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探査機ジュノー、木星の衛星「エウロパ」に接近…表面の高解像度画像を撮影

NASAの木星探査機ジュノーが2022年9月29日に撮影したエウロパの未加工の画像データ。

NASAの木星探査機ジュノーが2022年9月29日に撮影したエウロパの未加工の画像データ。

NASA / SwRI / MSSS

  • NASAの木星探査機ジュノーは9月29日に木星の衛星エウロパのそばを通過した。
  • 天文学者は、エウロパの氷でできた地殻と、その下にある海を観測することができた。
  • 彼らはこの新たなデータが、エウロパの地下の海を研究するために行われる将来的なミッションに役立つだろうと述べている。

2022年9月29日、アメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機ジュノーは、木星の周りを回る大きな氷の衛星、エウロパの表面から約350キロメートル以内のフライバイ(近接通過)を実施した。20年以上にわたる観測史上、最も近づいたことになる。

ジュノーは、太陽系最大の惑星である木星を調査するために2011年に打ち上げられた。2021年に主要ミッションを成功裏に終え、現在はエウロパ、ガニメデ、イオといった木星の衛星の観測を行っている。

探査機ジュノーが2021年10月16日に撮影した木星の衛星エウロパ。

探査機ジュノーが2021年10月16日に撮影した木星の衛星エウロパ。

NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS. Image processing: Andrea Luck CC BY

9月29日のフライバイで、ジュノーはエウロパの観測を行い、その表面の高解像度画像を撮影した。エウロパに探査機が近接したのは、2000年にNASAの探査機ガリレオがフライバイして以来のことだ。

「エウロパの氷殻を観測しながら、ジュノーに搭載された一連の機器とセンサーを用いてデータを取得した。この画像は、これから明らかになるであろう驚くべき新しい科学を垣間見せる最初の1枚だ」と、ジュノーの主任研究員であるスコット・ボルトン(Scott Bolton)はプレスリリースで述べている。

ジュノーがエウロパへフライバイして得られた最初の未加工画像データは、9月29日の午後に地球へ転送され始めた。これらの画像は、探査機ガリレオによって撮影された古い画像とともに、凍てつく氷の世界についての重要な洞察を与えてくれる。

エウロパへは20年ぶりの訪問

9月29日午前5時36分(アメリカ東部時間)、ジュノーはエウロパに最接近し、その地表から約350キロメートル上空を飛行した。ジュノーはエウロパの影に入っていたが、木星に反射した太陽光が撮影に十分な明るさを与えてくれた。

左は探査機ガリレオが撮影したエウロパ。近似的な自然色で加工されている。右はジュノーが撮影したエウロパの未加工画像データ。

左は探査機ガリレオが撮影したエウロパ。近似的な自然色で加工されている。右はジュノーが撮影したエウロパの未加工画像データ。

NASA/JPL/DLR/SwRI / MSSS

上に掲載した画像の左は1997年にガリレオが撮影したエウロパを近似的な自然色で加工したもので、表層の地形の驚くべき多様性を示している。右の画像は、9月29日にジュノーがエウロパの方向に向いて撮影した未加工の画像データだ。どちらの画像も、表層を横切る長い線状の亀裂や起伏が見られる。

研究者たちは、この新たな画像データを加工した後、過去の探査機によるエウロパの画像と比較することで、この氷の衛星が20年の間にどのように変化したかが明らかになると期待している。

「ジュノーが取得した全画像と過去のミッションの画像を比較し、エウロパの表層の特徴が過去20年間で変化したのかどうかを調査していく」とジュノーの共同研究者で、可視光カメラ「ジュノーカム」のミッションを主導するキャンディ・ハンセン(Candy Hansen)はプレスリリースで述べている。

「ジュノーカムの画像によって、現在の地質図を補完し、既存の低解像度の領域を置き換えていくことになる」

エウロパには氷殻があり、その厚さは16キロメートルから24キロメートルと考えられている。天文学者は、その厚い氷殻の下に、深さ64キロメートルから160キロメートルと推定される塩分を含んだ海が隠されていると考えている。この海は地球外の生命体を探す上で大きな意味を持つ。液体の水はすべての生物にとって不可欠な成分の一つだからだ。

NASAによると、ジュノーはエウロパの氷殻の下を観察し、その組成や温度に関するデータを収集できる強力な機器を搭載しているという。

探査機ガリレオが1997年に撮影した画像をもとに、カラー処理を施したエウロパの表層。

探査機ガリレオが1997年に撮影した画像をもとに、カラー処理を施したエウロパの表層。

NASA/JPL-Caltech/SETI Institute

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