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- インスタグラムは、短尺動画機能の「リール」でティックトックに対抗しようと試みている。
- ウォール・ストリート・ジャーナルが入手した内部資料で、リールは競合に大きく遅れをとっていることがわかった。
- その資料によるとリール・ユーザーのほとんどは、エンゲージメントをまったく得られていない。
インスタグラム(Instagram)は数カ月前からリール(Reels)を本物にしようとしてきた。
だが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が入手した内部資料によると、リール機能に目立った効果は見られず、競合のティックトック(TikTok)のマーケットシェアに食い込むのは長い道のりとなりそうだ。
「Creators x Reels State of the Union 2022」と名付けられたこの書類によると、インスタグラムの1100万人のクリエイターで毎月リールに投稿する人はわずか約20.7%しかおらず、ほとんどのリールユーザーはまったくエンゲージメントを得られていない。
資料によると、ティックトックユーザーは毎日、動画視聴に累積1億9780万時間を費やしているのに対し、インスタグラムユーザーのリール視聴時間は毎日1760万時間と10分の1以下だ。
「この記事では、リールの進歩に誤ったイメージをつけるため、古いデータや、時には誤ったデータを使用している」と、メタ(Meta)の広報担当、デビ・ナラシムハン(Devi Narasimhan)はInsiderに話した。
「我々にはまだやらなければならないことがあるが、より多くの人がリールを視聴・投稿して繋がっているため、クリエイターや企業は約束された結果を出しており、我々のマネタイズの成長も予想より早くなっている」
この書類によると、オリジナルコンテンツの導入に苦労していることがリールの問題点のひとつだという。アップされる動画の3分の1近くが別の場所で作られてから、インスタグラムに投稿されている。再利用された動画(多くの場合、ウォーターマークで判断できる)は歓迎されないものであるため、ユーザーのフィードに表示される際にランクが下げられると同社は述べている。
「我々は、別のアプリでつくられた動画はおすすめ表示されないことを名言してきた」と、ナラシムハンは言う。
「我々のコミュニティは、インスタグラムのために作られた唯一のリールを望んでいる。それが、一番面白く、感動させるものだ」
この内部資料は、インスタグラムがより多くの動画コンテンツを推進し炎上したすぐ後に出たものだ。
2022年7月、メタはアプリのフルスクリーン表示をテストし、友だちより知らない人からの動画を多くフィードに表示するティックトックと似たアルゴリズムに移行することを発表すると、著名なインフルエンサーたちがすぐに反応した。
キム・カーダシアン(Kim Kardashian)やカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)は、インスタグラムに向けて「ティックトックになるのはやめて」と訴える内容をストーリーに投稿し、別のユーザーやインフルエンサーにも同じことをするよう呼びかけた。
その後すぐ、インスタグラムは計画を中止し、アダム・モッセーリ(Adam Mosseri)代表は「よく注視し再編する必要がある」とPlatformerで語った。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)