【1分でわかる】第2世代「AirPods Pro」4つのポイント…現地取材でわかった「中身が丸ごと別モノ」

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第2世代AirPods ProをAR表示して実物(第1世代のAirPods Pro)と比較してみたところ。アップル公式サイトをiPhoneのSafariでアクセスするとカメラARモデル表示することができる。

撮影:Business Insider Japan

「スマホは買い替えないが、イヤホンはそろそろ新型を……」という人は、アップルが約3年ぶりに刷新した「第2世代AirPods Pro」が気になっている人もいると思う。国内価格は3万9800円(税込み)、2週間後の9月23日に発売になる。

現地発表会に参加した筆者も、実機でじっくり音質チェックはまだできていない。一方、発表後の実機ハンズオンでの短時間の試聴、その後の取材で第2世代AirPods Proの全体像が見えてきた。

4つの要素で解説してみたい。

1. 外見はほぼ同じだが「中身は別モノ」

ハンズオン記事でも書いたとおり、第1世代のAirPods Proと第2世代のAirPods Proはデザインがまったく同じで、間近に見てもまったく見分けがつかない。収納ケースでかろうじて新型だとわかるが、イヤホン本体は難しい。

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ケース・イヤホン本体ともに左側が第1世代だが、右側の第2世代と見分けがつかない。

撮影:西田宗千佳

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充電器も兼ねる収納ケースは、新型ではデザインが変わり、ケース下部に落とし物追跡で使うスピーカーが入った。

撮影:西田宗千佳

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cap ストラップ穴を追加する、という利便性を高めるデザイン変更もある。

撮影:西田宗千佳

だが、第1世代と第2世代では中身が全く異なる。

同じなのはバッテリー容量くらいのようだ。オーディオドライバーをはじめとした音響デバイスからマイク、イヤホン内でさまざまな処理をするプロセッサー「H2」に至るまで、完全な新規設計だという。

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見た目は同じでも、音響デバイス部分も新設計になっている。

出典:アップル

だとすると、音質などは相当変化している可能性が高い。

発表では「アクティブノイズキャンセル性能が2倍になった」としているが、少なくとも「ノイズキャンセルの効きが良くなる」ことは期待できる。

2. 機械学習を重視した高速チップ「H2」がすごい

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AirPods Proの頭脳であるプロセッサーは「H2」になり、H1の倍の規模になった。

出典:アップル

新規設計されたパーツの中でも、とりわけ大きな役割を担うのが、AirPods Proが内蔵するプロセッサー「H2」だ。

取材でわかったのは、従来の「H1」に比べて2倍の規模となり、トランジスタ数が「10億」に達したことだ。

10億トランジスタがどれくらいの規模かというと、2013年発売の「iPhone 5s」のメインプロセッサー「A7」に近い規模にあたる。もちろん、求められる性能が違うので単純比較できないのだが、あんなに小さなイヤホンの中に入っているのか、とは思わざるを得ない。

H2は、従来の第1世代AirPods Proが搭載していたH1同様、Bluetoothや音質の制御に至るまで、さまざまな処理をする。第2世代AirPods Proの頭脳となる存在だ。

面白いのは、H2では「機械学習処理」をかなり重視している点だ。

第2世代AirPods Proには、棒の部分をスワイプ(スライド)して音量を変える機能がある。

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指でスワイプして音量を変える機能を搭載する。これも機械学習を使って使い勝手を高めていることがわかった。

出典:アップル

この種の小さなタッチセンサーは精度に限界がある。しかも目では見づらいところを触感だけで操作することになるため、経験的に誤操作しやすい製品が多い。

だが、ハンズオン会場で体験した第2世代AirPods Proは誤操作がかなり少なかった。アップルによると、その鍵となっているのが、H2の機械学習処理だというのだ。

音質だけでなく操作の面でも「独自開発プロセッサー」が鍵になるのは、昨今のヘッドホン(イヤホン)開発のトレンドと言える。

3. マイクから取り込む環境音を85dB以下に。耳への負担を軽減

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指さしている部分に注目。グリーン(問題なし)まで音量が低くなっているが、本来の周囲の音は「92dB」もある。

撮影:西田宗千佳

従来なかった、興味深い新機能として搭載してきたのが「適応型環境音除去」だ。

これはH2の性能を活かし、マイクから取り込んだ周囲の音を「自動的に耳の負担にならない音量」へと下げてくれるものだ。

耳栓が「耳を閉じて音を小さく」して耳への負担を減らすアプローチだとすれば、第2世代AirPods Proの適応型環境音除去は、「マイクから取り込んだ音を小さなものにして」耳への負担を減らすアプローチ。いわば「音楽も聞ける耳栓」だ。外部の音量は自動的に、耳に負担をかけない85dB以下になるよう、調整されるという。

また、H2+マイクの機能により、外音取り込みによる周囲の音や声の自然さは、第1世代AirPods Proに比べ、より自然なものになっているという。

4. イヤーチップに「XS」が追加に

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イヤーパッドはさらに小さい「XS」も付属するようになった。

出典:アップル

元々AirPods Proには3種類のイヤーパッドが付属し、耳の大きさなどにあわせ、適宜付け替えて使うことになっていた。

第2世代では、より小さく耳への負担も小さくなる「XS」が追加になった。音が漏れるようではノイズキャンセルの効果が落ちてしまうが、耳に入れる時の感触とその負担が気になる人は、より小さなサイズを使うのもアリかもしれない。

(文・西田宗千佳

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