ウォーレン・バフェットも推奨する「長期投資」戦略、バイ・アンド・ホールドを理解する

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一部の投資家は、バイ・アンド・ホールド投資がリスクを管理する最善の方法だという。

Delmaine Donson/Getty

  • バイ・アンド・ホールドとは、有価証券を購入して長い期間保有する長期投資戦略である。
  • バイ・アンド・ホールド投資は、リスクを管理しながら長期的な財務目標の達成を目指すうえで最良の方法だと言う投資家もいる。
  • 反対派は、積極的に売買するほうが良い結果を得られると主張する。しかし長年のデータを見ると、たいていはパッシブ運用のほうが優れた成果を上げている。

果報は寝て待て、ということわざを聞いたことがあるだろう。これは投資にも当てはまる。長い視野で見て、成功しそうな企業の株式を購入し、長期的な利益を期待するやり方だ。これをバイ・アンド・ホールド戦略と呼ぶ。

バイ・アンド・ホールド戦略とは?

バイ・アンド・ホールド(Buy-and-hold)とは、株式や投資信託などの金融商品を購入し、その後市場が変動しても長期間保有し続けるパッシブ運用戦略である。ベンジャミン・グレアムやウォーレン・バフェットなど、多くの著名な投資家がバイ・アンド・ホールド運用の推奨者であることはよく知られている。

短い期間で見ると、金融市場は激しく変動している。株式などの資産の価格は取引時間を通して絶えず上下し続ける。『賢明なる投資家(The Intelligent Investor)』の著者であるグレアムは、短期間での株式売買はギャンブルと同じだと考える。彼が言うには、真の投資とはもっと長いスパンで行われるものだ。

自分でポートフォリオを管理するにせよ、信頼できるファイナンシャルアドバイザーを雇うにせよ、ほとんどの人にとってバイ・アンド・ホールドは最良の投資戦略だ。退職後に備えて、あるいは少なくとも10年先などの目標のために投資をするのなら、長期保有は目的に適った運用法である。

バイ・アンド・ホールド戦略を試すべきか?

バイ・アンド・ホールド賛成論として説得力があるのは、うまく経営されている企業なら十分に長い期間を経れば価値が上がるという主張だ。

バイ・アンド・ホールド戦略を取り入れれば、市場の波やノイズに呑み込まれることなく利益を確保できる。例として、株式市場における10年間の平均リターンは9.2%である。

ただし、すべての投資家がこの戦略を好むわけではない。投資信託のなかには市場平均を上回る運用成績を上げるものも確かにあり、アクティブ運用の支持者は下げ相場にこそ最大のチャンスが見つかるという。そのような状況はしばらく訪れていないが。

要点:バイ・アンド・ホールドは、ほぼすべての種類の株式やファンドに適用できる。よくリサーチしたうえで銘柄を分散させた投資ポートフォリオを組み、長期間にわたってそのまま保有するつもりなら、それは間違いなくバイ・アンド・ホールド運用だ。

まとめ

バイ・アンド・ホールドはパッシブ運用の一種であり、多くの人がこの戦略を頼りにしている理由は明らかだ。

スピーディーに株を売買することは刺激的かもしれないが、そのリスクは非常に高い。自分の老後や将来がかかっているのだから、資産運用がラスベガスのカジノ化することは避けたい。ゆっくりでも着実に資産を増やしていくことに魅力を感じるなら、バイ・アンド・ホールドはあなたにぴったりの投資戦略だろう。

[原文:Understanding buy-and-hold investing — a long-term strategy that Warren Buffett swears by

(翻訳・長尾莉紗/LIBER、編集・長田真)

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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