イランのクルド人居住地域のサッケズで、ヒジャブを振り回す女性を撮影した動画のスクリーンショット。
@AlinejadMasih/ Twitter
- 一人の女性がヒジャブ着用規則違反の疑いで逮捕されてから4日後に死亡した。
- 彼女の葬儀で、女性たちがスカーフを脱いで頭上で振り、抗議する様子がビデオに収められている。
- 警察は、抗議者に催涙ガスを発射し、逮捕することで対応したと報道されている。
報道によると、イランの道徳警察に逮捕された後に死亡した22歳の女性の葬儀で抗議行動が発生した。
Insiderがすでに報じているように、マーサ・アミニ(Mahsa Amini)さんは首都テヘランで警察官によって殴られ、無理やりバンに押し込められた様子が目撃されてから4日後の2022年9月16日に死亡した。
彼女はヒジャブ着用に関する厳しい規則に従わなかったことで逮捕された。警察は、アミニが拘束された後、「突然」の心臓発作で死亡したと発表した。これに対して彼女の家族は反論しており、人権団体は調査が必要だとしている。
イスラム共和国は、ヒジャブを強制しようとしてこの女性を殺害した。
昏睡状態が数日続いた後、情報筋は「22歳のマーサ・アミニが今日死亡した」を伝えた。
彼女は「ヒジャブの着け方が悪かった」ために道徳警察に殴打されたのだ。
イランの女性たちは憤慨している。 強制的なヒジャブは宗教独裁の主要な柱だ。
アミニの故郷であるイランのクルド人居住地域のサッケズで行われた彼女の葬儀では、弔問客がアムネスティ・インターナショナルが彼女の「疑わしい」死と表現したことに抗議した。
葬儀に参列した人々は、イランの最高指導者であるアヤトラ・アリ・ハメネイ(Ayatollah Ali Khamenei)師に対して「独裁者に死を」と唱えたとThe National紙は報じている。BBCペルシャ語放送が確認した映像によると、一部のデモ参加者は地元知事のオフィスに向かって行進したという。
イラン人ジャーナリストが公開した動画では、アミニさんを逮捕する理由になったヒジャブ着用規則に抗議して、多くの女性がヒジャブを脱いでいる。動画にはサッケズで多くの女性が反政府のスローガンを唱えながらスカーフを振り回している様子が映っている。
BBCニュースによると、警察はデモ隊に催涙ガスを噴射し、知事のオフィスに向かって行進していた何人かを逮捕した。また、負傷した人がいたとも報じている。
サッケズの女性たちは、警官によるアミニさんの殺害に抗議するためにヒジャブを外して叫んだ。
「独裁者に死を!」
イランではヒジャブを脱ぐことは処罰の対象になる。我々は世界中の女性や男性に連帯を呼びかける。
同じジャーナリストがシェアした別のツイートによると、国中の女性たちが髪を切り、ヒジャブを捨てている様子が撮影されているという(当該ツイートは削除された)。
イランでは1979年のイスラム革命以来、ヒジャブの着用が義務付けられており、ここ数週間、イラン政府は遵守していないと見られる女性の取り締まりを強化しているとラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE/RL)は伝えている。
BBCニュースはまた、サイバーセキュリティとインターネットガバナンスの監視機関であるNetblocksが抗議行動中にテヘランとサッケズでインターネット接続がダウンしたことを指摘したという。ユーザーは、Instagramで動画をアップロードしたり、Whatsappでコンテンツを送信したりすることができなかったと、同ニュースは述べている。
イランは以前にも、政治的抗議活動を抑圧するためにインターネットを遮断したことがある。2019年には、同国の国家安全最高評議会が、全国的な抗議活動を抑圧するために1週間のインターネット遮断を命じた。
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)