服から服をつくる。「衣類廃棄ゼロ」に挑戦する新アパレルブランド「RTC」

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提供:ソウルドアウト

  • サーキュラーエコノミーをコンセプトに掲げる新プライベートファッションブランド「RTC(アールティーシー)」がローンチ。
  • 日本の伝統技術「反毛」を活用して、リサイクルを前提とした服づくりを行う。
  • 「衣料廃棄ゼロ」の実現の一つとして、Tシャツのサブスクリプションプラン「T-Sub」も登場する。

製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さによる商品の大量廃棄問題などから、その環境負荷が大きな問題となっているアパレル業界。そんな中、環境負荷を考慮する取り組みが広がっている。

アパレル事業を手掛けるアバハウスインターナショナルは、中小・ベンチャー企業のデジタルマーケティング支援を行うソウルドアウトと協業し、新プライベートファッションブランド「RTC(アールティーシー)」を発表した。新ブランドでは、アパレル業界における環境負荷などの問題の解決を目指している。

アパレル業界が取り組む「サーキュラーエコノミー」

国連貿易開発会議(UNCTAD)で、世界第2位の汚染産業とも指摘されているアパレル・ファッション業界。その解決策の一つとしてRTCがコンセプトに掲げるのが、廃棄を前提としないサーキュラーエコノミー()の実現だ。2022年1月、ファッション大国・フランスにて、食品以外の売れ残り品の廃棄を原則として禁止すること定めた「廃棄禁止及びサーキュラーエコノミーに関する法律」が施行されたことも記憶に新しい。

※サーキュラーエコノミー3原則

・Design out waste and pollution:廃棄物や汚染を生み出さない設計(デザイン)を行う
・Keep products and materials in use:製品や原材料を使い続ける
・Regenerate nature:自然のシステムを再生する

出典:エレンマッカーサー財団

同じくヨーロッパでは、オランダのジーンズブランド「MUD jeans(マッド・ジーンズ)」が、古いジーンズから回収されたリサイクルコットンを活用し再びジーンズをつくることで、新たな資源をできるだけ使わない循環型のものづくりに取り組んでいる。

日本の伝統技術を活かした、リサイクル前提のものづくり

RTC_ビジネスモデルのコピー

RTCのビジネスモデル

提供:ソウルドアウト

サーキュラーエコノミー実現のためにRTCが着目するのは、日本で古くから活用されてきた「反毛(はんもう)」技術だ。反毛とは、綿・毛などの天然繊維でつくられた製品を特殊な機具で解き崩し、もとの繊維の状態に戻すこと。その繊維を再び糸にし製品をつくることで、「衣類廃棄ゼロ」を目指していく。

また、反毛技術を持つ企業が地方に多く残ることから、地方創生や文化・事業の継承といった課題にも光を当てている。

ボタンやファスナーを使わないデザイン

今回発売されたのは、Tシャツ、パーカー、ノーカラージャケットの3種類。反毛を前提としているため、回収後に裁断・リサイクルがしやすいように、ボタンやファスナーを使わないデザインとなっている。

レギュラーT_whiteのコピー

Tシャツ・ビッグTシャツ カラー:白/黒 価格 :8800円(税込)

提供:ソウルドアウト

パーカー_ブラックのコピー

パーカー カラー:ネイビー/黒 価格 :1万7600円(税込)

提供:ソウルドアウト

ジャケット_ネイビーのコピー

ノーカラージャケット カラー:ネイビー/黒 価格 :1万8700円(税込)

提供:ソウルドアウト

いずれのアイテムもアームホールがない縫製のため、腕周りがスムーズでもたつきがなく、肩幅に左右されない着心地に仕上がっている。156cmの筆者はSサイズ(ユニセックス)の白いTシャツを着てみたが、全体のシルエットは少しゆったりしているものの、肩に縫い目がないため自分の肩幅にフィットするのが嬉しい。若干ストレッチの効いた素材は、中が透けない程よい厚みで滑らかな質感だ。首元のリブもしっかり詰まっていてビジネスシーンでも馴染むような清潔感がある。

サブスクだからこそできる「衣類廃棄ゼロ」への挑戦

同時に、商品はTシャツに限定されるが、サブスクリプションプラン「T-Sub」もスタートした。サブスクプランは月額1980円(税込)。Tシャツが届いて3カ月が経過したら、新たなTシャツとの交換が可能になるという仕組みだ。もちろん回収されたTシャツは反毛され、新しいTシャツへと生まれ変わる。

愛着を持って一つのアイテムを長く使うことも大切だが、Tシャツなどの消耗品はそうもいかない。伝統的な技術やテクノロジー、新たなビジネスモデルを掛け合わせ、新たなファッションの楽しみ方を提案する。

発表会のトークセッションに登壇した、編集者/ファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓さんは次のように語った。

「これからは、モノを購入し使用した“その後”のことも考えていく時代。ファッションを楽しむことが前提にありながらも、消費者自身が、使用して終わりではなく循環するサイクルに目を向けることも必要だと思う」

RTCでは今後、オリジナルアイテムの開発・販売だけでなく、同じくサーキュラーエコノミーの実現を目指すブランドのアイテムを扱うセレクトショップの展開を予定しているという。

RTC公式オンラインショップ:https://roundthecity.jp/collections/all

(文・高橋真紀)

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