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時間を無駄にする「儲からない」3つの投資法。新興国・有名企業株の落とし穴

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時間をかけても利益を出せないことは、株取引の初心者にありがちだ。

Keisuke_N/Shutterstock

  • FPでマネーライターの筆者は、 投資初心者のころ、時間をかけても利益を出せないことに悩んでいた。
  • 急成長している新興国株、誰でも知っている有名企業株、V字回復を期待するマイナス成長株、それぞれの落とし穴にはまったのだ。
  • 初心者が陥りがちな「儲からない」3つの投資方法について、実体験を元に解説する。

私が投資を始めたばかりのころ、時間をかけても利益を出せないことに悩んでいた。

有名企業の株に投資しても利益は出ず、新興国株で儲かったとしても重なる手数料に利益が目減りしてしまった。とある銘柄で損失を抱えた際はその株を持ち続けてしまい、身動きが取れなくなったこともある。

今回は過去に利益を出せなかった投資法をまとめてみた。私がかつて実践した3つの「儲からない」投資法をご紹介しよう。

1. 「手数料」を顧みず、新興国に賭ける

投資初心者のころは書籍やネットの記事などをよく参考にしていた。2016年ごろではあるが、現在と同じで新興国投資を促すような論調が多く、私もそのような論調に同意し、東南アジアなどの新興国株に投資してみようと考えたのである。私はまずインドネシア株に注目し、自動車保有率の上昇にあやかりたいと考えて、タイヤメーカーや高速道路運営会社の株を計50万円程度購入した。

数カ月後、10万円で購入したとある銘柄の含み益が10%になったため売却したのだが、為替手数料や売買手数料などの各種手数料によって利益が目減りしてしまったのである。日本の証券会社を通じて海外株を購入する場合、「1)日本円を海外通貨に替える」「2)海外通貨で海外株を買う」のように2段階で取引を行う。この際、1)では為替手数料、2)では売買手数料と手数料も2段階で引かれてしまうのだ。

こうした手数料は売却時にも引かれてしまうほか、海外株は国内株よりも売買手数料がかなり大きいため注意が必要となる(参考:楽天証券 アセアン株式手数料)。例のインドネシア株では購入・売却のそれぞれで約1%の売買手数料を引かれたため、1万円の利益に対して往復で2200円程度の手数料がかかってしまった。結局、他の銘柄は横ばいで手数料だけがとられてしまい、インドネシア株への投資は利益を出せずに引き上げてしまったのである。

海外株に限らないが、何かに投資する際は手数料も損失に加えた上でシミュレーションを行うと良い。リターンが期待できる場合であっても、ハイリスクな新興国株で売買手数料を引かれ、多くても5%程度の利益しか得られないと予測した場合、3%の伸びが期待できるローリスクな先進国株に投資したほうが良い場合もあるだろう。

ちなみに手数料の安い国内株と同じように売買できる海外ETFもある。海外投資に興味がある方は、そういったETFも選択肢の一つとして考えておくと良い。

2. 「分析」を怠り、企業名のみで買う

初心者が株式投資でやりがちなのは有名企業の株を購入するという手法だ。業績の信頼性が高く、株価も安定しているためローリスクではあるのだが、成長性が低いため大きな利益を得るのは難しいだろう。

私も当初は「ファンド事業も手掛ける某大手携帯電話会社」や「青色が特徴のメガバンク」など、誰もが知っている企業の株を買ってみた。決算成績で左右されるように確かに株価は上下するのだが、下落する株は1年間を通して下がり続けるうえ、一時的に上昇してもすぐに戻ってしまい、好機を逃してしまった。長期保有を試みるも1年間で株価は大きく変化せず、お小遣い程度の利益しか上げられなかったのである。

日本の大企業株は日経平均株価に連動することが多い。その日経平均自体も1年間で横ばいに推移するため、大企業株は短期で利益を上げようとするには不向きと言える(参考:日経平均株価チャート)。そして、1989年12月に3万8900円台のピークを迎えて、以降4万円台を超えられない日経平均と同じく、大企業株も株価がバブル期の大台を超えられない銘柄が多い。特にこうした傾向は製造業株で見られ、決算資料を見ても確かに業績が低迷していることが分かる。

短期間で利益を上げたければ、知名度にとらわれず、業績が伸びている企業を選ぶべきだろう。ただし、こうした企業は比較的新しく、経営面でのリスクを抱えているため、決算資料から財務の健全性を把握する知識が求められる。自己資本比率の推移やキャッシュフローが注目点の一つだ。

また業界全体の風向きにも注目しておきたい。例え上場したばかりで売上が伸び続けている企業だとしても、居酒屋業界のように国内での規模縮小が続く業界に属していれば、市場の流れに抗えず業績悪化に転じてしまう可能性がある。投資先は知名度に関わらず経営状態や将来性から判断し、大企業株に関しては配当金目当てや貯蓄代わりに投資するのがベストと言える。

3. 「塩漬け」を選び、何もできない

投資した商品の価値が下がってしまった場合、後のV字回復を期待してポジションを持ち続けてしまうかもしれない。マイナスが分かった状態で売却し、損失を確定するのはためらいがちだ。筆者も当初、損失が出ている銘柄の株を持ち続けてしまったことがある。しかし、こうした行為は「塩漬け」と呼ばれ、手持ちの現金が減ることで新たな投資の機会を失うことにもなる。

私の場合、100万円で購入したさまざまな銘柄のうち60万円で購入した分の株が含み損を抱える状態となってしまった。本来ならば諦めて売却すべきだったが、その後の株価上昇を期待して4カ月以上もの間、保有し続けてしまったのである。その間に損失額は膨らむばかりで、売却時には早めに見切りをつけておくべきだったと後悔した。

塩漬けは損失だけが問題ではない。含み損を抱えた株を持ち続けることで手持ちの資金がなくなり、新たな投資先を見付けても投資できなくなってしまうのだ。先の例では手持ち資金の60%が塩漬けで固定されていたため、良さそうな某銘柄を見つけても投資できなかった。ちなみに、気になっていた某銘柄は後に株価が上昇していたため、早々に損切りしておけば損失額はより少なく済んだだろう。

塩漬けをすると身動きができなくなり、新たな投資への機会損失も発生してしまう。長期保有が目的でない限り、投資する際はあらかじめ損切り設定をしておくと良い。購入金額に対し10%、20%など、損失額がある一定の基準に達したときに必ず売るよう決めておくのだ。そうすることで手持ちの投資資金が無い状態を長期化させずに済む。仮に売った銘柄の株価が後に反発したとしても自分の判断は間違っていなかったと認識し、未練は残さないようにしておこう。

まとめ

手数料の大きい新興国投資、値動きの少ない大企業株への投資、塩漬けによる機会損失の発生と、過去に私が利益を出せなかった投資法を紹介した。前者2つに関して言えば、必ずしも新興国株と大企業株への投資が悪いわけではない。筆者の場合は事前にシミュレーションを行わなかったことが、儲からなかった理由だ。

投資先を選ぶ場合は企業の成長性や市場状況を考慮し、手数料を考えた上で収支のシミュレーションを組み立てると良いだろう。機会損失を防ぐためにも、損失額を抱えた場合も想定しておき、手遅れにならない「損切りライン」を設定しておくのがベターだ。

(文・山口伸)

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