審議中継

──首相が、なぜ国葬が必要なのか語る場が必要ではと閉会中審査の場を求めた。お金の問題よりも大義が大事だと理事会でもお願いした。国費でやるなら意義あるものにする必要。費用がかさむことは理解できるが、どのように役立てるか。

首相:安倍元首相を追悼するとともに、暴力に屈せず民主主義を守り抜くことを内外に示していく。260を超える国、地域から1700件以上の弔意メッセージがあった。その多くが日本国民全体への哀悼という趣旨。国際社会から寄せられた敬意や弔意に対し、日本国として礼節をもって対応が必要。

──「テロとの戦いに屈しない」ことを示す覚悟について。

首相:安倍元首相は133年の憲政において最長の重責を担い、各分野で大きな功績をあげた。国内外から様々な敬意や弔意を示されている。

合わせて民主主義の根幹である選挙中に元首相が凶弾に倒れる事件。我が国の民主主義が屈することはないと、選挙も完結させた。国葬儀でそういった思いを示すことも重要。

──テロに屈しない我が国の強さを明確にするべき。首脳級は50代表団程度との予定。多いのか、少ないのか。今の認識は。

官房長官:どの程度の要人が参列されるかはあらかじめ想定していない。当初の想定より多い少ないはお答えすることは困難。

今回は経費の概算のため、仮定したもの。ハリス米副大統領など多くの海外要人が参列。安倍元首相への高い評価の現れでは。

──遺族のお気持ちに配慮が抜け落ちていると危惧。安倍元首相、ご家族、支援者まで影響を及ぼしている。安倍政権の表裏という指摘があったが、私は敬意を評してやまない。結果的に国葬してよかったと思われることが我々の責任。総理がリーダーシップをとるポイントでは。悔やんでいる親族、安倍元首相のお気持ちを考えて今の国民意識をどう考えるか。

首相:今回の国葬儀は、安倍元首相に対し敬意と弔意を表すとともに海外から寄せられている弔意に応え、一般にも追悼の気持ちを持つ人のために執り行う。

ご遺族の気持ちも勘案しながら進めていかなければならない。同感である。

安倍元首相の功績や尽力への敬意を表すとともに、厳粛かつ心のこもったものとなるよう万全の準備を進めていきたい。

──国葬の基準がないままに閣議決定をした。私自身は閣議決定を否定するものではない。準備や対応不足が現状の理由だと国民の意識では。国民の理解のために、国葬の一定基準を設ける必要はあるのでは。

首相:具体的な基準を設ける御指摘は承知している。ただ具体的に基準を定めると、国際情勢や国内情勢を始めさまざまな状況の変化で同じい事をやっても評価は変わるのが現実。

葬儀のあり方は時々の内閣が様々な事情を総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断してきた。今後も元首相が逝去した場合は、その都度内閣がふさわしいかたちを判断することになると考えている。

今回の国葬儀の実施後の検証結果、予算も確たるものを報告しなければならない。検証結果を今後の国葬儀のあり方について結果を役立てていく姿勢は重要だと認識する。

■公明・濵地雅一氏(10分)

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衆議院インターネット審議中継

──国会での説明が遅かったのではないか。総理の自らの言葉で国民に理解されたのではないか。国民が法的根拠、内閣府設置法の4条の3「国の儀式」を聞かれるのは初めてでは。妥当だと思う。ただ国葬儀の根拠にはなるが、すべきかどうかは別の論点。各国首脳が安倍元首相・家族への弔意だけでなく日本国民全体への弔意を示しているならば、日本全体としての葬儀が外交上の礼節にかなうとあった。具体的に日本国、日本国民にどのような弔意が寄せられているか。国民に説明を。

首相:バイデン大統領、エリザベス女王陛下など約260の国・地域・機関から1700以上のメッセージ。

在任中の業績を評価し、安倍元首相、ご遺族、日本国民への哀悼を示すもの。多くの国で議会の追悼決議。ブラジル、インドを始め政府として服喪を実施。オーストラリアでは公共施設を赤と白でライトアップするなど国をあげて弔意が示された。

