ヴァージン・アトランティック航空の客室乗務員。
Ben Queenborough/Virgin Atlantic
- ヴァージン・アトランティック航空は、客室乗務員が自分の好きな制服を着用できるようになったと発表した。
- これまでは、客室乗務員の制服は男女別で分けられていた。
- 代名詞バッジも導入し、従業員にはインクルーシブ・トレーニングを義務化するという。
2022年9月28日、ヴァージン・アトランティック航空(Virgin Atlantic)は、性別による制服を廃止したことを発表した。これにより、同社の従業員は性別に関係なく、自分が希望するヴァージン・アトランティック航空の制服を着られるようになった。
以前は制服が男女別に分けられていたが、9月28日の時点でこれらのカテゴリーはなくなったとCNNは報じている。
「この方針は本日より有効になり、ヴァージン・アトランティック航空の従業員が、自分らしさを表現できる制服を着用することで、彼らの個性を尊重する」と同社はInsiderに送った声明の中で述べている。
イギリスのファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)がデザインしたヴァージン・アトランティック航空の制服はそのまま変わらず、赤いスカートやワインレッドのズボンといった選択肢も含まれている。
ヴァージン・アトランティック航空は新たに代名詞バッジを導入する。
Ben Queenborough/Virgin Atlantic
同社の乗務員と、乗客にも任意の代名詞バッジを導入し、従業員にはインクルーシブ・トレーニングを義務付けることも発表している。
また同社は、性別を区別しない敬称を使うなど、発券システムもアップデートしたと発表した。予約時に性別を区別しない「U」または「X」のコードや、「Mx.」という敬称を選択できるようになったという。 ただしこれらを選択するには旅行者のパスポートに記載されている内容と一致している必要がある。
ヴァージン・アトランティック航空の最高顧客責任者(CCO)のユハ・ヤルヴィネン(Juha Järvinen)は「従業員の個性を受け入れ、職場で本当の自分を出せるようにすることが非常に大切だ。従業員が自分に最も適した制服を着られるようにしたいと考えている。また乗客にも希望する代名詞で対応できるようにしたい」とプレスリリースの中で述べている。
今回の変革は、ヴァージン・アトランティック航空を「空の上で最も包括的な航空会社」として確固たるものにするための一環だという。
ヴァージン・アトランティック航空がポリシーを変更したのは今回が初めてではない。Insiderが報じたように、2022年5月には客室乗務員の腕や脚のタトゥー露出を禁止する規定を撤廃した。ただし、首、頭、顔へのタトゥーは引き続き禁止されており、汚い言葉、裸、暴力などの不快なデザインや文字を含むタトゥーも隠さなければならない。
2019年、ヴァージン・アトランティック航空は、世界の主な国際航空会社として初めて、女性客室乗務員に勤務中の化粧を義務付ける規則を廃止し、女性の制服としてズボンとフラットシューズの着用を許可したと当時Insiderは報じている。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)