撮影:三ツ村崇志
食品大手の明治は9月12日、「明治おいしい牛乳」や「明治ブルガリアヨーグルト」など、牛乳類、ヨーグルト、プロテイン飲料、乳幼児用ミルクなど115品目について、11月から値上げすると発表した。
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生乳価格の改訂で、やむを得ず値上げに。森永乳業は「検討中」
明治は、値上げの背景について「世界的な需要拡大などの影響により、海外乳原料、油脂といった原材料価格は上昇しています。さらに、原油価格高騰の影響による物流費コストや包装材価格の上昇に加え、エネルギーコストなどの諸経費も高止まりの状態が続いています」と理由を説明する。
全国の指定生乳生産者団体と2022年11月1日より生乳取引価格を引き上げることで合意したという。
明治の担当者は、Business Insider Japanの取材に対して
「生乳取引価格が大きく改定されたこともあり、やむを得ず価格を改定することになった」
と語った。
値上げの対象となるのは、牛乳類 15品、ヨーグルト58品、プロテイン飲料15品、宅配専用商品17品、乳幼児用粉ミルク10品の115品。乳幼児用粉ミルク以外は11月1日「出荷分」から、乳幼児用粉ミルクは11月1日「受注分」から新しい価格が適用される。
値上げの幅は、希望小売価格で2~7.5%、出荷価格で2.8~6.1%の値上げになる。
明治は2022年に入って以降、複数の商品に対して価格改定や内容量の変更を度々発表してきた。
1度目は3月、家庭用チーズやチョコレートなど、167品を対象に、4月、5月から順次価格改定することを発表した。2度目は4月、プロテイン飲料やアイスクリームなど96商品を対象に、価格改定と内容量変更が行われた(5月及び6月出荷・製造分から適用)。
3度目は7月、家庭用チーズなど23品商品を対象に、9月、10月出荷分に適用される。
今回の発表は、それに次ぐ4度目。2022年に入ってからの一連の値上げの中で、牛乳・ヨーグルトの値上げをするのは初めてだ。なお牛乳・ヨーグルトの値上げは、2019年や4月以来となる(理由は飼料価格の高騰などに伴うコスト増と説明)。
なお、生乳取引価格の改訂は、乳製品を取り扱う全ての企業に関係するものだ。
森永乳業に、牛乳などの価格改定の予定について問い合わせたところ、
「現状では、(価格を上げるかどうか)検討しているという段階」
との回答にとどまった。
(文・三ツ村崇志)