国際社会からよせられた敬意や弔意にたいして日本国として礼節を持って丁寧にこたえるためにも国の儀式である国葬儀を開いて要人を迎えることが適切だと判断した。

──1日20件以上の首脳会談があるのでは。国葬儀で警備に怠りがあればかえって国益を損ねる。来年はG7広島サミットがある。日本の治安が失われつつある。警備の万全さを世界に示すことが大事。費用批判はあるが、かわすために警備に不備があってはいけない。

首相:改めて安倍元首相が銃撃で亡くなったことを重く受け止めている。警護体制の抜本的強化が図られた。警察には見直しを徹底して万全を期してもらいたい。国葬儀、サミットと重要行事が続く。国民の理解とともに警備を万全に、安全かつ円滑におこないたい。

──副大統領もこられるが、外交成果で国民の理解・支持も深まると思う。万全に臨んでほしい。

■国民・浅野哲氏(10分)

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衆議院インターネット審議中継

──これまでの質疑の中で「国葬を行うことは内閣府設置法で規定されている行政権の範囲」「内閣府設置法と閣議決定が根拠」と発言したが、その理解でよいか。

首相:御指摘のとおりだと思う。

国の儀式を行うことは行政権の範囲に含まれていると考えられ、内閣府設置法の4条の3で明らかになっている。元首相の葬儀はその都度ふさわしい形を内閣が判断してきた。

今後もその都度、その時の内閣が判断するとの説明をさせていただいている。

──内閣府設置法の解釈、理解を踏み込んで議論したい。総理は「国の儀式をおこなうことは内閣府設置法の4条の3で規定されている」と答弁した。よく読めば内閣府設置法の4条の3「前二項に定めるもののほか、内閣府は、前条第二項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる」とある。その33番目に「事務に関すること」とある。これが総理の法的根拠の条文。この条文には他に内閣府が世論調査をおこなったり、国民の祝日に関することを決めたり。内閣府の判断で決められうことは世論調査に関することなど、国の儀式に関する「事務」に関することとある。やるかやらないかの判断は別のところの判断で、やる場合は事務を内閣府が司るという立て付けと理解する。内閣府の独断で、国葬儀をやるかやらないかの決定はできないのではないかという疑念がある。

首相:国の儀式で国葬儀をおこなうことは、行政権に基づくものであり、その一つの根拠が内閣府設置法の4条の3に明記されていることであれうと説明させいただいた。

行政権に含まれるのなら閣議決定を根拠に行うことが求められるということで決定した。これが法的考え方の生理と認識している。

こうした判断に基づいて内閣法制局とも確認し、政府として判断した。

──国の儀式をおこなうかどうか委ねられているのか。今の議論だと、立法府と行政府の全員が認識を一つにしているのか。行政府と立法府が認識を一つにするためにも、閣議決定をする前に国会に儀式を行うべきか意見を気配を設けるべきではないか。9月27日の国葬儀は各党反対する政党もある。各党党首と会談し、思いを伝えて協力得る努力をしてほしい。

首相:政府として法的根拠を示した上、総合的な観点から適切に判断する。判断を行うことが大事だと思う。合わせて国民の皆さんからできるだけ多くの理解を得て、協力を得て進めていく姿勢も極めて重要。判断と説明責任をしっかりおこなうことが重要。

国民の皆さんに理解をいただく点からどうあるべきかどうあるべきだったか謙虚に指摘を受け止める。なにより説明が大事。引き続き説明努力を続けていきたい。

議運という場を借りて各党のみなさんをはじめしっかり国民の皆さんに説明をさせていただいている。今後も会見、ぶらさがり、関係大臣の発言だったり様々なかたちでより多くの国民の皆さんに理解をしてもらうよう努力する。

──国葬儀の当日、多くの海外要人が訪れる。高速道路の利用制限、当日予定されているスポーツやコンサート、予定通り催事は開催してよいか。何らかの制限、政府の要請はあるか。

官房長官:首都高、一般道で必要な交通規制が行われる見込み。空港から宿泊場所などへの交通規制がある可能性。国民の方々に向けて自粛を養成することは考えていない。

■共産・塩川鉄也氏(10分)

