給料はそのままに、働く時間が減れば、余暇を楽しむ機会が増える。
Ippei Naoi/Getty Images
- イギリスで、世界最大級の週4日勤務の実証実験が行われている。
- 参加した70社に対する調査結果は、この実験が概ね成功していることを示している。
- 回答の88%が今のところ「順調」、86%が実験終了後も週4日勤務の継続を検討したいと述べている。
世界最大級の週4日勤務の実証実験について、その途中経過が発表された。これまでのところは、かなり有望に見える。
イギリスの企業70社が6カ月間にわたる週4日勤務の試験プログラムを開始したのは、2022年6月のことだ。9月21日、このテストの指揮を執る非営利団体、4デー・ウィーク・グローバル(4 Day Week Global)はプログラムの中間地点での状況についての調査結果を発表した。
同団体は、70社の参加企業に対してテストの中間地点での状況についてアンケート調査を行った。
回答した41社のうち、88%が週4日勤務はこれまでのところ「順調」だと述べ、86%は試験終了後も、週4日勤務を継続する「可能性が高い」あるいは「可能性が極めて高い」と述べた。
参加企業の1つである、トリオ・メディア(Trio Media)のクレア・ダニエルズ(Claire Daniels)CEOは記者会見で次のように述べた。
「週4日勤務テストはこれまでのところ、非常にうまくいっている。生産性は高いままを維持し、チームの健康状態は向上、業績も44%アップした」
週4日勤務になることで最も懸念される、労働生産量が低下する可能性については、回答の46%が、会社の生産性は「ほとんど変わらない」、34%は「若干向上した」、15%は「大幅に向上した」と述べている。
典型的な勤務形態から出勤日を1日減らすことが、この新たな勤務形態の最大の課題であると予想されていた。
企業各社は週4日勤務への移行について、「1.非常に大変」から「5.非常にスムーズ」までの5段階で回答している。その結果、29%が「5」、49%が「4」、20%が「3.どちらとも言えない」を選択した。
「テストに参加できてうれしく思っているし、当社には合っているようだ。最初は容易ではなかったが、大きな変化はない」と別の参加企業、ウォーターワイズ(Waterwise)のマネージング・ディレクター、ニッチ・ラッセル(Nicci Russell)はプレスリリースで述べている。
「全員ががんばっている。楽な週もあれば、年休などで帳尻を合わせるために大変になる週もあるが、最初の頃に比べると、今は全体的にかなり落ち着いている」
「我々はみんな、休みが1日増えるのはもちろん大歓迎で、リフレッシュして仕事に戻っている」とラッセルは付け加えた。
「健康のためにもいいし、生産性も間違いなく向上している」
別の参加企業で建設系人材派遣会社のガーリング・ジョーンズ(Girling Jones)は7月、Insiderに対し、週4日勤務は労働者にとってプラスになることが証明されていると語っていた。
「我々が今そうしているのは、その方が皆ハッピーだから」と同社のアソシエイト・ディレクター、フィオナ・ブラックウェル(Fiona Blackwell)は述べている。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)