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【実機】アップル初のタフ腕時計「Apple Watch Ultra」で勝ちパターンが完成した

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Apple Watch Ultraと、新しいバンド。オレンジ色の方は山登りをイメージした「アルパインループ」。ラバーの方はダイビング対応の「オーシャンバンド」。いずれも価格は1万4800円。

撮影:石川温

9月7日(現地時間)に開催されたアップルのスペシャルイベントを3年ぶりに現地で取材した。

驚きだったのが、Apple Watchに新モデルとして「Apple Watch Ultra」が登場したことだった。

Apple Watch Ultraは、サイズが49mmと通常のApple Watchに比べて大型化されており、ボディーにチタニウムケースを採用し、高精度な「2周波GPS」を搭載する。

さらに、充電1回で最大36時間使えるスタミナ性能を備えるなど、「ハードに使えるApple Watch」というのがウリだ。

アップルとしてはスキューバダイビングや登山などのアウトドアを愛する人を狙っているようだ。

「一瞬で気に入ってしまった」

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腕に装着したApple Watch Ultra。49mmのチタン製ボディーはそれなりに大きいが、質感はとても高い。

撮影:石川温

実際にApple Watch Ultraをタッチアンドトライで試してみたが、目新しさもあって一瞬で気に入ってしまった。

サイドのボタンは大きく出っ張っており、かなり押しやすい。丈夫そうな素材で、多少、乱暴に扱っても壊れなそうだ(自分は一度、Apple Watchの床に落としてしまい、ガラスを派手に割ったことがある)。

Apple Watch Ultraはアウトドア向けというのはもったいなく、普段使いでも充分に満足できるデザインであった。

筆者はスキューバーダイビングは数年に1回程度、体験ダイビングで軽く潜る程度だし、登山も取材で富士山に2回、上ったことがある程度の、過酷な環境からほど遠い人間だ。

だが、タッチアンドトライ会場からホテルに戻り、気がついたら、ポチッと購入していた。価格は12万4800円。発売日は9月23日なのだが、到着予定が9月24日になっていた。

「発売日に手に入らないのか」と不満を感じていたら、なんと同じことをFacebookでつぶやいている知り合いが2人いた。どちらも会社経営者だった。

「勝ちパターン」をWatchでも再現するか

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中央のApple Watch Ultraとアルミモデル(左)、ステンレスモデル(右)を比べると、デジタルクラウンの大きさや彫りの深さがまったく違うことがよくわかる。質感も高い。

撮影:石川温

ここ数年、アップルの製品ラインナップにおいて、ターゲットユーザーを3つに分けることが「勝ちパターン」になっている。

例えば、iPhoneは、写真や動画撮影にトコトンこだわりたい人向けの「Pro」を用意しつつ、一般ユーザーにはノーマルのモデルを提供している。一方で、ガラケーからの乗り換えや子どもといった初めてiPhoneを購入する人、スマートフォンの機能には興味はない人向けには、安価に手が入る「iPhone SE」を揃えている。

iPhone 14シリーズにおいても、iPhone 14 ProとPro Maxはカメラのセンサーサイズを大きくし、暗いところでの撮影を強化するなど、プロ好みの進化を取り入れている。

一方で、ノーマルiPhone 14に関しては前モデルとあまり変わらないA15 Bionicを載せることでコストの上昇を抑え、手に取りやすくしている。

iPadにおいても、このラインナップづくりは似ている。iPad ProにはM1チップとデュアルカメラ、最大2TBのメモリを載せることで、仕事の道具として使えるだけのパワーを提供。一般的なユーザーにはiPad Airを用意し、M1チップでありながら、メモリは最大256GB、メインカメラも1つしか搭載しないなどコストを抑えることで普及狙う。

一方で、GIGAスクールやエントリーユーザー向けには、コストを徹底的に抑えたノーマルiPadもある。

今回、まさにApple Watchでも、アップルの勝ちパターンである「Pro」「ノーマル」「SE」という3つに分けてきた感が強いのだ。

  • 登山やスキューバーダイビングなど、準備と現地への移動にお金をかける人に対しての「Apple Watch Ultra」。
  • 一般的な普及を狙った「Apple Watch Series 8」。
  • 子どもやシニアなど、初めてのユーザーを狙った「Apple Watch SE」。

これが、3つのターゲットになる。

紆余曲折を経て、Apple Watchは成功してきた

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ハンズオン会場で展示されていたApple Watch Ultra。

撮影:石川温

アップルが初めてApple Watchを発売した2015年。

当時は高級腕時計路線を狙い、本体ケースに18金を使った第1世代のApple Watch Editionを100万円を超える値段で売っていたが、鳴かず飛ばずだった。

アップルとしてはiPhone ProやiPad Proのように、機能やスペックが充実し、自分の仕事に役立つのであれば多少高くても、お金を惜しみなく投入して買ってくれる「太客」を、Apple Watchシリーズの中にも欲しかったはずだ。

Apple Watchにおける「太客」を絶えず呼び込むため、Apple Watch Ultraはこれから毎年のように進化をし続けるのではないか。

アウトドア向けなら、今回のように多少、サイズが大きくなってもユーザーから許容される傾向がある。サイズが大きければ、それだけ部品を詰め込めるので、今後、新たなセンサーなども増やすことができそうだ。

毎年のように進化すれば、それだけ頻繁に買い換えてくれる可能性がある。

今回の発表で、Apple Watch Series 8はすでにデザイン的には完成され、また機能的な進化も小粒に終わるなど、全体的に踊り場にきた感は否めない。今後の大幅な進化は見込めないのではないか —— と思ってしまう。

一方で、Apple Watch Ultraはこれから「伸びしろ」しかない。

Apple Watch Series 8が5万9800円からなのに対して、Apple Watch Ultraは12万4800円。アップルとしては今後、Apple Watch Ultraに注力するのだと思えてならない。

(文・石川温)

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