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衆議院インターネット審議中継

──国葬に反対。礼賛に繋がり、憲法の精神にも合わない。国葬は中止すべき。旧統一教会と深い関わりがあった安倍元首相を国葬にすることに懸念。岸田首相は旧統一教会との関係を断つと言っているのに、深い関わりを持ってきた安倍元首相を国葬とすることは矛盾していないか。

首相:ご本人が亡くなられたいま、十分に把握することは難しい。国葬儀は在任期間、功績、国際的評価、亡くなられた経緯を総合的に勘案して政府として判断するもの。元首相の葬儀のあり方は内閣が適切に判断していく。

──答えになっていない。統一教会と深い関わりをもってきた安倍元首相を国葬にすることは、統一教会を是認することにならないか。

首相:国葬儀に関する議論をいただいている。おこなうにあたって、まずは安倍総理の最長の在任期間、選挙で非業の死をとげた。

こうしたことは前例のないことと認識。そのうえで様々な功績を内外が評価している。特に海外の評価に答えなければならない。国民への弔意に対して、国葬儀をおこなうべきと判断した。

──答えになっていない。総理が関係を断つべき統一教会と安倍元首相の関係について曖昧なまま国葬はならないというのが国民の声。このまま国葬で良いのかと申し上げたい。安倍元首相は国政選挙で統一教会の組織票を差配していた。自民党前参議院議員は統一教会の関連団体の支援を受けて当選したと証言している。今年の参院選をまえに安倍氏と面会するようにいわれたが、前回のような支援は難しいと言われて立候補を断念した。元秘書は旧統一教会の関連団体の支援を受けて当選した。

委員長:議題と直接関係ないことは答えなくて結構です。

首相:自民党は所属国会議員に今日までのありようを点検し、しっかりと党に報告する取り組みをすすめている。過去どのようなことがあったか各議員が国民に説明することが重要と考え、その点検の結果を党に報告することを求めている。

過去についてはしっかり説明した上で未来に向けて社会的に問題が指摘されている団体と関係を持たない、関係を断つことが党の基本方針。それを担保するためのチェック体制を強化するよう検討している。取り組みを徹底し、国民に説明を続ける。

──統一教会の反社会的行為にお墨付きを与えて被害を拡大させてきた。安倍氏と選挙との関係もはっきりさせる必要がある。所属国会議員以外にもこういう実態の解明のために聞き取り調査はしないか。

委員長:議題と直接関係ないこと。必要ありません。質問を続けてください。

──国葬に該当する人がどんな活動をしてきたのか。関係を断つべきとの統一教会関係は国葬問題の中心の議論では。答えないというのは納得できない。政策への影響も。統一教会と関連団体は選択的夫婦別姓や同性婚に反対してきた。家庭の活を強調する点を高く評価するとしていた。親密な関係が自民党の政策に影響を与えたのでは。

委員長:議題と直接関係ないこと。必要ありませんが簡潔に。

首相:政策決定には多くの国民の意見を聞き、政策を判断している。一部特定の団体に寄って全体が歪められることはないと思っている。

自民党も、国民の声を聞く、政府からも各省庁や、専門家の意見も聞いて政策を決定している。一部の団体の声に振り回されることはないと信じている。

──安倍氏は旧統一教会の看板、選挙応援での司令塔だった。政策面での影響も問われている。安倍氏と旧統一教会との関係を調査せずに国葬を行うのか。理解は得られない。

【参議院】

■自民・舞立昇治氏(9分)

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参議院インターネット審議中継

──これまで海外から寄せられた弔意の具体的内容は。国葬儀は海外から多数の要人が来訪。政府の対応方針は。

首相:バイデン大統領、エリザベス女王陛下など約260の国・地域・機関から1700以上のメッセージ。在任中の業績を評価し、安倍元首相、ご遺族はもちろん、多くが日本国民全体への弔意を示すものだった。

これ以外にも議会の追悼決議、政府として服喪もおこなわれた。オーストラリア、イスラエルでは公共施設がライトアップするなど、国全体で弔意が表明。海外から多くの弔意が寄せられた。国として礼節を持って応えることが重要と判断し国葬儀を決めた。

