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古代の「吸血鬼」は、口に石を入れて埋葬されていた

レンガや石が口に入った遺体

埋葬の例として、死者の口の中に石(左)やレンガ(右)を入れたものがある。

David Pickel/Stanford University/Insider; REUTERS/Handout/Insider

  • 何世紀にもわたって、人は死者がよみがえることを恐れてきた。
  • 専門家によると、石やレンガを死者の口に入れることで、この問題を解決できると多くの人が考えていたという。
  • 「吸血鬼」は、何か硬いもので口を止めない限り、墓から抜け出すために覆いなどを食い破ると考えられていた。

最近、考古学者がポーランドで発見した「吸血鬼」の埋葬例では、墓から遺体が蘇らないように首に鎌がかけられていた

だが、人が生者を苦しめる不死の「吸血鬼」の蘇生を防ぐ方法は他にもあったと専門家はInsiderに話している。そのひとつが、石やレンガを遺体の口に入れることだった。

ここでは考古学者たちが発見した2つの埋葬の例と、専門家による見解を紹介する。

「吸血鬼ナハツェーラー」のよみがえりを止めるレンガ

レンガをくわえた女性の遺体

16世紀のヴェネツィアの集団墓地から発見された女性の遺体は、ペストの犠牲者を食べないように口にレンガをくわえさせられていた。

REUTERS/Handout/Insider

まず最初の例は、イタリアのヴェネツィアから約3kmのところにあるラザレット・ヌオーヴォの16世紀の墓から発見された女性の遺体だ。

この女性は集団墓地の中でレンガを口にくわえている姿で発見され、科学者たちに「カーミラ(Carmilla:19世紀のホラー小説に登場する吸血鬼の名前)」と呼ばれた。これは当地の他の埋葬例とは異なる奇妙なものだった。

生前の彼女の素性ついてはよく知られていないが、考古学者によると、彼女はペストの大流行時に死亡したことが分かっているという。

「私は、致命的な病気にかかった人の体を操作したのはなぜなのかを説明しなければならなかった」とリバプール・ジョン・ムーア大学の法人類学の主任講師であるマテオ・ボリーニ(Matteo Borrini)はInsiderに語っている。

ボリーニはこの発掘の主任科学者で、彼は何が起こったのかを解明するために入念な法医学的鑑定を行った。

遺骨の写真

レンガを口に入れられた女性の遺骨の3Dモデルと、集団墓地の遺骨の写真。

REUTERS/Han

ボリーニは、おそらくその女性がヨーロッパの古い民話に登場する吸血鬼「ナハツェーラー(Nachzehrer)」だと考えられていたことを突き止めた。

「吸血鬼が外に出て人の血を吸うというのは昔からある考え方ではない。吸血鬼としてよみがえる前に、墓の中で人々を殺めるというイメージだった」と彼は話す。

「私は、疫病を蔓延させたと信じられている遺体があったという伝承を見つけた。その遺体は完全には死んでおらず、悪魔の影響を受けていたと考えられていたのだ」とボリーニはその古い信仰について説明した。

「そして、遺体は墓の中で覆いなどを噛み、黒魔術のような方法で疫病を広めたと考えられていた」

 科学者たちが「カーミラ」と名づけた女性の姿を法医学的に復元した画像。

科学者たちが「カーミラ」と名づけた女性の姿を法医学的に復元した画像。

Dr Matteo Borrini - Liverpool John Moores University

彼女の口にレンガを詰めれば、ナハツェーラーが覆いを噛んでよみがえるのを防ぎ、生者を病気から守ると信じられていたのだ。

しかし、カーミラは生前は吸血鬼と見なされていなかったはずだ。ボリーニの研究ではカーミラが埋葬された後、集団墓地が再び使用されるようになったことを示している。その時点では、覆われていた彼女の遺体はまだ完全に腐敗していなかったと思われる。

そのときはこの遺体はまだ新しく見え、墓掘り人たちは、遺体が憑依されていると思い込み、レンガを口に入れたのかもしれない。

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