研究者たちは、カフェインレスでも、インスタントでも、挽いた豆で淹れたコーヒーでも長生きに関連があると新たな研究で述べている。
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- 45万人を分析した研究で、1日2、3杯のコーヒーを飲むことと長生きすることの間に関連性があることが分かった。
- たとえカフェインレスのコーヒーでもコーヒーを飲んでいる人は、飲まない人と比較すると死亡する可能性が低かった。
- この発見は、コーヒーが長寿をもたらす可能性を示唆する既存の観察研究に基づいている。
1日に2、3杯のコーヒーを飲むことが、長生きにつながる可能性があることが新たな研究で明らかになった。
研究者たちは、UKバイオバンク(UK Biobank)が約12年半の間、追跡調査した45万人のデータを解析した。
その結果、コーヒーを飲まない人と比較し、挽いたコーヒー豆から淹れたコーヒーを飲む人は27%、インスタントコーヒーを飲む人は11%、カフェインレスコーヒーを飲む人は14%、早期死亡にする可能性が低いことが分かった。
コーヒーを毎日2、3杯飲む人は、その種類に関係なく心血管系疾患を発症する可能性が低く、さらにカフェイン入りのコーヒーを飲む人は、心臓の不整脈を発症する可能性がわずかに低いことも分かったという。
「我々の研究結果は、あらゆる種類のコーヒーを適量飲むことは控えるべきでなく、心臓に健康的な行動として楽しめることを示している」と、この研究の主執筆者であるオーストラリアのベイカー心臓・糖尿病研究所(Baker Heart and Diabetes Research Institute)のピーター・キスラー(Peter Kistler)はリリースの中で述べている。
コーヒーは体にいいとする研究結果は数多くある
『ヨーロッパ予防心臓病学会誌(European Journal of Preventive Cardiology)』に掲載されたこの新しい研究はコーヒーの長寿への効果に関する既存の研究を基にしたものだ。
2021年、『栄養学ジャーナル(The Journal of Nutrition)』に掲載された論文によると、毎日3、4杯のエスプレッソを飲むイタリア人は、コーヒーを控えている人と比較すると、8年間の全死因の死亡リスクが低いことが明らかになっている。
砂糖を少々加えてコーヒーを飲んでいるとしても健康上の利点は残りそうだ。17万1000人を7年間追跡した最近の研究によると、無糖または微糖のコーヒーを飲んでいるイギリス人は、コーヒーを飲まない人と比較すると死亡する確率が最大で31%も低いことが分かったという。
カフェインに敏感な人や、コーヒーの摂取量を推奨される1日4杯までに抑えたい人にとっても、カフェインレスコーヒーと長寿の関係性は有益なものだろう。
コーヒーの研究には限界がある
しかし、コーヒーと寿命に関する多くの研究では、直接的な関連性は立証されていない。一定期間の行動を観察した研究では、環境や行動など他の要因が結果に影響を与えている可能性があるため、その因果関係を断定することはできないからだ。
臨床試験でコーヒーを研究する場合、研究者は参加者の環境を注意深く監視し、コントロールすることができるが、それは旧式でサンプル数の少ない研究に限られている。
[原文:Drinking 3 cups of coffee a day is linked to a longer lifespan, according to a huge new study]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)