インドのモディ首相、カナダのトルドー首相などが参列。外交遺産を受け継ぐ意思を内外に示すことも重要。相手国に我が国に示された敬意に答えたい。

──日本では国葬儀に賛成反対で分かれる状況。ブラジル、インドでは国をあげて喪に服して頂いた例があると多くの国民に知ってほしい。やってよかったねと多くの国民に言われるよう丁寧な説明と努力を。

■立憲・吉川沙織氏(30分)

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参議院インターネット審議中継

──国葬儀を明らかにしたのは7月14日の記者会見だった。この時点で国会や国民に説明する必要はあると考えていたか

首相:実施については政府としてどういう理由、根拠で判断したのかと判断のありようについて丁寧に説明することが重要だと思っている。できるだけ多くの国民の理解を得るよう説明責任を果たしていかなければならない。判断と努力が必要と認識。

表明した時点で十分説明していたかは、これは政府として政府として謙虚に受け止める。その後閣議決定するなど説明を続けたが、説明の重要性はしっかり認識して説明努力をつづける。

──いま伺ったときは、7/14時点で国会や国民に説明する必要はあると考えていたかどうかだ。官房長官に聞く。9/27を国葬儀と決めたのはいつ、どこで。

官房長官:7/22の閣議決定によるもの。

──7/14に記者会見で国葬儀を表明し、7/22に閣議決定。約1週間間があったがどんな検討をしたのか。

首相:国葬儀をするにあたり内閣法制局と協議で法的根拠、なによりも国葬儀の理由について整理をするなど様々な検討をおこなった上で7月14日の表明になった。その後も閣議決定の際に、様々な手続きが必要になる。書式を用意するなど準備を進めて7月22日の閣議決定に至った。

──7/14総理会見、7/22に閣議決定をした。内閣内部の意思決定プロセス、検討過程が不明だ。

首相:根拠は内閣府設置法および閣議決定であると申し上げている。7月14日の段階で政府として行政府として行えることについて、法的に整理をしなければならない。

14日の段階までに国葬儀の実施について行政権に属するものと確認し、だからこそ内閣府設置法に実施主体が明記されている。こうした法的な整理を内閣法制局とおこなった。行政権に属するなら閣議決定が必要であるとなり7月22日の閣議決定が必要となった。

──7/22に閣議決定をしている。表明から閣議決定までの間に国会への説明などはできたのでは。上皇さまの退位の際は、国会で議論してほしいと各会派の議論を聞き、国会の意見を聞き、政府に回答した事実がある。

首相:具体的に知っていたのかは、私もすぐに詳細につまびらかにできない。

いずれにせよ行政権の範囲内で適切な手続きを進めた。説明が不十分とのことは謙虚に説明努力を続ける。

──行政権の判断で行いうるとは法解釈的にあり得るかも知れないが、プロセス、手続き、国民の納得性の問題。国会の議決を経たわけではない。主権在民の中心である国会が濃く葬儀に参画していない。形式的には国葬儀だが、実質的に国葬儀が疑問だ。必要な経費は予算委員会で審議されてしかるべき。臨時会の召集要求を8/18に出しているが、内閣には召集義務がある。

官房長官:国会の召集は内閣が決定すべきもの。ただし召集時期は、合理的な一定の期間内と定められていると思う。与党ともよく相談して適切に判断する。

──「国会のことは国会」とはいうが、今日は総理が出席すると言って開かれた。臨時会の召集は憲法の義務。すでに予備費で支出するとした経費以外の経費は規定予算から捻出するでよろしいか。

官房長官:規定予算において支出される。

───規定予算の中から8億円程度の警備費、6億円程度の接遇費は規定予算で吸収できるか。

官房長官:お話いただいたとおり規定予算からです。

──全額を規定予算で扱うとすれば8億円、6億円程度が無駄な費用になりかねない。冗費でなければ、規定予算を圧迫することになりかねない。これ以外の経費の質・量が低下する可能性は。

