ウクライナのハリコフでウクライナ軍が捕獲したロシアの装甲車。
Anadolu Agency/Getty
- ウクライナ軍が同国のハルキウ州でロシアから領土を奪還したと報道されている。
- ワシントン・ポストとフィナンシャル・タイムズは、ロシア兵はあらゆる方法を使って逃げ出そうとしたと伝えている。
- あるロシア兵は自転車を盗み、他の兵士は地元の人に変装したという。
2022年9月11日の複数の報道によると、ウクライナがハルキウ州の数百平方kmの領土を奪還し、ロシア兵はライフルを捨て、地元民を装って村から逃亡したという。
ウクライナ軍は、西側諸国の強力な武器に支えられ、ハルキウ州の大部分を奪還した。
この地域の大部分は、2月に始まったロシア軍の最初の攻撃以来占領されており、ロシア軍はハルキウやキーウなどの主要都市から数kmの距離に迫っていた。
ロシア軍は油断していたと、ハルキウから60kmの小さな村、ザリズニチネの住民はワシントン・ポストに語っている。
地元住民のオレーナ・マトヴィエンコ(Olena Matvienko)さんがポスト紙に語ったところによると、ウクライナ軍の攻勢が始まって数時間で約半数が車で逃げ出した。見捨てられた残りのロシア兵はパニックになり、あらゆる手段で逃げようとしたという。
「ドローンに軍服姿を見られないよう、服を奪うために家に入ってきた」とマトヴィエンコさんは言う。
「自転車も奪われた。その鍵を渡すまで我々銃を向けていた」
マトヴィエンコさんはポスト紙に、兵士は「ライフルを地面に捨て」て、弾薬の木箱やトラックに積まれたロシア製戦車を含む車両も残していったと語った。
ハルキウ州南東部の反攻作戦に参加したウクライナ軍司令官、ペトロ・クジク(Petro Kuzyk)は、フィナンシャル・タイムズに、ロシア兵は急いで逃げ去ったようで、ウクライナ軍が到着した時にはまだ食事が残っていたと語った。
「我々は成功を望んでいたが、このような行動は予想していなかった」とクジクは同紙に語った。
「彼らは戦車や装備を放棄し、逃げるために自転車を奪い取った」
さらに「ロシア軍が完全に劣化していたことが、我々の仕事を簡単にしてくれた。彼らはオリンピック選手のように逃げていった」と付け加えた。
ウクライナは、2014年にロシアに併合されたクリミア半島を含め、奪われたすべての領土の奪還を目指すと繰り返し発言している。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は9月10日夜の演説で、約2000平方kmのウクライナ領がウクライナ軍によって解放されたと述べた。
Insiderは、ウクライナの主張する地域の奪還を独自に検証することはできない。しかし、報道写真には、当局が奪還したとする地域にウクライナ兵がいる様子が写っている。
「最近、ロシア軍は最善を尽くしている。つまり、その背中を見せているのだ。最終的には逃げるのが良い選択だろう。ウクライナには占領者の居場所はないし、これからもない」とゼレンスキーは言った。
BBCは、ロシアの国防省がハルキウ州の一部地域からロシア軍が撤退していることを認めたと報じている。
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)