リモートワークで仕事をする社員が、上司からどう思われているのかを調査したレポートが発表された。
Srdjanns74
「ハイブリットな働き方をしているチームの管理職は、自分の部下を完全には信用していない」——そんなレポートが2022年9月22日にマイクロソフトから発表された。
このアンケート調査によると、約85%の管理職は、リモートワークや在宅と出社を組み合わせたハイブリッドワークに移行すると、部下がきちんと仕事をしているかどうか分からなくなると考えているという。デスクワークをする社員の姿が見えないため、彼らがどの程度働いているのか把握できなくなったという。このため、リーダーは常に仕事の量を気にするという「生産性パラノイア」に陥っているようだ。
このマイクロソフトのWork Trend Index Pulse調査は、2022年7月から8月にかけて、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなど11カ国の約2万人を対象に実施されたものだ。
マイクロソフトは、Teamsなど自社のオンライン会議ツールを使ってリモートやハイブリッドで働く社員の仕事量の実際の増減を調べた。その結果、平均的なTeamsのユーザーではパンデミック以降、1週間のTeamsミーティングの回数が153%増加しており、仕事量が増加していることを示す結果となった。また、オンラインミーティング中でも職場の電子メールやメッセージに対応するなど、社員は今までより多くのタスクを行っていることも判明した。
しかし、ハイブリッドで働くマネジャーの約半数は、社員が十分な仕事をしていると信じていないと答え、半数以上は社員が何をしているのか見えないと答えている。オフィスで部下を管理するマネジャーでは、このように感じているのは全体の約3分の1しかいない。
この不信感は部下の社員たちにも伝わっている。ビーマリー(Beamery)社が2022年に行った別の調査では、3分の2以上の社員が「在宅勤務をしている部下の方が生産性が低い」と上司が見ていると回答している。しかし、エコノミストたちの間では、実際にはリモートワークの方が生産性が高いという意見が多い。
マイクロソフトのモダンワーク担当副社長であるジャレッド・スパタロによると、コロナ禍の働き方により期待値が「上昇」したため、管理職と従業員の間に「緊張の力学」が存在するようになったという。
「双方にはいろいろな感情があると思います。ビジネス環境がどうであれ、リーダーとしての自分の仕事は与えられた環境の中でパフォーマンスを発揮することだという考えがマネジャーにはあります」とスパタロは言い、こう続ける。
「世界は数年前よりずっと不安定になっています。さまざまなことが起きて、そして今も起きていて、社員は『あぁ大変だ』と感じているはずです。この2つが重なると、お互い非常に衝突しやすくなり、両方の側から多くの感情が出てくると思うんです」
スパタロは、リーダーがより明確な期待値を示し、社員を「パソコンのキーボードをたたくこと」でではなく、成果で評価することがより良い信頼関係を築くための方法の一つだと述べている。
(翻訳、編集・大門小百合)