首相:適切な手続きに基づく費用。必要な予算はコロナ対策物価対策をはじめ必要予算を確保し国民生活生業を守るため万全を期していきたい。今後の状況は不透明だが適切に財政面からも判断し、対応していく。今回の財政支出がほかの政策課題に悪影響を与えるものではないと認識。

──その分、冗費だったのではないかという懸念が出る。予算委員会で審議すべき。昭和天皇崩御の大喪の礼と比較はできないが、大喪の礼の警備を教えてほしい。

官房長官:平成元年の大喪の礼は164カ国など国内外から参列者。警備活動は予備費で24.4億円だった。具体的内容装備品の記録はないが、当時と比較することは一概には難しい。

今回は接遇を擁する海外要人も50程度と仮定すると8億円と見込む警備は妥当と考える。

──吉田元首相、それ以外の内閣・自民党葬の警備費でわかるものを教えてほしい。

官房長官:元首相の葬儀の警備も含め通常業務として行われるため、毎年度の予算として予想学を計上。こうした経費を葬儀に関連した経費として明確に切り分けられず、過去にさかのぼって切り分けるのはできない。

昭和55年の大平元首相の葬儀のみ、予備費で2.2億円を措置した実績がある。当時の会計資料がなく予備費を使用した理由や警備費用の総額は申し上げられない。

──国民の疑念があるからこそ、切り分けて説明が必要では。

官房長官:過去の規定経費における警備を切り出して示したことは無いが、総理からも国民の皆様により丁寧な説明をすべきと支持もあった。警備が必要な団体が50団体と仮定した上で先程申し上げた警備をお話した。

──8/25に安倍元首相の事件を受けて、警察庁は警備の見直し報告を国家公安委員会に提出した。これに照らして、警備は十分か。

首相:警察庁でも検証をした。当然だが、国葬儀はもちろん来年のG7サミットをはじめ我が国での大きな行事で警備に万全を期していかないと。官房長官から申し上げたとおり、各国から様々な連絡があり、具体的な数字をあげさせていただいた。万全を期して予算であるのは当然。

──補正予算で対応し、国会の議決を経て国葬儀を実施するべきでは。法律的にも制度上にも国葬の規定はない。法的根拠がなく、閣議決定で決めたことは混乱を招いた。今後の国葬儀の法律上の位置づけを考えるつもりは。

首相:法的根拠は内閣法制局と協議し、確認した。国の儀式は行政権に属する。その一つの根拠が内閣府設置法。

閣議決定に基づいて国葬儀を行う姿勢は昭和52年の衆議院で答弁で姿勢を明らかにしている。この姿勢は変わらない。行政権の範囲内なら閣議決定が求められる。

──戦後の国葬儀と内閣・自民党合同葬の件数は。

官房長官:国葬儀は吉田元首相の1件、内閣・自民党合同葬は8件。

──国葬儀と内閣・自民党合同葬の違いは。

官房長官:国葬儀は国による葬儀、内閣葬は内閣による葬儀・

──吉田元首相の閣議決定と、大平元首相の閣議決定、日付以外は同じ。一箇所だけ違うのは、葬儀のため必要な経費について「国費」か「一部は国費」か。国葬儀の合同葬の違いは外形的には費用負担だけでは。

官房長官:それぞれどういったかたちがふさわしいかは時の内閣が判断。経費に関するものは合同葬に関するものは内閣と自民党の折半だった。

──合同葬では不十分な理由は。

首相:理由は4点申し上げてきたが在任期間の最長、さまざまな功績、非業の死についても申し上げたが、国際的な弔意の表明を国としてどう受け止めるか。これが国葬儀が合同葬かの判断に大きなポイントだと思う。

──吉田元首相の国葬儀を皮切りに内閣・自民党合同葬の記録は残されているか。今回の件、空白の1週間を含め記録を残すか。

首相:さまざまな意見、批判、議論は承知している。国葬儀後に予算についても確定したものを報告しなければならないと思う。今後につなげるためにも検証し、今後の議論に資するようにする。

