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1粒400円、日本初上陸の高級チョコ。ピエール マルコリーニ担当者に聞く日本市場

チョコレート

ピエール マルコリーニを代表するチョコレートのひとつ「レ クール」は、8個入りで税込み3623円。原料の高騰を受け多くの商品を値上げした。

撮影:横山耕太郎

鮮やかな赤色のハート型チョコなどで知られるベルギーのブランド・ピエール マルコリーニ(※)。

チョコレートの生産をめぐっては、カカオ豆生産国で児童労働問題が指摘されているが、ピエール マルコリーニは「サステナブルなチョコレート作り」を打ち出している。

そんなピエール マルコリーニは、日本の高級チョコレート市場をどう捉えているのか?

日本初上陸の新商品を発売するのに合わせ、ピエール マルコリーニ ジャパンのマーケティング責任者に聞いた。

新商品のポイントは動画でチェック。

撮影:山﨑拓実

ピエール マルコリーニ…ベルギー王室御用達を拝命したことで知られ、世界にブティック(小売店)を持つ。日本では2001年に銀座本店をオープンし、現在は川崎や名古屋などを含め8店舗を展開している。日本での販売はTHE CREAM OF CROP AND COMPANY(東京都目黒区)が担ってきたが、2021年9月にピエール マルコリーニ ジャパンを設立し、独占販売権を引き継いだ。

ベルギーでも人気の伝統的チョコ

チョコレートの写真

9月26日に新発売する「プラリネ モデルヌ」の断面。

撮影:横山耕太郎

ピエール マルコリーニ ジャパンが新発売するのは、伝統的なチョコレートを現代的にアレンジした「プラリネ モデルヌ」などの商品。

ベトナム産のカシューナッツ、イラン産のピスタチオ、イタリア・ピエモンテ州産のヘーゼルナッツ、スリランカ産のシナモンなど、産地にこだわった素材を使った6種類のチョコレートを7つ1セットにし、税込み2862円で販売する。

本国ベルギーではすでに発売されている商品で、担当者は「新しいスタイルで知られるピエール マルコリーニが、伝統的なチョコに挑戦したことで注目された人気商品」と説明する。

チョコレートの写真

「プラリネ モデルヌ」は7つ1セットで税込み2862円。一粒約400円という高級チョコレートだ。

撮影:横山耕太郎

高級チョコ市場「拡大していると感じる」

日本のチョコレート市場で、ピエール マルコリーニはどう戦っていくのか?

グローバル展開する菓子メーカーでの勤務経験を持ち、現在はピエール マルコリーニ ジャパンでプロダクトマーケティングマネージャーを務める平田有機氏に聞いた。

平田さんの写真

取材に応じた平田有機氏。

撮影:横山耕太郎

── 9月から製品を値上げしていますが、理由は?

チョコレートはベルギーで生産していますが、乳製品など原料高が上がっているためです。9月からほとんどの商品で平均約10%値上げしました。他ブランドの動向も見つつ、値上げしても買っていただける価格を考えました。

── 日本のチョコレート市場は他国と比較して大きいのでしょうか?

国別1人当たりの年間消費量で見ると、多いのがドイツやスイスで、日本よりも何倍も消費しています。

ただ日本は、バレンタインなど欧州にないギフト需要がある特殊なマーケットだと認識しています。日本のチョコレート市場は3000億円ぐらいの規模ですが、感覚的に言えば消費量に比べて売り上げは大きいと感じます。

高級チョコレートの国内市場については、分類された数字で正確に把握できる情報はありません。コロナで売り上げの落ち込みもあったと思いますが、百貨店さんからの情報や、他の高級チョコレート店の出店状況を見ると、長い目で見ると徐々に市場が拡大していると感じます。

エシカルへの意識「日本ではまだ進んでいない」

チョコレートが並んでいる様子

銀座本店には高級チョコレートがずらり。

撮影:横山耕太郎

── チョコレート生産に関しては、カカオ豆農園での児童労働が問題になっています。日本市場での「エシカル消費」への関心は高まっているのでしょうか。

ヨーロッパと比べるとまだ進んでいない印象があります。日本の市場でエシカルやサステナブルという意識が広がらない理由の1つは、諸外国に比べて問題を自分ごととして捉えにくいからだと感じます。

カカオ生産地との物理的な距離もありますし、メディアの伝え方や発信量も違うと感じます。

一方日本では「質の高い商品をきちんと使う」という、どちらかというとエシカル消費に近い考え方への感度は高いと感じています。

── ピエール マルコリーニのエシカル・サステナブルに関する取り組みを教えてください。

ピエール・マルコリーニ本人は、世界のカカオ農園を飛び回って、農園と契約を結んでいます。

一般的な市場価格に対して3倍ぐらいの値段でカカオを買い付けており、継続的に質の良いカカオを作ってもらうため、その分しっかり対価を払うという考え方です。

今でこそ「ビーン・トゥ・バー(カカオ豆の選別・仕入れから加工・製造・販売までの工程を全て一貫して手がけるチョコレート作り)」という言葉が広まりましたが、彼はその先駆けで、信念としてカカオ農家と対等な関係を築く活動を続けています。

choco

ピエール マルコリーニ ジャパンのウェブサイトにはサステナブルの文字が並ぶ。

撮影:横山耕太郎

── 店舗などではエシカルな取り組みを、あまり打ち出していない印象があります。その理由はなんでしょうか?

本国のピエール マルコリーニとしては、エシカルであることをアピールしていますが、日本でももっと消費者に伝えていきたいと思っています。

ただし、そのまま本国ベルギーと同じ方法をとればいいわけではありません。

例えば本国では、紙袋は生分解性の製品に変更していますが、日本でそれをやる場合、どの紙袋ならいいのか、本当に環境にいい商品なのかを判断する必要があります。

そもそも消費者の価値観として、「紙を使えば本当にいいのか」という点についてもナイーブな部分があります。

私たち(ピエール マルコリーニ ジャパン)としては、消費者にとって何が価値なのかをきちんと判断した上でアクションをしていきたい。

「新商品多く日本に紹介したい」

店舗の外観

ピエール マルコリーニ銀座本店。

撮影:横山耕太郎

── ピエール マルコリーニ ジャパン設立の前ですが、 2021年のバレンタインデーでは、事前に注文したチョコレート の配達がバレンタインデーに間に合わず、日本での前販売元が謝罪する事態も発生した。 どのような対策を講じていますか?

ブランドとしてお客様には非常に申し訳なかったと思っています。その後、半年間はECサイトを閉じて、プロセスを確認しました。

── 2021年にはピエール マルコリーニ ジャパンを設立しました。今後の戦略について教えてください。

本国との連携を強化し、本国で発売され日本で売られていない商品を、日本に多く届けたいと思っています。新たな体制になったことで、新商品の数は増えると思っています。

ただ日本のマーケットはいい商品が本当にたくさんある市場です。

今後は単純に商品を紹介するだけでなく、カカオへのこだわりや、ピエール・マルコリーニ自身の考え方、チョコレートの楽しみ方など、商品以外の価値をお客様に届けたいと思っています。

(文・横山耕太郎

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