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急速なドル高に対応する「逆通貨戦争」が起きている…各国中央銀行は自国通貨安を懸念

英ポンドが米ドルに対して劇的に急落したことで、イングランド銀行はより積極的な利上げを行うよう求められている。

英ポンドが米ドルに対して劇的に急落したことで、イングランド銀行はより積極的な利上げを行うよう求められている。

Reuters

  • 世界の中央銀行の間で、急速に進むドル高に追いつこうとする「逆通貨戦争」が起きている。
  • 高インフレを抑制することを目的としたアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の猛烈な利上げは、ドル高を進める主な要因になっている。
  • 日本も24年ぶりの円買い介入に踏み切り、英ポンドは対ドルで過去最安値を更新している。

急激なドル高により、世界各国の中央銀行が「逆通貨戦争」を繰り広げ、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)と歩調を合わせようと争っている。

2022年、40年ぶりの高水準に達したインフレを抑制するために、FRBは積極的な利上げを実施した。それによって米ドルは主要10カ国の通貨に対して少なくとも7%高くなった。特に日本円と英ポンドに対しては20%以上高くなり、両通貨は過去最安値を更新している。

このドル高をきっかけに、現在、世界各国の中央銀行が自国の通貨を強化し、利上げによってインフレに対抗しようとしている。そして9月21日にはFRBが今年5回目の利上げを行い、イギリス、ノルウェー、スイス、インドネシアなど他の多くの中央銀行も利上げを行った。

中央銀行が通貨を買い支えるために行っているのは利上げだけではない。日本銀行は、歴史的に輸出主導の経済を優先させるために円を切り下げてきたが、9月22日に24年ぶりのドル売り・円買い介入を行った。

これらの決断は従来の「通貨戦争」と逆行している。金融政策担当者は自国の通貨を安く抑えようとするのではなく、高くしようとしているのだ。各国の中央銀行がFRBの金融引き締めに追いつけなければ、自国通貨はドルに対してさらに弱くなり、最終的には輸入コストを押し上げ、インフレとの戦いがさらに困難になるという意識が高まっている。

「経済の先行き不透明感が強い今、通貨市場ではドルが強く支持されており、他の通貨はその影響を受けて苦しんでいる」と証券会社Oandaのアナリスト、クレッグ・アーラム(Craig Erlam)はInsiderに語っている。

ストラテジストの中には、特に日銀が取った行動をはじめ、これまでの取り組みに対してすでに懐疑的な人もいる。

「これが円安トレンドの転換に有効かどうかは大いに疑問だ」とドイツ銀行のFXアナリスト、ジョージ・サラベロス(George Saravelos)は9月22日に述べている。

「円が強くなるために重要なのは、世界的なドル高の状況が変わることだ」

イギリスの中央銀行であるイングランド銀行は、9月22日に行った0.5%の利上げに続き、11月の次回会合でさらに積極的な利上げを行うことを「ためらわない」と9月26日の声明で述べている。この声明は、イギリス新政権の減税案が市場に恐れを与え、ポンドが対ドルで史上最安値に急落した後に発表された。

イングランド銀行はやみくもにポンドを支えるつもりではないようだが、部分的な介入をするということは、ポンドの切り下げが高騰する物価に与える影響を懸念していることを示していると、あるアナリストは述べている。イギリスは食料と燃料のほとんどを輸入しており、ポンドの急落に加え、8月のインフレ率が前年同月比で9.9%上昇していることもあり、これらの商品はより高値になるだろう

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