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- テクノロジー業界のビリオネアたちは、「終末の日」に備えて、豪華なシェルターを購入していると、新たに出版された暴露本が伝えている。
- ダグラス・ラシュコフは、世界有数の富豪5人と、世界の終わりにどう備えるかについて話をした経験を、新たな著書で詳しく述べている。
- ビボスやライジングSといった企業は、プールや馬小屋などの設備を備えた豪華なシェルターを提供している。
ダグラス・ラシュコフの著書によると、テクノロジー業界のビリオネアたちは「終末の日」に備えて、豪華なシェルターを建設しているという
ビボスのシェルター。
Courtesy of Vivos
ニューヨーク市立大学の教授であり、テクノロジーの未来に関する執筆や初期のサイバーパンク文化との関連で知られるダグラス・ラシュコフ(Douglas Rushkoff)は、世界有数の富豪5人と地球の未来について語り合うために、人里離れたリゾートに招待された(その富豪が誰なのか、彼は明言していないが、少なくとも2人はビリオネアだったという)。
この集まりで、テクノロジー業界の幹部たちは彼らが「イベント」と呼ぶものを回避するために地下シェルターを建設する計画について語り、気候変動や社会的崩壊を生き延びる最善の方法についてラシュコフにいくつもの質問をしたという。
Source: The Guardian, "Survival of the Richest: Escape Fantasies of the Tech Billionaires"
「ある証券会社のCEOは、自分の地下シェルターシステムをほぼ完成させたと説明し、『“イベント”の後、どうすれば自分の警備隊に対する権限を維持できるのか』と質問した」とラシュコフは記している
ビボスのシェルター。
Courtesy of Vivos
「イベント」とは、環境崩壊、社会不安、核戦争、太陽嵐、止むことのないコンピューターウイルス、すべての機能を停止させる悪意のあるコンピューターハックのことを指す彼らの婉曲的な表現だ。
Source: The Guardian
ラシュコフはガーディアンへの寄稿文で、ビボス(Vivos)やライジングSカンパニー(Rising S Company)といった超富裕層が災害等から逃れるために雇っているサバイバル企業について述べている
シェルターを設置するライジングSの作業員。
Courtesy of Rising S Company
ビボスとライジングSは、プライバシーの観点から特定の顧客やプロジェクトの詳細についてInsiderへの情報提供を拒否した。
Source: The Guardian
ビボスは、地下にある豪華なアパートのようなシェルターを販売している
Vivos
Source: Vivos
ビボスのシェルターは、世界各地にある冷戦時代の施設やミサイルサイロを改造して造られている
スチール製シェルターを組み立てる作業員。
Courtesy of Vivos
Source: Vivos
この複合施設では、個人がプライベートな空間を確保しながら、共有スペースも利用できるようになっている
野原に設置されたビボスのシェルター。
Courtesy of Vivos
Source: Vivos
ビボスのシェルターの中でも最も豪華な施設のひとつである「エウロパ・ワン」はドイツにある。1世帯に対して約230平方メートル以上の広さの居住空間を確保している
Courtesy of Vivos
Source: Vivos
ビボスはこのシェルターを世界最大のプライベートシェルターとして売り出している
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Source: Vivos
バーや教会、プールなど、さまざまな設備を備え、ひとつの村のように運営される
Source: Vivos
居住者には専用の豪華な居住スペースが割り当てられる
エウロパ・ワンの居住スペース。
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Source: Vivos
居住者のメンタルヘルスに配慮し、地下のシェルター内でも自然光のような照明を取り入れている
エウロパ・ワンのベッドルーム。
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Source: Vivos
映画館や庭園、ワインセラーも併設される
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Source: Vivos
敷地内には警備のための建物が立ち並ぶ。警備の問題はラシュコフが話を聞いたビリオネアたちの大きな不安要素だったという
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Source: Vivos, The Guardian
豪華な施設は魅力的だが、ラシュコフはこのような施設で本当に「終末の日」を生き延びられるのかどうか疑問だと述べている
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「要塞化されたシェルターが実際にその居住者を、現実から守ってくれる可能性は非常に低い。地下施設の閉じた生態系はとんでもなく脆いというのがその理由のひとつだ」とラシュコフはガーディアン紙に書いている。
「分からないことがあると知るだけで、生存の合理的な望みを打ち砕くには十分だ」
Source: The Guardian
ビボスはもっと質素なシェルターもサウスダコタ州で提供している
ビボスのシェルターにあるキッチン。
Courtesy of Vivos
Source: Vivos
ビボスがInsiderに語ったところによると、同社のシェルターは、入居者が最低1年間、外の世界に戻ることなく活動できるように設計されているという。その顧客は「『1%のエリート』ではなく、国際情勢に対する意識の高い高学歴の一般人」だという
ビボスのシェルター。
Courtesy of Vivos
新型コロナのパンデミックやロシアのウクライナ侵攻によって、ビボスのシェルターへの関心が高まったと同社は述べている
2段ベッドが並ぶビボスのシェルター。
Courtesy of Vivos
Source: Insider
ビボスのシェルターのオンラインでの申し込み価格は1人3万5000ドル(約500万円)から。有用なサバイバルスキルを持つ人は「大幅な割引」が適用される
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Source: Vivos
ライジングSの価格は4万ドル(約580万円)からだが、高級なものになると378万ドル(約5億4700万円)からで、同社の最も高価なシェルターは約1400万ドル(約20億円)だという
ライジングSのシェルター。
Courtesy of Rising S
ビボスとは異なり、ライジングSはシェルターを顧客が所有する土地に個別に建設する
ライジングSのシェルター。
Courtesy of Rising S
Source: Rising S Company
同社は高級志向の顧客向けにシェルターをカスタマイズすることが多く、手術室や馬小屋、射撃場、バスケットボールコート、暗号通貨のマイニング室など、あらゆるものをシェルターに組み込んできたという
ライジングSのシェルターにある医療施設。
Courtesy of Rising S
結局のところ、ビリオネアが逃げ場所を求める背景には大きなトレンドがあるとラシュコフは指摘し、イーロン・マスク(Elon Musk)が火星の植民地化を目指していることを例に挙げた
ライジングSのシェルター。
Courtesy of Rising S
「まるで、自分が出す排気ガスから逃れられるほど速く走る車を作りたいと言うようなものだ」とラシュコフは記している。
「我々の社会の最もパワフルな有力者にとって、自らの征服がもたらした主な影響により、世界そのものが他のすべての人にとって住みにくくなるとは、考えてもみなかったことだろう」
Source: The Guardian
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
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