──55年ぶりの国葬、記録を残すか。

官房長官:実施後に記録集を作成する予定。公文書管理法に基づき必要な文書を残し、保存していく。

──国会の意見を聞かなかったために、分断を生んだ。国会、国民に向き合う政治を。

■公明・高橋光男氏(9分)

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参議院インターネット審議中継

──国葬儀についての思いは。

首相:民主主義国家として暴力に屈しない、国として毅然たる態度を示すことが重要と認識。安倍元首相は積極的首脳外交を展開し、大きな成果を挙げた。だからこそこうした人物の非業の死の国内外の衝撃が大きく、特に国際社会の衝撃が大きかったと受け止めている。

バイデン大統領、エリザベス女王陛下など約260の国・地域・機関から1700以上の弔意メッセージが寄せられた。議会の追悼決議、政府として服喪の決定もあった。

オーストラリア、イスラエルでは公共施設をライトアップして弔意を示すなどもあった。こうした弔意が日本国民全体への哀悼という趣旨だった。さまざまな弔意を我が国としてどう受け止めるか、国として受け止めることが重要。こうした要素も判断要素だった。

安倍元首相が培った外交的遺産を受け継ぎ、発展させる思いを内外に示すことも重要。相手国から示された敬意にしっかりお答えしたいと考えている。国の名において海外要人を迎えることが適当だと判断した。

──吉田元首相の葬儀では最高が大臣クラス12人、在京大使を含め100人強。今回は首脳級含め1000人超。概算費用は16.6億円で、TICAD7の17億円と同じ規模。最大限節約し、費用は公開すべきと考える

首相:50の接遇の必要な首脳を中心とする代表団が予想されるとして予算は仮置きで試算した。国際的な弔意に応える予算は大事。いま日本の警備の有り様、日本の安全も問われている。国際的な行事における警備も万全を期さなければならないが、国民からみて適切な予算を考えなければならない。結果は国民に報告しなければならないと思う。

──当日の弔意表明について。強制しないと明確に通知を。国葬儀の決定プロセスも残すべき。

首相:国民一人ひとりの皆さんに弔意を矯正するものではない。結果はしっかり検証し、今後こうした国の行事を考える際に役立てられるような扱い、検証をする。政府として進めたい。

■維新・清水貴之氏(14分)

shimizu

参議院インターネット審議中継

──当初は賛成が多かったが、現在の世論調査では評価しない人が多い国葬になりかねない。どう受け止めるか。

首相:厳しい意見、批判があることは十分認識している。理由を考えるとさまざま多岐にわたっている。法的根拠、予算、そもそもの評価などさまざま。共通することは説明が不十分だという点。政府として謙虚に受け止めなければならない。

さまざまな論点があるが、これからも丁寧に説明努力を行う。

──もっと早く説明すべきだったのでは。なぜできなかったのか。

首相:国葬儀の実施には法的根拠、理由をしっかり説明しなければいけない。判断がまず大事。合わせて判断に対して国民の理解、協力がなければならない。

政府として説明責任を果たさなければならない。判断と説明が大事。説明が十分だったかは謙虚に受け止めなければならない。説明部分はこれからも努力を続ける

──今回の国葬儀は国事行為にあたるか。

官房長官:国事行為は憲法7条に基づき天皇が内閣の助言と承認に基づき行う。今回はあたらない。

──内閣府設置法上の国の儀式として行われるとするが、事務として国葬を行うなら別の法律が必要では。内閣府設置法を根拠にするなら内閣葬にすべきでは。

首相:内閣府設置法4条3項には、天皇の国事行為として行われる儀式と、その他閣議決定に基づく国の儀式があるとされている。今回は後者になる。

国の儀式である国葬儀を実施することは国民の権利を制限したり義務を課したりするものでないため、別途の根拠法は必ずしも必要ないとの考えに立っている。内閣法制局とも確認し、法的整理をした。

──今の法体系のままいくと判断したのか、別の法律を作るべきとの議論はあったのか。国事行為ではない国葬儀は何のために実施されるのか。憲法7条の国事行為による国葬儀とは別のものという解釈か。憲法解釈に関わるので国会で議論、説明が事前に必要だったのでは。

