米中「半導体」競争で劣勢に苛立つ中国。10年で14兆円投資も他国との協力進まず半導体自給率低迷

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中国は半導体分野に巨額の投資を続けてきた。テクノロジー分野で覇権をとる狙いだが、期待する成果にはつながっていない。

Greg Baker/Pool via Getty Images; iStock; Alyssa Powell/Insider

中国政府が苛立っている。自国が未来のテクノロジーをめぐる競争に負けつつあるからだ。これは中国が超大国としての地位を手に入れるか否かを左右するほどの戦いであり、アメリカはそうはさせじとあらゆる手段を使って中国の足を引っ張っている。

半導体チップは自動車や携帯電話から戦闘機、高度ミサイルシステムに至るまで、私たちのテクノロジーの世界を動かす小さな頭脳だ。非常に複雑なため、一国単独でチップを製造できる国は存在しない。1枚のチップを製造するには、ドイツ製の化学薬品、日本やオランダ製の機械、中国やマレーシアにおけるパッケージングやテストなど、世界各地からの協力が不可欠だ。

過去何年かはそれでも問題なかった。テクノロジーはゼロサムゲームではなく、一つの国の技術革新には世界全体を前進させる力があることを各国政府が理解していたからだ。世界中に広がった半導体のサプライチェーンのどこかが攻撃されれば、世界は立ち行かなくなる——この理解が世界に安定をもたらしていた。

しかし、アメリカと中国がテクノロジー冷戦を繰り広げている今、状況は一変した。この戦争では、半導体チップが“武器”となる。

「主戦場」と化した半導体産業

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