首相:国事行為は憲法7条に基づき、天皇が内閣の助言と承認によって行う。今回は国事行為ではないと整理した。国民の皆さんからの説明不足だという指摘は謙虚に受け止めなければならない。

──どういった場合に国葬になるのか、ならないのか。基準を明確にすべきでは。もし民主党出身の総理が亡くなったとき、国葬にしなかったら説明が求められるのでは。総理経験者の国葬、内閣葬、合同葬、またはこういったものをしない場合も。どういった判断で決めるのか

首相:元首相の葬儀基準を決めるべきではなという議論は承知している。ひとつの行為をとってみても国内、国際情勢によって評価は変わる。

同じ行為でも50〜60年前の国際社会で同評価されたのかは違ってくる。事前に基準を決めることはなかなか難しい。

元首相の葬儀のあり方は、これまでもその時の内閣が様々な事情を総合的に勘案しふさわしい形を決めてきた。今後もその都度適切に時の内閣が判断するのが有り様だと認識。

──一方で、評価する側の立場や感情でも代わってくる。このままだと恣意的なものが入る余地があるのでは。安倍元首相の国葬理由は今後の前例の基準となるのか。

首相:その都度、時の内閣が様々な事情を総合的に勘案しふさわしい形で判断してきた。将来も、その時の内閣がふさわしい形で判断することになる。今後の議論に資する取り組みをすすめることは重要だと考えている。

■国民・浜野喜史氏(9分)

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参議院インターネット審議中継

──検討プロセスについて。閣僚懇談会は開いたか。

首相:このテーマで閣僚懇談会を開いたことはないが、内閣において意思疎通を図っていくことは必要として議論を積み重ねてきた。法的根拠も内閣法制局とも確認、整理し、発表した。

──国全体として敬意・弔意を示す儀式という理解でよいか。

首相:国の儀式として、国の名においての葬儀。個人に対する敬意と弔意を示すため、安倍元首相の国葬儀を行うことが適切と判断した。

──8/10の会見で、国全体として敬意・弔意を示す儀式という説明していた。説明を変えるということか。

首相:国として、敬意と弔意を個人に表す。こうしたことから国葬儀を行う。国葬儀を決定した。

──8/10の会見で「安倍元首相に対する敬意と弔意を国全体として表す儀式」と発言している。この説明は撤回するのか。

首相:いや、あの…国全体として弔意を示す。国葬儀をおこなうにあたって基本だと思う。その上で、海外からの弔意の受け入れなど国としても受け入れを国の儀式として行うことが重要と認識し、国葬儀を決定した。

──説明の表現を修正されたのかと理解した。「国全体」「国」として国葬儀をするなら国民の皆様にともに追悼しようと呼びかけるのが自然ではないかと思うが、しないのか。

首相:個人に対する敬意と弔意を表す儀式として国葬儀が適切としたが、実施にあたっては国民一人ひとりの弔意の表明を強制するものと誤解を招かないように、閣議了解や関係機関への協力要望は行わないこととした。

──納得いかない。国の儀式として安倍元首相を追悼するなら、国民の皆様にともに追悼しようと呼びかけるのは当然では。強制になるからしないという説明は通らないのでは。

首相:国民の皆様とともに弔意を示すのは需要だが、強制するものではないかという声があるので、誤解を招かないように丁寧に説明、手続きを進めたい。ぜひ多くのみなさんとともに弔意を示せるような国葬儀にしたい。

──政府の説明に一貫性がないと思う。国葬儀としてやる以上は、ともに安倍元首相を追悼申し上げようと呼びかけるのは当然。それが弔意強制になるというのは通らないと思うが。

首相:弔意強制という誤解につながらないよう、丁寧な説明をおこないたいと申し上げている。ぜひ多くのみなさんとともに安倍元首相に弔意を示せるような国葬儀にしたい。

──国葬儀になぜするのか。海外から弔意があると。それに対して国の儀式として礼節を持って応えると。そうであれば国民に追悼しようと、両方やらなければおかしいと思う。

■共産・仁比聡平氏(9分)

kyousan

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──安倍元首相のみを特別扱いし国民の多数の反対を押し切っての国葬は憲法の法の下の平等に反する。国葬理由に安倍元首相の功績、評価を挙げているが、統一教会の問題がある。霊感商法、高額献金で多くの人の人生を滅茶苦茶にした反社会的不法行為があった。元信者からは2014年頃から「安倍さんが私達を後援している」という話をよく聞いたと証言。お墨付きを与え、後ろ盾になってきた責任がある。これまでの関係のどこが問題で、なぜ関係を絶たなければならないと考えているか。

首相:国葬儀の議論なので、国葬儀については安倍元首相の在任期間、業績、国際的評価、民主主義を守るという姿勢から決めた。私は内閣総理大臣として立っている。本来なら自民党総裁としての発言は控えるべきかもしれないが、あえてご質問にもお答えする。

どこが問題なのかについて、旧統一教会をめぐる社会的な問題が指摘されている。広く社会全般で解決を望む声も大きくなっていると認識。政治家は社会的に問題が指摘されている団体とは慎重であるべき。

自民党においては政治への信頼を回復するため旧統一教会との関係を断つ必要があると考え、各国会議員の点検結果をとりまとめる作業を進めている。

──「指摘されている」「解決を求める声」とあるが、何を反省しているのかはっきりしない。統一教会と深い関係がある安倍元首相を国葬にすることに国民が怒っている。安倍元首相から統一教会支援を断られて立候補を断念した自民党の元議員が朝日新聞に証言している。研修に呼ばれ、安倍元首相が登場するビデオを見せられたとも。安倍元首相の時々の判断の結果、なにが行われたのか。調べればわかる。政府・自民党として関係者を調査、公表すべきでは。それによって関係を断つといえるのでは。

首相:国葬儀の判断は先程来申し上げている通り。自民党総裁としてこの場でお答えするのが適切かはわからないがあえてご質問にお答えするならば、それぞれの関係国会議員がそれぞれの過去を振り返り、点検し、国民に説明することが大事だと申し上げている。その結果を等として取りまとめ、国民の信頼につなげたい。

安倍元首相については、様々なかつての判断はそれぞれの判断があったと想像するが、本人が亡くなっているいま、十分に把握するのは難しい。今活動している国会議員が過去について説明し、党としてとりまとめ国民に説明したい。

──安倍元首相を不問にしての国葬は国民の納得を得られない。やるべきは国葬ではなく調査を。「国全体として弔意と敬意」を示すとするのが、「国」に国民は入るのか。内心の自由を侵害する憲法違反では。

首相:国民のみなさんとともに安倍元首相に対して弔意を示すことは重要だと思う。ただ国民一人ひとりに弔意を強制的に求めるものではない。こうしたことは強調させていただいている。国民一人ひとりに喪に服する事を求めるものではない。内心の自由が侵害されることはないと考えている。

──国民が入らない「国全体」などありえない。事実上、弔意を強いることを閣議決定することはありえない。


国民の理解を得られる説明、尽くせるか

これまで自民党政権では、野党側が臨時国会や閉会中審査の開催、各委員会への首相の出席を求めても「国会のことは国会でお決めいただく」を常套句に、攻勢をかわしてきた経緯があります。

ところが、今回の閉会中審査は岸田首相が自ら8月31日の会見で「テレビ入りで質疑にお答えする機会をいただきたい」と出席の意思を示しました。「初心」にかえって「丁寧な説明に全力を尽くす」とも述べ、国民への説明姿勢をアピールする戦術に出た格好です。

国葬に対する世論の賛否は割れ、報道各社の世論調査では内閣支持率が軒並み下落しています。

閉会中審査は国会の閉会中に緊急の要件を議論するために開かれるもので、短期間の場合がほとんど。憲法の規定に基づき、野党が召集を求めている臨時国会はいまだ開催されていません。

吉田茂氏以来、55年ぶりとなる首相経験者の国葬。国民の理解を得られる説明は尽くせるのでしょうか。

■審議の中継はこちら。

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※随時、記事を更新します。

(文・吉川慧

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